小夜物語 small tales of long night 第11話 「 神の助けはいずこに?」」 where is gods help?
第11話ここに始まる。
これは一つの寓話 a fablean allegoryです。
あるところに、
とても信仰心の厚い男がいた。
その男、、ある時、、乗っていた船が転覆し、海でおぼれてしまったのだった。
しかし、この男、必ず神が助けてくれると信じてまったく疑わなかった。
たまたま通りかっかったボートがこの男に助けの手を差し伸べたが、
彼は神が助けてくれるはずと信じて、断ってしまった。
さらに、ヘリコプターの救命綱がおろされても、あえて、すがろうとしなかった。
あくまで神が助けてくれると信じて、神の助けにこだわったのである。
結局、どの助けも断った彼は、溺れ死んでしまい、、、、
やがて、、、男は天国へと、やってきた。
彼は、早速、神の前に行きたずねてみた
「何で私をお助けにならなかったのですか?」と
すると、神はやさしく答えた。
「一体、ボートやヘリコプターをお前のところに助けに使わしたのは誰だと思っていたのだい?」
あなたにも私にも、実際日々、ボートやらヘリコプターやらが、神から使わされてきているのに、
あなたも私も、それに助けてもらおうとはしない。
神とはそんなものではないと思い込んでいるからだ。
神の御姿で助けてくれるはずと信じ込んでいるからだ。
チルチルとミチルが結局、自分の家の軒下の鳥かごにいる鳥が青い鳥だったと気付くのは、
散々、あちこち探し回った挙句の果てだったのと一緒かも知れない。