表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

♣︎7

楽しんでください!新作の永久不滅のクレセントも是非!!

この世界で死というのは、そうそう珍しいものではない。

ダンジョンでは毎日のように冒険者が死ぬ。

会長というほどの存在なら死ににくいのでは?と

思うかもしれないがそう簡単に人生はうまく進まない。

会長というように、大きな名を持てば持つほど暗殺や狙われる確率が高くなる。

この世界の葬式は、あまり豪華ではない。

昔は今より平和だったと言った通り、少し豪華に墓などが作られていたのだが、

今は魔物やマッドが強くなってきている。豪華に作る余裕なんてないのだ。


だから私はもっと未来を詳しくみていればよかったと悔やんで、過去の私を恨んだ。

私も死にたい。今死ねば、私の葬儀なんて一瞬で終わって、墓も簡易的だろう。


でも私に墓は必要ない。だっておそらく、死ねないんだから。

私に死という概念はない。きっと、生まれた時から。

エクスティア家の基本の容姿は金髪で緑の目。

私には緑の目はない。金髪というのはその通りだが。

青の目が、エクスティア家にとって何を指すのか。

それは、家系図か何かに書いてあった気がする。


青い目に生まれたものは、何かを成し遂げるまで永遠に死ねないと。

それが、何かを探す・見つけるとかならいい。

だけど、祖先には特定に人物を殺す。というのもあったらしい。


家族が綺麗な目だと言って褒めてくれたのは、それを私に隠していたからなのだろうか?



「めんどくさいな…。」

正直、今相手が繰り出そうとしている技を被害ゼロで受け止めるのは

普通の人では不可能だと思う。その前に死ぬだろう。


「全てを焼き尽くせ!ブレイズ・インフェルノ!」

奥義だろうか?相手も私の強さを少し理解しているようだ。

だとしても、あまり意味がない。このくらいの魔法なら詠唱なしで消せる。


カッ!


「能力消去。」

指パッチンって便利だな。するだけでそれっぽさが出る。


「なっ!?」

まぁ早く終わってよかった。

相手の名前も聞けなかった。最初に奥義を出されるのは20年前以来かな。

流石に幼く見える子の首を落とすのは気が引ける。だから魔法で打ってみた。


「……、」

やっぱやめよう。こっちの方がグロい。結局首を狙ってしまう。

人外職業の場合は死体はどうなるのだろうか?


ナヒたちと同じように消えて行く。

やっぱりかと思いながらその場から去った。


結局、今起こっている異常事態の黒幕は誰なんだろうか?

ナヒが死んでからも魔物やマッドは強いまま。

それよりも、強くなり続けている気がする。



この世界にきっと、私の居場所なんてない。

もし私が、すごく弱かったとしたら。ただの戦闘士だったとしたら。

私はもうとっくに死んでいただろう。戦闘士以前に、あの時死んでいたかもしれない。

あの日、私の兄・姉を殺したのはやっぱりナヒな気がする。確証なんてないけれど。

体に感じた違和感、既視感のある会話、既視感のある魔力。可能性は高い。

ナヒに家族を殺されたと仮定すると、私はもう家族のことを考える必要はない。

これからは、自分のことを考えるべき。でも、もしナヒが命令された身だったら?

いや、いつかきっとわかることだ。なぜ私が殺されなかったかも。全て…。


都市には今、外出注意が発表されたそうだ。

人類を狙う者が、外にも出るかもしれないから。

誰が決めたのか?それはきっと、新会長だろう。


悪魔と呼んでいた魔物のような者ももしかすると本当に人外職業の悪魔なのかもしれない。

ただそんな存在に生まれてきただけなのに、悪いと決めつけられて。

敵にも正義はあるはずなのに、私たちの正義を押し付けて。

少し、可哀想だと思ってしまう私がいた。


なぜ、人類以外の存在が生まれてしまうのか。

生まれてしまうのはいいとして、なぜ対立してしまうのか。

生まれながらに決まった運命に、私たちは操られている。

人類なら人類らしく。エルフならエルフらしく。人外なら人外らしく。


だからこそ聞きたい。人外の目的は、人外らしいというのは、私を殺すことなのか?


なんでこんな大人数に追跡されて、攻撃され続けなければいけない?


「死ね…!」

嫌だ死にたくない。

そう思いながら相手を魔法で撃ち続ける。


なんかもう、名前を聞くとかそういう次元じゃない。

敵全員を視界内に入れることができない。そのくらいの人数が攻撃してくる。

意味がわからない。全方向に敵がいる。あ、上に飛べばいいんだ?

