転生しました
怒りに任せて全力で机をひっくり返した。と言っても紅茶もクッキーも全部平らげた後だがら
しかしもろに机にぶつかっり、神様はかなりのダメージを食らったのか悶えている。が、こっちはそんなの関係ない。
「てめえのせいかよ。私が死んだのは」
「ま、まって。それは私の責任じゃない。さっき言ったとおりなぜかイレギュラーが起きてっ」
「そんなの関係ない!! こっちはあいつのせいで貴重な学生生活をいじめで駄目になって、大学からは遠い所に行って今まで以上に幸せに成ってやると決意していたのにっ」
もう怒りを通り越して、悲しさと悔しさとその他もろもろな感情が混ざりあって思わず踞った。
私が何をしたと言うのだ? そもそもあいつと私がただ関わっただけじゃあないか? それだけで何故あそこまで虐められなければならない? そもそも一般的な異性のただの同級生と同じ接し方だ。あいつもそこまでベタベタしてなかった。ウザいと思ったが、それは女子共の嫉妬の眼差しがウザくなるだけで、それがなければ皆と同じ『人気者』として親しみの心が産まれた筈なのに。
「だ、大丈夫?」
流石に神様も心配して私の顔を覗き込んだ。
「大丈夫に見えました」
そうだ。これは夢だ。これは悪い夢なんだと頬をつねったり叩いたり「覚めろ覚めろ」と唱えてみるが、否応なしにこれが現実だと確認する。
……分かってる。私が今やってるのはどうしようもない八つ当たりで、どうしようもない事だと。
「ッ……」
あー、涙が出てきた。
「あー。その、えっと……」
神様は私の目の前に座った。
「本当にすみませんでした」
あろうことが神様は土下座をしたのだ。
「……顔を上げて下さい。神様がそう簡単に人間相手に土下座しないで下さい」
そのまま神様は顔を上げた。
「本当にわざとじゃないんだ。君が彼と一緒に落ちたとき君を助けようとしたけど、…………もう私がどうにも出来ないぐらいで……」
「内臓がぐちゃぐちゃと出ちゃった?」
「……」
「無言は肯定ととらえます」
「……さっきも言ったけど、内臓とかが出てたんじゃなく、顔以外のパースの損傷が酷かっただけ……」
「同じようなもんでしょ」
私がそう言うと、神様はしょんぼりとなった。でも正直、結構心理的ダメージが来ている。……顔だけでも無事が唯一の救いか
「で、私はこのあとどうなるんですか。そのまま天国にい続けるのですか?」
「いや。君には別の世界に転生してもらう」
「転生?」
「さすがに前の世界には返せられないけど、別の世界に転生する事はできるよ。別に天国にいるのもいいけど」
「転生します」
私は即答した。どうせなら新しく生まれ直して第二の人生を謳歌しよう。神様はいつの間にか取り出した手帳に「転生、と」と何か書いていた。
「あとお詫びに三つお願い事聞いてあげる。だけどチート級な願いはダメだから」
「どうして?」
「あーいや、他の神が他の転生者にチートしまくったらさあ、ソイツが屑と言うか外道と言うか」
「あ~予想出来ました。神様に反乱したの?」
「それならまだしも、転生させた神が所属していた世界を滅茶苦茶にしたの。逆のパターンもあるから今では規制されたんだ」
「それはしかたがないですね。それじゃ、一つは今ある記憶力を最大級にするのはダメ?」
「それはOK。記憶力を最大に……他は?」
「二つ目はあちらの世界で三位位の強さにしてください」
「三位?」
「私のモットーは可もなく不可もなく、ですので。ですから強さが必要ですけど、二位だとやはり目立ちますので一番地味な三位に」
「なるほど、君が初めてだよ。大体の子は最強クラスの戦闘力を欲しがるのに……最後は?」
「あっちの世界ではめんどくさい事には絶対に巻き込ませないでください。これは絶対です!!」
顔を近いて私の必死な形相にどうやら神様はビビったらしく、顔が引きつっていた。
「あ……えーとなんとかするけどそれは運次第だな~。…………キミどーやらそうゆうのに巻き込まれやすい体質みたいだし」
「そ、そんな……」
何て事だ私はそんなはた迷惑な体質持ちなんて気付かなかった。……まさかあいつが良く絡んできたのは私の体質のせいか! 主人公体質よりも性質悪い!!
「もういっそ不死者になる?」
「不死者?」
「あっちの世界での体質の一つ。あっちの世界では確かに言葉通りに永遠に生きている不老不死のもいるけど、キミはそんなの望んでないでしょ」
「当たり前です」
冗談じゃない。そんな事誰かするか。
「私の言う『不死者』は簡単に言えば『治癒力が通常より何倍も早い』体質なんだ」
治癒力が何倍も早い? その体質になって一体私に一体どんなメリットがある?
「言葉通り通常より自然治癒力、治る速度が早いんだ。たとえば腕が千切れたとしても、元通りになるんだ」
「……それ治癒力で何とかなるとはならないと思いますけど」
骨はカルシウムだから治癒力で何とかなるとは思えんが。アレか? ご都合主義て奴か?
「細かい所は置いといて。ただし脳と心臓がいっぺんにやられたなら普通に死ぬけどどうする?」
「お願いします!!」
それチート級ではないかと思うが、しかし理不尽な目にあったんだからそれ位の恩恵を得ても良いだろう。
「それじゃいよいよ転生させるね」
そのまま神様は何やらチョークを取りだし、自分の人差し指を噛みきって真っ赤な血とチョークを混ぜた魔方陣を書き初めた。(書きやすくするため、わざわざ床を花畑からコンクリートにしてある)
「それじゃ真ん中に立ってね」
神様は魔方陣を書いたあとそう言った。私は言われるまま円陣の真ん中に立った。
それから何か難しく、たぶん私のいた世界の言葉ではない呪文を唱えた。すると、魔方陣から目を瞑りたい程の光を出した。
「それじゃがんばってね~」
神様が笑顔で手をふったので無償で転生してくれたほんの少しの感謝の気持ちを込めて、それに答えようとしたけど、神様の一言で、それは殺意に変わった。
「ちなみに今から行く世界には魁李くんがいるけど、まあ頑張ってね~」
……ちょっとまて。
魁李はあいつの名前で。あいつは私が死ぬ原因で。神様の話を聞いたけど『主人公体質』を持っていて。あいつはある世界を救うためそこに転生して。そこに私を転生するってことは……
「オイコラ。あいつと一緒なら私の平凡な人生は遠ざかるし、それどころか立だんでいいフラグ立ちまくりじゃあないー!!」
神様に殴りたかったけど、その前に私はあいつのいる世界に転生した。(最後に見た神様の笑顔に本気で腹立った)
何はどうあれ私の第二の人生を歩むことになった。
……前途多難だが。
ちなみに主人公が何故『一位』ではなく『二位』と言ったのは、それは無意識に『あいつ』がどうせ一番を取るからと思っているから(ちなみに主人公は神様に言われるまで『あいつ』のいる世界に転生されるとは思ってませんでした)