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ゲームな世界!  作者: サクヤ
12/22

天才の街


前半が特にめちゃくちゃかもしれません。

あと、街の詳しい設定は、次話で書いちゃいます。

この文に入れるの難しすぎました。

根気強く読んで頂けると嬉しいです・・・









 街に着いた。


 なかなか活気に溢れている、と思う。


 世界で公には未確認の素材や、それらから作られた武具がこの街だけに出回っていて、『天才』の他にもこの街の許可を得た極一部の一般人が、攻略組には秘密裏にここでそういったものを購入したりもしている。


 だから、人の出入りは激しい。


 一応9割以上は『天才』だが、実質、表向きこの街は『否定する街』と言われているが、本来は一般人とも友好な関係を保っていた。


 もっとも『天才』達の様々な審査をクリアしなければ一般人がこの街に入ることは出来ないが。


 そして、俺が過去に来たときと比べると、格段に発展している。


 面積もだが、特に人口が。


 ここはまだ入り口なのに、視界には1万人近く人間がいる。


 この街への入り口は10個以上あるはずだし、この入り口にだけ人が集中することはないはず。


 これは、多すぎじゃないか。


 このまま中心部に近づいていけばしだいに人は増えていくし、面積とあわせて計算すると、少なくとも500万人はいることになる、と思う。


 ・・・今までもそうであったように、おそらくこれからも攻略が進み、レベルも上がって、それにともない街もどんどん大きくなっていくはずだが、『天才』が徐々に強くなり、攻略も進み、それで街自体が大きくなるなら分かる。


 というよりそれが普通だろう。


 だが『天才』達を含めた世界全人口の中で『天才』達の人口割合自体が増加するほどに、しかも急激に増えてきているのはどういうことだ?


 強くもなっていくが、それと不釣合いなほど数も増えていく。


 これは、はっきり言っておかしい。


 『天才』か一般人かは、理不尽とは思うが生まれた瞬間に決まる。


 その時どれだけ才能があるか。


 ここで才能がなかったらレベルの伸び方は普通だし、才能があったら、レベル上げの効率が高いため、あっという間に上がっていく。


 そしてその割合は、俺が知る限りほぼ一定だった。


 どうやって割合を出すかというと、天才の街にいる『天才』の数と、攻略組が公表している全世界に存在する全人類の数を比べる。


 1:500


 それがだいたいの割合だ。


 ずっと変わらなかった。


 だが、今は明らかに1:100程になっている。


 そしてこの事はかなり大きな問題とみていい。


 攻略組に所属している者に『天才』はいないはずだから最高レベルは、167。

この1年で多少上がったとしても170レベルいくかどうか。

そして平均は40~50Lv。


 対してこの街にいる『天才』達の最高レベルは400後半…仮に450Lvだとして、俺が何度かここに世話になっていたころの『天才』平均は約320Lv。


 どちらの平均も、今は上がってるか下がってるかは分からない。


 が、どうあれ戦力的には確実に『天才』が圧倒的に(まさ)っている。


 平均して300Lv近い差があり、レベル差と人口差に比例の関係はないためにたとえ人口では何百倍も勝っていようが、レベルが6分の1程しかないならまったく話にならない。