なんか当たり前のことに今更気がついたような気がする。

上に飛んだ後は多分飛び道具で攻撃される。このままでいい…ような気がする。


「帰るぞ!」

倒せない。そう判断したんだろうか?相手は一瞬で消えていった。

しっかり攻撃して、次の攻撃を無くせばよかったのかもしれない。


「……。」

後ろに気配を感じて、振り返ってみる。

あれ、誰だろう?なんだが、知っている気がする。

あの人は、茶髪で吸い込まれるような黒い瞳だった。

彼?はこちらを見つめて黙ったまま。何もしてこない。


あの日の光景と似ている。お互い黙ったままで、急に攻撃をしてきたあの日と。

あの日は確か、兄と姉が殺された日から半年ほど経った頃だったと思う。


その時も、玄関先に誰か立っていた。私はバレないように近づいていった気がする。

ただ、その時もエルフで言う子供。あまりうまくは隠せていなかった。


玄関先の人?は、私を無言で見つめ続けている。

何分だろう?3分くらいだろうか?経った頃、相手がいきなり魔法を撃ってきた。

まだ子供だった私は、それから何をしていたかよく覚えていない。

でも、反射的に防御魔法を展開したことは覚えている。

そして、相手は去っていった。誰も死なずに済んだのは、すごく幸運だったと思う。


そう。その人が、その人だと思われるような人が、今私の目の前に立っている。


「久しぶりだな。エクスティア!」

1700年ぶりだ。その日初めて会って、その日から今日まで会っていない。


「そうですね。」

名前教えたっけ、。そんなこと考えながら相手を見つめる。

研究結果は、「男・3259歳・魔導士、召喚士、暗殺者」。

身長は179cmほど。すらっとした体型ですごくイケメン。


「俺はクレア。クレア・デーヴィス」


「そう。知っているとは思うけれどリア・レイン・エクスティア。」


「何しにきたか気になってるみたいだな。そんな虚な目してさ。」


「気になってる。何しにきたの。」


「殺しに来た。」

そう言って、あの日と同じようにいきなり魔法をぶっ放してきた。

正直やめてほしい。彼は魔法の発動が通常より速いから、対応を誤ると死ぬ!


「くっ…、」

痛い…肩に当たった。私の利き手は右。怪我したのが左で助かった…、


「はっ…!、」

魔法を一度に大量に使用してクレアにぶつけてみる。

これで終わってくれたら嬉しい。


でも、おそらく終わらない。

だから、遠距離の真紅の徒花の揺らぎを使ってみた。


今度こそ!と祈った私を絶望させるように、煙の奥の彼が笑った。


「そっちも本気になってきたかな?」

クレアはそう言って私に近づいて来る。


本気?ありえない。本気を出しても勝てない気がするのに。

変わらない運命に、わざわざ抗う必要はない。

無駄な労力を使うのは、意味がない。

死ぬのなら、死ぬ。いや、死ねないんだっけ?


「そうかもね。」

死ねないのなら、その運命を歩もう。

本気を出すも出さないも、私の自由。絶対に勝つ。


「はは…。」

クレアは技に何一つ名前をつけていないようだ。

私の周りには、初級魔法の魔法陣が浮かんでいる。逃げ場はない。

それに、初級魔法の魔法陣の間に上級魔法が埋め込まれている。

いきなり飛ばして来るのは少し私とは違う。


「能力消去。」

指パッチン。あまりいい音はならない。それっぽくなくてもいいかもしれない。


「ほう…。」

クレアもまだまだ序盤だと感じているだろう。

私からすれば、多く展開するのは戦闘方法として当たり前。

だけれどおそらくクレアはその扱いが上手い。私と相性が悪い。


「……、淋琳の淡さ」

精神がおかしくなる?と言う表現であっているかはわからないが、そんな感じのはず。


「あぁ…、」

クレアの目からハイライトが消えた。

その目で見つめられる感覚は、まるで全てを見透かされているようで。

未来予知で見えたのは、彼が私の突っ込んだところだった。


「い"っっ…、!?」

防御が遅い…、彼の攻撃が私の首に掠った。

もう少しで死ぬと言うところで避けた私は、その反動で地面に転げ落ちた。


「おしまいかな?」

彼は私に銃を向けてきた。さっきの攻撃はおそらく刀。多才すぎる。


「…、動くな。」

目。まさか少しの間にまた使うとは思っていなかった。



「あ…、」

動けない。それは生命活動は含まない。

ただ歩いているとか走っているとか、そう言うのを止める。

だから、強制的に地面に座るような体制になる。


「逆転?かな。どうせ色んな人殺してきてるんでしょう?」


「そうだよ。でもここまで早く追い詰められたのは初めてなぜ最初から使わない?」


「私は、人を守りながら戦うことができないからね。」


「そうか。」

彼がそう言った瞬間、私は彼を撃った。

撃ったと言っても、ただの魔法だ。


ドクンッ


「あ"っ、?」

ドクンドクンッと鼓動が鳴り響く。私は地面に倒れ込んだ。

ヒュッ~という呼吸音と共に、私の呼吸は荒くなる。


無理だ。しんどい。死にそう…、

なんで、?これがまさか死ぬ原因だった?

ある特定の人物を殺すというのが、私の死に直結する原因だった?


まだ…、黒幕を捕まえられてない。まだ死ねない。

けど、今死ねなければ今後チャンスはないかもしれない。


祖先も書には、すぐに死ぬケースもあればそうではない場合もあると書かれていた。


もう、全てがどうでも良くなって来る。考えることができない…、


唐突に私は心にぽっかり穴が空いたような感覚になった。


あぁ…もうどうなってもいいや。

ありがとうございました!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