太陽と闇。闇は絶対に太陽を覆えない。
戦闘描写死んでます。
まじで無理です。
そして過去最高の短さです。
これはもう、やばいです。
戦いの結果だけ知ってもらえれば・・・
剣と剣がぶつかり合う音が何度も響く。
2秒に一度程のペースで二人は激突していた。
サクヤが銀炎を展開し、頭上に銀色の擬似太陽を形成するが、シオンの無数の闇球が槍に変化し突き刺さる。
そして太陽が炸裂するがその間にも二人は爆風の中で再び剣を合わせていた。
だがその衝撃と爆風が重なって、流石に二人とも絶えられず派手に吹っ飛ぶ。
距離が開いた瞬間サクヤは剣を消して虚空から2丁のこれまた銀色の銃を取り出し、一瞬で両手に持つと全く躊躇せずに連射した。
片手で扱えるような大きさではない銃をいとも簡単に扱っている。
見事に全て命中するが、それはシオンが創りだした闇の壁に阻まれていた。
「俺の能力は闇だけじゃないぞ?」
すでにシオンはサクヤの後ろへと転移を完了している。
そして一気にけりをつけようと、剣を振り下ろす・・・が、
「知ってるさ」
サクヤは振り返りもせずにかわすと、振り向きざま銃を乱射した。
「ぐっ・・・!」
数発当たりはしたが、すぐさま態勢を立て直す、その時にはサクヤは銃から剣にチェンジしている。
「っらぁ!!」
サクヤが銀炎を纏った剣を横に一閃した。
半径100m以上もある三日月型の太陽がシオンを飲み込む。
派手な音を撒き散らし、ダンジョンの入り口を完全に粉砕しながら遥か遠くの地面がえぐれる。
「う~ん、ちょっとやりすぎた・・・、ッ!?」
超高速で槍化した闇球が頬を掠めた。
「なめんな!!」
シオンが叫びながらサクヤの目前に転移してきたが、そのときにはすでに剣を振っていた。
恐らく剣を振りながら転移したのだろう。
これにはサクヤも焦った。
サクヤに冷や汗をかかせたのはシオンが史上初だろう。
銀狼との戦いのときも、終始余裕があったというのに。
「ちっ! お前は二刀流かよ!!」
無傷ではなかったがシオンは右手に黒剣、左手に闇で創った剣のようなものをもっていた。
「俺にはこっちの方がしっくりくるんだ。それに、闇の方は応用が利く。・・・こんな風に」
いきなり刀身が歪んだ。
そしてシオンは歪んだ剣を無造作に振る。
また金属音が響いた。
「めんどっくせー!」
かなり離れていたのにも関わらず攻撃を成功させていた。
厄介な力だな、闇って。とサクヤは心の中でひっそり思う。
「まあ俺も使えるんだけどな。」
でもま、と続ける。
「終わらせるぞ」
空間が軋む。
右の掌を中心に、魔力が渦巻く。
本来、サクヤの炎は魔力を消費しないが、組み合わせれば空間に影響を与えるほど高密度のエネルギーを生成できる。
そして太陽を越える太陽が完成した。
「・・・すごいな・・・でも、まだ負けない。俺も、本気で挑む・・・!」
シオンも負けじと魔力を集める。
だが、明らかに二人の間には大きな差があった。
それはレベルによるものなのかなんなのか、二人には分からない。
ただ確実に、シオンはサクヤに劣っていた。
『初めての敗北』は、シオンに何をもたらすのか。
「シオン。・・・死ぬなよ」
「・・・。そうだな、努力はするさ」
二人はまた衝突したが、力は拮抗せず、ただ一方が吹き飛んだからか・・・世界は微動だにしなかった。