第2話 研究発表会11
イヴやミルクとその仲間達が、
オーティスのたんじょう日の準備をしていると
とつぜんのトラブルにみまわれて……
対象:小学校四年生位~
読み聞かせやいやされたい人にもおすすめ☆
「こんにちは、
あなたがケン君じゃね。
会えてうれしいわ。
私ゃ何と言っても、
ふだんはたった一人で
研究にぼっとうして
おるからね。
何日も何日も
自室にこもって、
こどくな時間を
過ごしておるのじゃよ。
じゃから君の手紙が
とどくのが、いつも
ひどく楽しみでの」
はい色で、
ゴルフボールの
ようにまん丸の、
小さなネズミ大先生は、
ケンの足もとで
こう言いました。
「ところで、
私のかわいい友人の、
イヴやミルク、
オーティスは、
その後どうして
いるかしらね」
彼女は小さな
つめを赤くぬった、
人差し指を動かし
ながら言いました。
ケンは急な
ネズミ大先生の登場に、
あわてて立ち
上がりました。
彼は彼女の前で
せすじをのばすと、
話し始めました。
「みんな、相変わらず
楽しくくらしています。
そうだ、これ、三人から
預かって来た物です」
ケンは思い出して、
いそいでカバンから
小さな包みを取り出し、
ネズミ大先生に
わたしました。
包みの中には、
これまた小さな小さな
せっけんが三つ入っていて、
その一つ一つにちがった
葉っぱや花や香りが、
ねりこまれていました。
「ミルクが作っとる
せっけんじゃな。
ありがとう。
いいにおいじゃね。
また私からも、
三人に手紙を
出すことにしましょ。
それじゃあ。
今日はあなたの発表を、
一番楽しみにしておるよ」
ねずみ大先生はそう言うと、
小さな手でケンとかたく
あくしゅを交わしました。
そして真っ赤な
くつをひる返すと、
会場のおくへと
消えて行きました。
全てを見ていた吉右衛門が
おどろいて言いました。
読んでいただき、ありがとうございます。
次回の掲載は2025年10月17日です。
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