 今までの1:100程でようやく戦いになるくらいだったんだから。


 この状態。


 もし『天才』達が全員でクーデターなどを起こしたら、まず成功する。


 100%だ。断言出来る。


 まぁいくら世界の一部から敵視されてるとは言え、ただそれだけの理由ではどんなに条件が揃おうと『天才』達はそんなことはしないだろう。


 人間、それも攻略組トップだけならまだしも、ただの一般人も巻き込んでの戦いは、ほぼ誰も望んでいない。


 だが、今現在のこの街の状況、要するにここまで縮んでしまったこの人口差。


 それを攻略組が知ったら、どんな行動に出るのか。


 ・・・最も可能性が高いのは、あの『天才』狩り。


 ここ数年、というよりあの一件以降同様のことは起こっていない。


 おそらく攻略組も、これ以上何かあれば『天才』達はもう看過するつもりはないということを雰囲気か何かで察したのだろう。


 とりあえずはあの一回、『天才』の1人を狩れたことに満足していたらしいが、この差は攻略組にとってはかなりの脅威だと思う。


 それこそ、自分達の被害さえかえりみず『天才』を根絶やしにしようとしても全くおかしくない程に。


 そして、差をひっくり返す方法として今回またあの事件が大々的に起こってしまう可能性がある。


 そのとき、『天才』達がそれに気づき、弱い一般人を殺すことを覚悟し、準備を終えて応戦し始める頃にはすでに戦力的に互角に、もしかしたら以下になっているかもしれない。


 あくまで可能性、だが。


 ・・・流石に深読みしすぎたかもしれないな。


 それでも、忠告しておくにこしたことはない。


 というか、たかがぱっと見、街の人口に変化があったからってここまで考えるなんて。


 ただの勘違いかもしれないのに。


 でも今回のことが例え勘違いに終わったとしても、『天才』と『攻略組』の、大きな争いが、いずれある。


 しかもそれは全世界を巻き込んだ大規模なもの、戦争になる。


 そんな予感(予知とも言えるほどの自信がある)がする。


 もしそうなったら、俺はどちらかについて戦うのだろうか。


 分かんないけどまぁそんなことは『その時』が来たら考えるか。



「ふう」



 とりあえずは街に入ろう。


 人口がこんな不自然な程に増えた理由も全く分からないし。


 もともと情報収集のつもりでも来た。


 情報収集といっても、この街でこの街のことを聞いてまわるだけなんだけど。


 そしていざ行こうとして歩きだそうとした瞬間に、ミナ達に気づく。


 ミナもタイミングを見計らって話しかけてきた。



「やっと終わったの? 街に着いた途端に難しい顔でなんか考え始めてさ。何考えてたの? 別に隠すようなことじゃないんでしょ?」

 


「あ、ああごめん。・・・ちょっと。たいしたことないかもしんないんだけど」  



「・・・それは、たいしたことがあるかもしれないってことだよね」



「もしかしたらな。とりあえず、歩きながら話そう」



 そう言って、俺達は歩きだした。


 入り口をくぐり、舗装された道を歩く。


 周りには等間隔に木が植えられている。


 しかも、この街の地面はなぜかすべて芝だ。


 木もあり、いたるところに花まで植えられていて、いい匂いがするうえに空気が美味しく感じる。


 建物は全て木製。


 だが3階建てのものが基本で、4階建てや、たまに5階建てのものまである。


 しかもどんな地震にさえびくともしないほどの耐久力も持ちあわせている。


 そんな景色を見ながら、ミナが先に口を開いた。



「それにしても大きいしなにより人が多いね~! 『天才』ってこんな多かったっけ? 何度か『天才』に会ったことはあるけど、せーぜい100万人程度って聞いたような。見た感じ街は凄く大きそうだし、この入り口だけでこんなにいたら、もっともっといると思わない?」



「俺も今ずっとそれを考えてた」



「え? なんで? なんか問題あるの?」



「んー簡単にいうとクーデター、かな」



「ああ・・・。でもこの街の人なら絶対そんなことしないと思うけど」



 確かに、この街には騒がしい音が溢れている。


 威勢のいい客寄せの声も聞こえるし、


 何よりも笑い声が目立つ。


 すれ違う人たちもみんな笑っていた。



「まぁそうだ。でも、人がさ、多すぎるんだ」



「やっぱり? 私も始めてここにきたけど、いままで聞いてた情報と違いすぎる気はした。けど、それがどんな脅威になるの? 良いことっていう風にはとれないの?」



「いや確かに良いことだと思う。だけどそればっかりじゃないんだよ。俺の単なる予想に過ぎないけど」



「ふぅん。じゃ悪いことってなに?」



 俺は、思っていたことを全部ミナに話した。



「攻略組、か・・・。うん、その可能性はすごいあると思う。というか、私は確実にあると思うな。あんなに大きな組織がずっと気づかないなんてありえる? いくらみんなが隠したってここまで大規模な街の中を隠し切るのは難しいよ」



「だよな。だとすると、どうするか。この街のトップに会いに行くか? 世界最強の人間。名前は忘れたな・・・会いにいけばわかるだろ。ま、レベルはミナの方が圧倒的に高いけどな」



「それを言うならサクヤも、でしょ」



 ミナがちょっと睨んできた。


 全然怖くないし、それでもシラを切る訳だけども。



「いや、同じくらいだから」



「まだ言うんだ、へー」



「・・・と、とりあえず行こう。いろいろ見てまわりたいならその後、どこでも付き合うから!」



「ほんと!? 言っとくけど私お金出さないから! 全部サクヤ持ちね!」



「お前も金ならいくらでもあるだろ・・・」



 俺達はレベルが違うため、この街で買えないものは絶対にない。


 比較的高価な武器でさえ、最上級のものを軽く1000個ほどは買えてしまう、完全にチート。


 なぜか今俺が持ってる武器は無料だったくせに性能は良いし、買うとしたら俺の全財産でも買えない、これもチートな一品。


 ミナは主に魔法しか使わないため、武器はそのときに合わせて魔力で作る。


 なら何を買うんだという話だが、いろいろあるんだろう。


 俺は何も買いたいものはないが、一応回復系のアイテムを見る。


 ぶっちゃけ、この街で情報収集以外にすることはない。


 まぁミナがどこか行きたいっていうなら付き合ってやる。


 だからさっさと行ってさっさと終わらせよう。


 そして中心部へ向かう。


 普通に歩いていったら数日かかってしまいそうだが、この街の中ではある程度高速で走ってもなんらおかしくない。


 途中で道を聞きながら行っても今日中にはつけると思う。



「じゃ走るぞ」



「ちゃっちゃと済ませて買い物行こう! 置いてくよサクヤ!!」



 と言ってすでに走り出したミナを追う。


 無邪気、というのか・・・。


 あまりに可愛らしくて思わず笑ってしまった。


 そしてミナはもう遥か遠く。


 でも、すぐに追いつく。








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