♣︎5
お楽しみください!
技集読みながらの方がいいと思います!
※技集を見ながら読んで欲しいです。
ネタバレの可能性は禁忌を見なければありません。
「………。」
今のパーティーはアーヴィン、乙羽、私、そして会長。
私の結界で毒等のデバフは消えているし、怪我も治っているはず。
まだ私たちは怪我をしていない。だとしても、死ぬ覚悟で行ったほうがいい。
「来ないのか?」
ナヒがそう言う。ナヒの目線は私に向いている…?ような気がする。
「リア…、お前が狙われている。」
乙羽が私に小声でそう伝えた。
「わかった。」と小声で返して彼を見つめる。
私の研究でわかるのは彼が今何をしているかくらい。
魔力の動きを詳しく見て、何に働いているかをみる。
「会長、少し動かないでくださいね。」
研究の結果、彼は会長に呪いをかけていることがわかった。
「……。わかったわ。」
私は理解者の能力を使って、アーヴィンの呪いを解いた時のように会長の呪いを解く。
かけられている呪いは、一定時間経つとその人を強制的に殺すと言うもの。
今回はおそらく5分後。私は同時に、パーティー全員に呪い防御結界を張った。
「…!やっぱりな。お前が一番強いだろ。そこの、金髪で青い目のお前。名前は?」
私はあまり、自分のこの容姿が好きではない。兄や姉、母や父とも似ていない。
兄は緑の目をしていた。姉も。母も父も緑だった。家族と違うのが嫌だった。
でも、みんなはすごく綺麗だと褒めてくれた。
「リアだけど。」
呪いを解かれたことを驚いているのだろうか?彼の顔は少し焦っているように見えた。
「リアか…」
そう言って彼は私に武器を向ける。
彼はもう直ぐ魔法を発動させる。なんの魔法か。そんなの私にもわからない。
ただ魔力が練られているから、そう思っただけ。
「何する気なの?」
私は思い切ってそう聞いてみる。
「俺らだけで殺り合おうぜ?」
「…。」
なるほど。彼も空間能力は使えるみたいだ。でも、私よりすごく高度。
私には3人を一瞬で特定の場所に飛ばすなんてことはできない。一人なら可能だけど。
「さぁほら。おいで。」
腕を広げる彼は、随分と余裕そうだった。
「そっちから来なよ。」
武器をしまい、私は彼にそう言う。
今、会長たちがいるのはダンジョンの外の待機上。
一応と言う理由で、お互いの場所がわかる魔法をかけていたのだ。
私はそう言う生活魔法を全て解き、戦闘耐性に入る。
「へぇ…、随分と余裕そうだね〜。武器くらい構えたら?」
「余裕そうなのはそっち。」
私は髪を束ねる。下ろしていた髪は、彼と戦うにあたって邪魔すぎる。
「髪結んでるのも可愛いねぇ、おいでよ〜」
世間話の時もそうだったけど、私のことだけすごい褒めてくる。
相変わらず腕を広げている彼は、相当私のことが好きなんだろう。
「行って何になるの…。イケメンのくせに。」
正直に思ったこと言う。
イケメンすぎる彼に、可愛くもない私が近寄ることなんてできない。
「お〜。褒めてくれてるのか?嬉しいなぁ好きだなぁ〜、」
「そう?いくらでも言ってあげるわ。」
「あは…、リアはさ、好きな人をどうしたい?」
彼の目にハートが浮かんでいる…ような気がする。
「どうしたい?」どう言う意味で言っているのかな。
「どう…?見ていたい。それだけだけど。」
ボスと二人きりでなんの話をしているんだろう。
いわゆる恋バナというやつなのかな。
「そっかぁ、俺はねぇ殺したいんだぁ〜、」
何このボス。めちゃくちゃなんだけど。
どういうこと?私のことが好きってこと?
じゃなけりゃこんなに攻撃してこないよね?
カンッキンッ
彼の攻撃が私の防御魔法に当たる音が響く。
「……、」
これじゃいつまで経っても終わらない。
終わるのは私の魔力か彼の体力が尽きる時。
でも今で何分経ってる?私の体力も彼の体力もまだ半分も減ってない。
「ねぇねぇねぇねぇ!」
怖い。正直に言ってめっちゃ怖い。
「なに…。私のこと好きすぎじゃない?」
また思い切って聞いてみる。聞いたほうがいいでしょう。
「好きじゃなかったら攻撃なんてしないよぉ?」
語尾にハートがつきそうな勢い…。
いや、もうついてる気がする。目にはハートも浮かんでるんだし。
「要するに私のことが好きと、?」
「愛してるってばぁ」
いやほんとに怖い。何これなにこれ。変な怪奇現象より怖い。
そろそろ攻撃に移れそう。やっと慣れてきたよ戦闘に。
愛してるなんて何年ぶりよ。なんなのキャラ崩壊なんだけど。
あんなにクールキャラだったのに。
「フラッシュ。フルハウス。」
強化と結界。さっきは壊されていたけど、今回はちゃんと結界を張った。
できる限り結界を自分の周りだけに抑える。魔力節約。
「強化かぁ、早く死んで欲しいのに、」
こっちのセリフなんだけど。
「……。」
技名なんて声に出さないでいいや。バレたら終わりなんだし。
「ねぇねぇ〜、」
「…、?(混沌の風華の舞)」
「あれ…、?」
彼が少し戸惑っている。効いてる?
