第2話 研究発表会14
イヴやミルクとその仲間達が、
オーティスのたんじょう日の準備をしていると
とつぜんのトラブルにみまわれて……
対象:小学校四年生位~
読み聞かせやいやされたい人にもおすすめ☆
ケンが会場の席に
もどるころには、
吉右衛門の発表は
始まっていました。
ケンは席に着く際、
周りの動物達の様子に、
いささかおどろか
されました。
みんな食い入るように
吉右衛門の発表を
聞いているのです。
ケンは急いで、
最前列にすわる
ネズミ大先生に、
目を走らせました。
彼女の小さな
後ろすがたは、
身じろぎ一つせず、
全身を耳のようにして、
吉右衛門の話を
聞いています。
自分の発表の
時とはちがう、
会場のふんいきに
あっとうされて、
ケンはとなりにすわる
シラサギにたずねました。
「いったい、
何が起きているのですか」
すると彼女は、
くちばしに羽を
当てて言いました。
「しっ。今、とても
興味深い研究発表の
最中ですよ!」
そこでケンも、
吉右衛門の声に
耳をかたむけめました。
「占いと聞くと、
みなさんは迷信だと
笑うかもしれません。
科学が発達して、
色々な事がデータや
研究によって明らかに
されている今、
占いは古めかしい
時代おくれの物に、
みなさんには
思えるでしょう。
しかし占いが、
はるか昔から
世界中にあり、
今にいたるまで脈々と
受けつがれていること。
また、今だに一定の
生き物からの支持を
得ていることは、
確かな事実なのであります。
そこでぼくは思ったのです。
占いは神様が造った、
生き物の人生を
読み解く数式の、
一つの形ではないかと」
吉右衛門の言っている事は、
だれもがばかげて
いると笑っても、
おかしくはない内容でした。
しかし話をする吉右衛門は、
生き物を引きつける
張りのある声で、
生き生きと会場中の
生き物に語りかけました。
ケンの目にはそれが、
とても堂々として見えました。
読んでいただき、ありがとうございます。
次回の掲載は2025年10月24日です。
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