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ゲームな世界!  作者: サクヤ
14/22

世界最強の男。でもサクヤ達には遠く及ばず。


いつも以上に退屈だと思います。

話してばっかで。

次につなげるのと、軽く伏線入れる目的の話です。

出来れば最後まで見てください。

あと、ものすごく展開が急です。

分かりづらいと思いますが、すいません・・・










「ひさしぶりだな、サクヤ」



「・・・・・・・・・・・」



「(小声で)サクヤ、サクヤ、 なんか知らないけどそこの無駄に偉そうで1メートルくらいの顎鬚が生えてて頭のてっぺんが寂しくてとにかくひとことで言うと変なおじさんが名前呼んでるよっ! 返事、返事!」



「聞こえているが? そこのお嬢さん。ぎりぎり聞こえるような小声で話されるとすごく腹立たしいな。そして偉そうとはなんだ偉そうとは! 事実、わしはこの街で最も偉いのだぞ、うぉっほん!」



「・・・・・・・・・・・」



「・・・サクヤ、サクヤ、なんか知らないけどそこの無駄に長いローブ着てて服とか全部白くて自分より大きい杖持ってて頭のてっぺんが寂しくてとにかく全体的に痛い感じのおじさんが名前呼んでるよ!!」 


 

「全部聞こえているが、というか頭のてっぺん寂しいとか2回も言うでなぁい!! 貴様、小娘の分際で・・・!」



 いい加減俺は叫ぶ。



「あー!! お前らちょっと黙れ!! 今必死に思い出してんだろーが!! 全然集中出来ねーわ!!!」



 うるさい。


 今こっちはあのおじさんが誰なのか思い出してる最中なのに。


 でも、『天才』のリーダーってこんなおっさんだったか?


 もっと年とってて無口で硬派な感じだったような・・・。


 名前はありふれていたというか、あまり印象に残らなかったが。


 でもこいつはこいつで見たことがあるような・・・。


 ・・・思い出せん。



「サクヤ・・・? 私は、少し馬鹿にしてたところもあったけど、ちゃんとさりげなくこのおじさんの外見描写をしてたし意味のあることだったよ? でも君のは、ちょっと、なんというか・・・酷い」



「その台詞も十分酷いということには気づいてくれないのか!? それよりもなんだその口の利き方は!? 礼儀がなっておらんぞ小娘!!」



「やっぱ分からん。そしてあんた、敬意を払うべきまともな大人には見えないな。敬語なんかつかってもらえると思うなよ」



「わ、わし・・・この街で一番偉いのに・・・」



 なんか、ものすごくしょげていらっしゃる。


 きもい。



「ということは、お前がトップか? 名前は? 端的に言え」



「いかにも!! 何を隠そう、わしがこの[Denial](否定する街)の最高責任者である、」



「いいからさっさと名乗れ」



「今名乗ろうとしておっただろう!? トーレンスだ!!」



「ていうかお前、なんか見たことあるな。でも、俺が知ってるリーダーとは違う、よな?」



「くっ・・・わしは名前を覚えていたというのに・・・! ・・・うむ。お前の言い方でいうなら、わしは副リーダーの補佐だったというべきか」



「副リーダーの補佐? なんだそれは」



「そのまんまだ。リーダーを補佐する者を補佐するのだ。というか本来はだな、リーダーなんて言い方はせん。最高責任者という」



「ああそう。で? そんな地位だったのになんで今はいきなり最高責任者なんかやってるんだ? この1年とすこしで出世したとしても、トップになるということはありえないだろう。あんたはもういい年してるし。トップが替わることは、そいつが老衰する、またはそれ以上の『天才』が現れた時くらいしか無いからな。あの人は多分、まだそんな衰えるような年齢じゃなかったし、『天才』の線も薄い。何より、副責任者の補佐って結構下の位だろ? それがどうして一足飛びで最高責任者まで?」



「そんな長々と説明しなくても・・・まあよい。端的に言うと、最高責任者、及びその補佐が死んだ。ただそれだけだ」



「な!」



 トーレンスは随分唐突に、なおかつ不自然な程あっさりとストレートに問題発言をかました。



「し、死んだ!? 何で!? その人達は世界で一番目と二番目に強いんでしょう!?」



 あまりの急展開に、ついにミナが口をはさむ。


 気持ちは分かる。


 俺も全く意味不明だ。



「ミナの言うとおり、何があったんだ?」



「・・・それは分からない。ただある時、死体となっていた二人が見つかったっていうだけの話だ。別にあなたにとっては全くの赤の他人、それも見たことも会ったこともないような人のことにそんな取り乱すことはないぞ、お嬢さん」



「・・・だって人の死よ? あなた、上司が殺されたかもしれないのよ!? どうしてそんな平然としていられるの!」



「ミナ。別におかしなことじゃない。こんな世界で、いちいち上司の生死に関心をもつような人間なんて稀だ。昨日まで楽しく話していたはずなのに次の日にはもういない、なんて珍しくもなんともないんだから。俺達の常識を当てはめちゃ駄目だ」



 ミナは、人の死を見たことも近くで感じたことも少ないんだと思う。


 おそらく自分が強かったから。


 誰かとあまり長く付き合ったことがなく、そういう機会が少なかったんだろう。


 それがいいことなのかどうなのかは俺にも分からない。


 いざその状況に直面してしまい、それがモンスターなどによるものだった場合、経験があればあるほど迅速に行動にうつることが出来る、とか、人によって捉え方は違うだろう。 


 でもやっぱり俺は良いこととは思いたくはない。


 経験はあったほうがいいけど、それは決して良いことじゃないと思う。 


 特にミナのような女の子には余計難しい。


 まあどちらにせよ、ミナにはこれからもそんなことは絶対に経験させるつもりはないが。


 

