第3話 ケンのいへん7
イヴやミルクとその仲間達が、
オーティスのたんじょう日の準備をしていると
とつぜんのトラブルにみまわれて……
対象:小学校四年生位~
読み聞かせやいやされたい人にもおすすめ☆
「これはもしや、
心の病なのではないかい。
何があったのか、
始めからすっかり、
私達に話しておくれ。
ミルクよ、
リリスが持って
来てくれた薬草で、
お茶を入れてやって
くれないかい。
それでケンの心が、
すっかり落ち着く
だろうから」
オーティスが、
ケンのせなかにまくらを
置いてやりました。
彼は上半身を起こすと、
ミルクの入れたお茶を
そろそろと飲み始めました。
そしてぽつりぽつりと、
事の成り行きを、
全てみんなに話したのです。
話を聞き終わると、
まずミルクが言いました。
「まあ、ケンちゃん!
あなたの話は、
ひょっとすると
全てが真実ではない
かもしれないわよ。
ケンちゃんが
吉右衛門さんを
『天才だ』と感じたり、
『ネズミ大先生が
吉右衛門さんを、
ケンちゃんよりも
才能がある生き物だ
と思った』のではないか
と感じただけで、
実際はそうではなかった
かもしれないわ。
直接本人に聞いて、
確かめたわけでは
ないのでしょう?」
するとケンは、
悲しく首をふりました。
「ぼくのかんちがいで
あるはずはないよ。
ネズミ大先生だけではなく、
あの会場にいた
全ての生き物が、
彼を天才だと感じたのだ。
そのしょうこに、
吉右衛門君は発表会で
一等賞を取ったんだぜ」
「二等や、三等は
だれだったの。
それはケンちゃん?」
オーティスに
たずねられると、
ケンはマグカップに入った
お茶を見つめながら、
深いため息をつきました。
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次回の掲載は2025年11月19日です。
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