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VR世界の双剣少女は初めてのゲームを満喫する  作者: 時野洋輔@アニメ化企画進行中


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初心者ダンジョンを攻略しました(その4)

 途中、魔物が何回か現れたけど、危なげなく倒していく。

 そして、レベルが1つ上がったところで。


 ――飽きてきた。


 変わり映えのない通路ばっかりなんだもん。

 魔物だってあまり強くないから稽古にもならないし。


 オシャレなカフェとかは諦めてるけど、変わった彫像とか素敵な壁画とかは期待してたんだけどな。

 あれ? 水の音が聞こえる?

 ダンジョンの中なのに?

 下水だったらイヤだなぁ。

 でも、気になるから行ってみるよ。

 私は水のする方に向かって歩いていった。

 そして、そこにあったのは、美しい女性の石像が置いてある噴水と恐ろしい悪魔のような彫像が掘られた鉄の扉だった。


「こ、これは……」


 私は息を呑む。

 一目見ただけでここがどういう目的の場所かわかってしまった。

 やっぱりそうだよね。


「観光名所だ!」


 もう何もないかと諦めてたけど、ちゃんとあるじゃん。

 スマホがあったら写真を撮るのに。

 あ、そうだ!

 私は噴水の縁に座り、インベントリから銅貨を二枚取り出した。

 テレビで見たことがあるけれど、後ろ向きにお金を投げることで願いを叶えるんだよね。

 一枚投げたらもう一度ローマに訪れることができて、二枚投げたら素敵な出会いがあって、三枚投げたら今の恋人と別れられる。

 初心者ダンジョンはレベル10以上になったらもう入る事ができないそうだからここにもう一度来る願いは絶対に敵わない。

 だったら、銅かを二枚入れて、素敵な出会いがありますように――と願いを込めよう。


「そうだ! 買ってきたおやつもここで食べよ!」


 粉砂糖がたっぷりかかっている美味しそうなパイのケーキを取り出した。

 なんて名前だっけ?


【アプフェルシュトゥルーデル】


 ……えっと、


「アプフェルストルールー」


 最後は勢いで誤魔化しちゃった。

 言いにくい名前のお菓子だなぁ。

 手は――この噴水の水って綺麗なのかな?

 噴水の水を鑑定してみる。


【回復の泉:飲むとHPが全回復する泉】


 え? それってつまり――


「飲めるってことは綺麗な水ってことだよね」


 直接手を入れるのではなく、水筒のコップで水をすくって手を洗う。

 手が綺麗になったところで、いただきます!

 中にリンゴが入ってるんだ。

 でも、見た目はパイだけど食感はアップルパイよりクレープに近いかも。

 あっという間に食べ終えた。

 誰も見ていないから指についた粉砂糖を舌で舐めちゃう。 

 そして噴水の水を飲む。

 これ美味しい!

 スーパーで売ってるどっかの山の天然水より美味しいよ。

 でも、なんでこんなところに回復の泉があるんだろう?


 休憩場所ってこと?


「…………あっ!」


 私は己の迂闊さを呪った。

 これが回復の泉ってことはつまり――


「飲み水なんだったら、コイン投げたらダメじゃん!」


 どうしよ? 噴水のせいでどこに投げたかわからなくなっちゃった。

 でも、ここって私専用のダンジョンだって言ってたし、怒られない……よね?

 噴水の管理人さんがいないことを願おう。

 さて、気を取り直して、次の観光名所。

 この悪魔の扉!


 恐ろしい悪魔の顔が掘られている。

 私は息を呑みその扉に手を伸ばし――


「うわぁ、たべられるぅぅぅぅ」


 口の中に手を入れた。

 トレビの泉ときたら、今度は真実の口だよね?

 友達と一緒だったら、袖の中に手を隠して、「食べられちゃった」ってやりたい。

 私が生まれる前に流行った映画のワンシーンなんだよね。

 さすがに一人だと……ちょっとやってみようかな?

 袖の中に手を入れ――


「手、手がぁぁぁぁぁぁぁ……あれ?」


 扉が勝手に開いた。

 袖の中に手を隠して振ってる私を二足歩行の大きなトカゲさんがじっと見ている。


「アハハ……えっと、起こしちゃった?」



【初心者ダンジョンBOSS】

【リザードソルジャ】

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