「でも・・・!! そんなの、寂しいよ。たとえ悲しんだりしたところでなんの意味もないことくらいわかってる。ただの自己満足なのかもしれないけど・・・」



「そうだな。確かに意味はないし、自己満足かもしれない。でも俺はそれが間違ってるとは絶対に思わない。っていうか身近な人の死になんとも思わないやつなんか、くそだと思う。でもミナ、この人はそういう訳じゃないらしいぞ?」



 トーレンスは随分あっさりしてるように見えるが、本心ではそうじゃない。


 何か、覚悟のようなものがあるように思える。


 ・・・このまま黙っている訳じゃないみたいだ。



「なにか、心あたりでも? そもそも、その二人の死はモンスターや事故によるものじゃないのか?」



「・・・心あたりはまるでない。だがおそらくは、人間による殺人だ。確実ではないが」



「その根拠は」



「二人についていた傷跡。刀、または剣によるものと思われるものが多数。それに魔法の残滓、それも消えかけにも関わらずかなりの密度をもつ程のものが少し感じられた。剣を扱い、魔法も扱う。そんな存在は、わしには人間くらいしか思いつかん」



「まあ確かにそうだな」



 そんなモンスターくらい他にいくらでもいるが、この人が知る由もないほどの高レベル地帯の話だ。


 だが、そういったモンスターの可能性も普通にある。


 なんせ実質世界最強の二人を殺しえたんだから。



「だがおかしいところが二つある。一つ目は、なぜ死体を発見されるようなミスを犯したのか」



「じゃあまずは犯人が人間だと仮定する。俺に思いつくのは、1、実力だけはあったが、頭は悪い集団。2、ばれても問題ないほど実力に自信があるか。3、これが俺は怪しいと思ってるが、・・・挑戦状の一種の可能性だ」



「うむ・・・ならばあえて理由は聞かん。結局はどうせ高レベルの実力者なんだからな。これは別におかしいというだけで特に重要なことではない。もっとも、サクヤの言う、挑戦状の類のものだった場合は別だが。わしもそこまでは考えておらんかったぞ?」



「そりゃどうも。言っとくが、ただの勘だ。・・・で、二つ目は?」



「二つ目は、おかしいことというよりも、単純な疑問だ。それは、誰もがまず最初に思いつくことだと思うが?」



「要するに、『動機』でしょ?」



 やっぱりミナでも分かったみたいだ。


 でもこれは、相当重要で、難しい問題だと思う。


 いや、この場合はある程度簡単かもしれない。



「そうだ。なぜ二人を殺したか。それが全く分からんのだ。通り魔的殺人の線は薄いだろう、そんな者に殺されるなんてあり得ん。だとすると、何か目的があって『天才』最強の二人を狙った、と見るのが普通なんだが、この二人の地位どころか存在さえ知ってる者はこの街にしかおらん。ならばこの街の住人か、というとそうではない。だとすると・・・」



「ちょっと待て。なぜこの街の住人じゃないと言い切れる?」



「む・・・わしは、魔力を五感で感じることが出来る。色、匂い、音、感触、味。他人でも、そのどれかが似てる魔力を持つ者同士はいるが、全てが同じ、どころか、全て似ていたということさえいまだかつて無い。それに、わしは一度調べた魔力は絶対に忘れん。あの二人から感じた魔力、あんなものは見たことも聞いたことも感じたことも聞いたことも味わったこともない。だから、この街の人間ではないのだ」



「へえ。便利な能力だな」



「そうだろう、そうだろう。ならばそろそろ敬語を・・・」



「いきなりどうした。真面目な雰囲気はどこいったんだ?」



「・・・とにかく、なぜあの二人を殺す必要があったのか、それが分からんのだよ」



 まあ、普通なら分からないか。


 だが俺はさっき気になったことがある。


 これも、もしかしたら攻略組が関係しているのかもしれない。


 でももしそうなら、『天才』最強の二人を倒せる程の力が、攻略組にある、ということになる。


 そんなことがあるか?


 いや、おそらくは無いだろう。


 あいつらのことだ、もしそんな力があるのならとっくに『天才』殲滅に動いていてもおかしくはない。


 可能性はあるが、俺自身、勘にも近いがそれは違うと思う。


 そのかわり、なにか嫌な予感がする。


 二人の死が挑戦状・・・。


 何に対して?


 もしそうなら、それは、本当に『天才』に対してのものなのか・・・


 ・・・まあ現状では、攻略組という線が有力か。


 勘にばっかり頼っていられない。


 周りの情報を整理して、最も可能性の高い道を探り出していかないと。



「・・・心あたりが、無いわけでもない。いや、可能性は低いが。」



「な!? そ、それは本当か!?」



「サクヤ、それって・・・」



「そ。俺があんたに会いに来た目的でもある。勝手な憶測だが、聞いてくれ」



 そして今日二度目となるが、トーレンスに俺の考えを全て話した。


 話すってことは、俺は、多分ミナもだと思うが、この人に協力するってことなんだろうな。


 まあいっか。


 どうせ急ぎの旅じゃない。

















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