第2話 研究発表会13
イヴやミルクとその仲間達が、
オーティスのたんじょう日の準備をしていると
とつぜんのトラブルにみまわれて……
対象:小学校四年生位~
読み聞かせやいやされたい人にもおすすめ☆
いよいよ発表会が始まると、
生き物達が次々に、
だんじょうに上がりました。
そして様々な研究の
発表をしては、
席にもどって行きました。
いまいちの物もありましたし、
うーんとうならせられる
物もありました。
たくさんの発表を聞くことは、
ケンにとって、とても
よいしげきになりました。
となりでにこにこと
聞いていた吉右衛門が、
ケンのもともと下に
たれている耳元に、
ささやきました。
「次は君の番だね。
もう、ぶたいうらに行った
方がいいんじゃないかい」
ケンは話しかけられた方の
耳を、ピクリと動かしました。
「そうだな。
後からすぐ、
君も来るだろう」
すると吉右衛門は、
返事の代わりにうなずきました。
発表はきんちょうしましたが、
ケンには大変手応えの
ある物となりました。
ケンは自分の発表に、
会場の全員が耳をかたむけて
くれているのを感じました。
それに、最前列にすわって
いたネズミ大先生の表情から、
彼女がとても興味を持って
聞いてくれている
ことが分かりました。
ケンは発表していて、
うれしくてたまら
なくなりました。
それはケンがこれまでの
人生で経験した、
初めての気持ちでした。
ケンが発表を終え、
満ち足りた気持ちで
ぶたいのそでに下がると、
次の番の吉右衛門と
すれちがいました。
吉右衛門はただにこやかに、
ケンの成功をたたえてくれました。
ケンも発表をひかえる彼に、
おうえんの言葉を送りました。
しかし心の中では、
大して期待はしていませんでした。
読んでいただき、ありがとうございます。
次回の掲載は2025年10月22日です。
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