「…、龍の嘶き。」
この技は声に出して龍を呼び出さなければならない。
大体は声を出したほうが効果は大きい。
もういいや。声に出そう。
「ぐぉぉぉぉ〜〜!」
二匹の龍が私の前と飛んで雲を出現させる。
ザァァァァ~
「今世の龍剣!」
「あぁ〜♡いったいなぁ、」
なんなのそのハート。
一応は当たった。すごく浅い傷だけど。
回復をしない…。魔力温存か使えないか…。
「嬉しそうだね。」
「うん…うれしいよぉ〜、?」
なんなんだろう。包容力が高いなぁ…。
「そう。閑麗の蝶の舞。」
溺れダメージ。
感覚的に溺れてているようになる。息ができなくなる…はず。
「うっ…、かひゅっ…、」
ナヒもそんな声出すんだ…。息できなかったら誰でも出すかな。
「月夜の逍遥!」
範囲攻撃…。意味がない可能性が高いけど…。
ザシュッ…、
「うっ…、くっ…、」
浅い傷しかつかない…。私の負けかな。
「……、あっ…っ!!?」
ほらね…。結局こうなる運命なんだ…、
「やっと捕まえたぁ…、」
首。首を掴まれている。というより魔法で浮かされている?
彼の手は私の首には触れていない。
プツッという音がして私の結んでいた髪が解けた。
苦しい…。だけどこれならいける…?気がする、
「はぁっ…、うぐっ…、」
ツーペアをかけておいて良かった…。
これで攻撃なんていくらでもできる。
「諦めてよぉ〜もう僕のものだよ?」
「……、」
ヒュュンッ!
首を絞められた時、無意識にしまっていた武器をもう一度だす。
「はぁ…、少し眠ってて?」
「遠慮するよ。」
彼の手を純粋な魔法攻撃で飛ばす。
そうすることで攻撃から逃れられた私は地面に着地する。
「へぇ…、意外とやるんだねぇ、」
痛がっていたのは演技だったようだ。
「私、」
意外と。そんなこと言えないくらいに叩き潰してやろうと思う。
めちゃくちゃ怖かったから…、仕返しくらいいいでしょう。
「強いって言いたいの?俺よりも?」
「えぇ。あなたよりも…、」
私の目。それはまだ誰も知らない。
おそらく彼が一番最初に知るだろう。
その目に変える。見た目としては赤になるだけなのだけれど。
「…っ、!?」
動くな。と念じて彼を見る。
この目は、大体なんでも見ることができる。
そして、見たものに対して命令をすることができる。
呪いのようなもので、魔力を多く失う。
「使っても意味はなさそうかな。ナヒ、あなたは弱いよ。」
「くっそっ…、」
ナヒは悔しそうに足掻こうとする。
でも無駄だ。私にはもう攻撃は当たらない。
「さようなら。」
彼に近づいて彼の首を切る。
因果応報?というやつだろうか。
彼はきっと、前世で何かやらかしたんだろう。
私は前世という概念をあまりわかってないけれど。
「あ…、」
目を元に戻して最奥部の扉を開けようとする。
ナヒの死体はキラキラとした、光のようなものとなって消えた。
人型の魔物、それは呪力の粒でできているんだろう。
死んだらバラバラになって消える。
「(テレポート)」
魔法は大体使える。
理解者なら全ての術が使えるらしい。
「リアっ!?リアぁ〜!、」
会長が駆け寄ってくる。
「どうかしましたか…?」
「その怪我っ…、どうしたんだよ。」
私のパーティー全員が私のもとにやってくる。
「怪我…、?あぁこれね?」
私は体についた血を拭う。
「返り血…、勝ったのね。」
「えぇ。ありがとう。」
私は生活魔法を発動させ、服についた血や体を綺麗にする。
そして私たちはダンジョンを後にした。
「✉️Name:ソレア
リア。少し用があるわ。」
テラーダンジョンの任務から数日後。
会長からメールが届いた。
「✉️わかりました。どちらですか?」
場所はどこかと聞いてみる。
ナヒと戦った日、私は体に何か違和感覚えていた。
「✉️そうね、明後日の昼に協会で。」
「✉️わかりました。」
メールを返して少し考えてみる。
体の違和感は今はもうない。
侵食されているような。中から喰われていくような。
そんな感覚だった気がする。あれはなんだったのか。
そう言えば、兄や姉が殺されたあの時もこんな感じだった気がする。
今回も、黒幕は奴なのか?なら、絶対に今回で終わらせないといけない。
「……。」
ふと未来予知をしてみる。
いつもと変わらない都市が映し出されている。
でもなんだろう。やっぱり違和感を覚える。
何か映像を貼り付けているような。
だとして、どうやって干渉されている?
呪いはかからないようにしている。洗脳?
よくわからない。
「………、」
少しだけ研究してみよう。
この後、あの時もっとしていればと後悔することを私はまだ知らない。」
ありがとうございました!
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