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ゲームな世界!  作者: サクヤ
17/22

二人しかいない世界。他に存在するものは、星だけ。


更新遅いくせに短くてすいません。

サブタイトルに深い意味は特にないです。

というかバトル入らなかったです。

次は絶対入ります。




 [フリュート]に着くまで丸1日かかった。


 トーレンスと話していた場所はこの馬鹿でかい街のほぼ中心で、そこから街の門までは相当遠い。


 実は、街に着いてから中心まで行くのにも同じくらいの時間がかかっていた。


 この世界の移動手段としては、最高時速80㎞程の乗り物の、『車』があるが、俺達の場合はそんなものを使うより瞬間移動を繰り返して進んだほうが早く着く。


 流石に、中心付近から外側の門近くへの転移門があるため、それを使ったりしたわけだが・・・こんな大きいのに街ってどういうことだ?


 いっそ国でもいいんじゃないだろうか。


 小さめではあるけど。


 結局目的地に着いたときには日は完全に暮れ、仕方ないからここで一夜を過ごすことになった。


 ダンジョンの入り口前の道から横に逸れた、短い草の生えている中に所々に地面がむき出しになっている場所があって、そのうちの一つの平地だ。


 俺達が出てきた街の門がまだ見える。


 わざわざここで野宿する必要はなく、門の近くで宿でも借りればいいとは思うが、こういうのは雰囲気が大事だと俺は信じている。



「ん・・・あ~! 最近は平和だったからねー。いろいろ大変なことはあったけど、こんな感じの野宿なんて初めてだよね」



 揺れている焚き火の炎に手を突っ込んでぷらぷらしていたら、ミナが体を伸ばしながら話し出した。



「いつもは絶対にモンスターとかいない場所選んでるから、なんも警戒しないで寝れちゃうもん。まあここらへんもあんまりいないんだけどさ」



「確かになー」



「平和もいいけど、私達の目的が目的だしね。レベルだって上げないと」



「たかが500Lv.程度のこんなところでも、俺達なら簡単に上がるからな」



「でもさ、『果て』って、どれくらい遠いんだろ。どのくらいのレベルが必要なのかな・・・」 



「・・・さあ?」



「もー。いいもん。どんなに時間がかかっても絶対見つける。世界で一番に!」



「・・・あれ? お前ってそんなキャラだったっけ?」



「まあ一番はサクヤに譲ってあげてもいいよ!」



「ミナでいいよ。俺は、見ることができればそれでいいし。ってか仲間増えたらどうすんだよ?」



「後から入ってきた人に譲る気はないよっ」



「そいつからしたら、俺達が後から入ってきた人になるんじゃないか・・・?」



「うーん?」



「悪い、なんでもない」



「そう? それにしてもこの話、目的とは全然関係なくない?」



「別にいいだろ。いまさら話し合わなきゃなんないことなんかないし。とにかく手がかりを探す、それだけだ」



「そうだけど、役割とかさ、いろいろ・・・」



「まあそういうのは、なんというか、別にな。二人で一緒に探し続けるってだけでいくない?」



「手分けして探した方が効率とか・・・」



「却下」



「えええ!?」



「もう寝るぞー。ほら、火、消すぞ」



 ミナはまだなにか言いたそうだったが、火を消滅させると寝る準備を始めた。


 俺達の睡眠は、そこらの高級ベッド、まあそこらに高級なベッドなんか転がっているわけではないが、そんなものはおろか『天才』の街[Denial](否定する街)にある最高級のもので寝るよりも快適だ。


 少し熱を持たせた魔力を身に纏えば夜の寒さを完全に防げる。


 今は夏も終わる頃、夜は結構冷える。


 蒸し暑い夜もあるが。


 そして身体を横たえるときにも、魔力を柔らかくして自分の下にひいて、あとは自分で微調整をすれば快適ベッドになる。


 ただの『天才』程度では、寝ながらそんな魔力の維持も、ここまで思い通りに物質化させることも到底出来ないが、俺達にしてみれば呼吸に等しく簡単なことだった。


 ・・・はたから見れば、俺達は宙に浮いて見えているだろう。



「サクヤー」


 

「んー」



「・・・犯人見つかるといいね」



「見つけるんだろ? お前も怒ってたじゃんか」



「うん、見つける。人を殺したんだから、罪は償ってもらう」



「・・・お前には似合わないよ、そういうの」



「わかってるよ。だから、実際に行うのはサクヤ。私はお手伝い」



「俺も嫌だけどな。ミナがやるよかマシか。まあそんなのは全部あの最高責任者とやらに任せとこう」



「あはは、そうだね!」



 俺はふと空を見た。


 視界にはずっと入っていたんだろうけど見ようと意識していなかったからか気づかなかったが、星が、空を埋め尽くさんといわんばかりに瞬いている。


 本当に、比喩でも何でもなく。


 辺りは闇一色なのに、ほんのり優しく、世界が淡く輝いているように感じる。


 幻想的だった。



「こうして見てると、手が届くような気がするな・・・」



「サクヤなら届くんじゃない?」



「・・・まだ、無理かな」



「意味分かんないね! 届くわけないし、もし届いたとしてもなんの意味もないのに」



「だーから。こういうのには雰囲気が大事なんだよ」



「はいはい」



 本当に綺麗だな。


 寝るのが勿体無い気がしてくる。


 今までもこれくらいのものは見たことがあるのに、今日は一段と綺麗に俺の目には映る。


 それがなぜかは分からないが、こういったものを探しながら旅をつづけるのもいいかもしれない。


 思い出にもなるだろう。



「ミナ」



「うん?」



「おやすみ」



「・・・おやすみ、サクヤ」






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