♣︎1
職業集・技集はまた投稿いたします。
楽しんでください!
「怪雨、夢じゃないようで。」
???メインストーリー
From…???
技・職業集読みながらどうぞ。
キャッチコピー
Prologueはあとで。
♣︎第一章
私の朝は、いつも不安から始まる。
なぜ不安なのか。それは誰にでも経験のあるだろう夢のせいだ。
「はっ…、!」
今日もまたいつもと同じように目を覚ます。
なぜこんな夢を見てしまうのか、なぜいつも全て正確に覚えていられるのか。
よくわからないが、それは私のある能力のせいだろう。
その能力というのは、まあ俗にいう正夢というもの。
それも、不幸なこと。それがすぐ起きることも、少し先に起きることもある。
そんなに不幸なことなのかと聞かれたら、そこまでではないのかもしれない。
「今日〇〇で△△さんが殺害されました。」
そう聞くと、「え〜、」とはなるかもしれないが、すぐに忘れてしまう。
そうなる夢を、毎日見るのだ。極たまに、本当に不幸なこともあるが。
最近になってようやく、この能力の活躍が見れそうな出来事が起きた。
その出来事もまた、能力で見た夢のことなのだが。
「はぁ…。」
今日の夢は昨日の夢と同じような感じがした。
少し集中して鮮明に思い出すと、昨日の夢の続きだということがわかる。
この能力に関しては、集中さえしてしまえばいつだって使える。
その精度によって、1秒先、10秒先などという風に見る瞬間を決めることができる。
5秒後。と意識して未来を見る。
「………。」
結局のところ観れるのは伸びをしている私。
現在進行形でしている。ならば1分後。
「え、」
お茶をこぼして濡れている私が見えた。
今のうちに片付けておく。
もう一度確認としてみると、お茶はこぼれていない。
代わりに私はスマホを見ていた。
「あ、…。」
いま私はスマホを触っている。
意外と精度はいいようで。
今日の用事は特にない。
ぽこんっ
「ん…、?」
「✉️Name:羅宇
あとは任せた。」
「✉️任せられました。」既読5:20
メッセージの相手は表示されている通り、羅宇。
この「任せた」と言うのは彼の任務に対する指示のこと。
彼は私が指示したほうが早く終わると言う理由で私に頼んでくる。
そこまではいいのだが、彼が頼んでくる任務は彼に割り振られている
任務の中でも難しいものばかり。少しくらい信頼はあるんだろう。
指示するのも任務を遂行するのもある程度の優秀さが必要。
彼が優秀だからこその任務なんだろうと思いながら、彼にインカムをつなげる。
「"Hi.Can you hear me?"」
繋げた後に彼にそう話しかける。
「"Yes.I can hear you."」
「"羅宇。"」
「"久しぶりだな。相変わらずでよかった。
お前はみんなに無口だって言われてるんだろ?"」
「"そうだね。それがどうかした?"」
「"いや。俺の前では結構喋るなって。"」
「"自分ではみんなの前でもしゃべっていると思うんだけど。"」
「"そうか。"」
「"それで。今どこなの。」
「"もう部屋についてんだよ。"」
「"へぇ。2回に1回の回が来たね。"」
「"おうよ。"」
「"3時の方向。銃弾に注意。"」
「"把握済み。"」
「"6時。電撃に注意。"」
「"把握済み。"」
「"2、4、6 時。〈呪い〉に注意。"」
呪いは一定数使い手がいる魔法の中でも理論が不明なもの。
少しづつ解明されてきているが、解除できるのはその呪いの使い手か理解者のみ。
理解者とは職業の一つでなれる可能性は低い。
対策ができるのは理解者と聖騎士のみ。
聖騎士も職業の一つで、理解者よりもなりやすい。
聖騎士でも回避できる呪いの差はある。
「"了解。"」
「"4秒後。銃撃に注意。"」
「"了解。"」
未来を見るのは意外と慣れている。
少しの集中でできるようになった。
一度集中して仕舞えばその集中が切れるまで続けて見ることができる。
彼にこの能力については全く話していない。
カメラをずっと確認していると嘘をついている。
「"敵側一時戦闘不能を確認。"」
「"把握済み。さすがだな。"」
「"このくらい誰にでもできる。カメラを確認しているだけ。"」
「"最近それ疑わしいわ。お前そんなことしないくせにさ。"」
「"…。そう?よく見てるのね。"」
この能力のいいところは、未来を続けてみられると言うことだ。
そのおかげで何も見なくてもインカムをつなげるだけで指示ができる。
「"あ〜。あとは?"」
「"今回最優先なんだっけ。"」
「"ここの犯罪者全員殺すことだが。"」
「"そう。"」
彼はそう言いながら殺している。
ちなみに今は瞬間的な未来、まぁ0.0001秒先とかを使ってほとんど現実を見ている。
結構チート的な能力だけど、意外と力は使わない。
生まれつきの能力なんてそんなもんだろうきっと。
「"あとは。"」
「"ん。3秒後。呪い発動に注意。"」
「"は、?"」
「"…。仕方ないなぁ。"」
私は家を出て彼がいると言った場所へ"空間を変えて"移動する。
インカムは一応つなげたままで。音声は切るけれど。
「ここかな。」
彼がいるであろう部屋に入りながらそう呟く。
空間を変えた時は私の意思によって人々を動かすことができる。
この能力に関しては教えてもらったもの。生まれつきではない。
「(解除。)」
空間を解除しながら彼の呪いを判別する。
「くっそ…、。」
彼は呪いの影響で少し動けなくなっている。
「後ろは任せたよ。羅宇。」
彼の呪いを完全に解除してそう言う。
「約束はできないな。リア。」
「ツーペア。」
「なんだポーカーか?」
残っている敵がそう言った。
「そうだね。」
せっかくツーペアを使ったのに、なんの技も使わずに倒せる。
弱い方に当たるかな。これだけで済む気はしないけれど。
「スリーオブ・ア・カインド。」
「っ、!」
羅宇が少し驚いている。ただのパーティー強化なのに。
私はそんなことを思いながら周りにフルハウスで結界を張りながら敵を殺す。
「くっそ!一旦引くぞ!」
「ひかせるわけな…、」
「引かせるわけねぇよなぁ。」
私が言おうとして感じたのは羅宇の殺気だった。
ニィッと悪い笑みを浮かべた羅宇は、私にも止められる気はしなかった。
物理的に止めることは可能。だが、それは彼を殺しかねなかった。
彼や私は国の作った組織に所属している。犯罪者を探し出して殺す組織だ。
魔物やマッド等の人外狩りをすることもある。
「ひっ…、」
敵側も怯えている。私は意外と慣れていると言うか。もうどうでもいい。
私たちが殺しているのは犯罪者だとはいえ普通の人ならば少しは躊躇するだろう。
ただ彼は、連続殺人犯に愛する家族を殺されている。そんな躊躇なんてない。
「羅宇…。」
小声でそう呼びかける。
「ふは。」
だめだ聞こえていない。
羅宇は技を使わなくとも遠距離タイプ。職業は確か暗殺者と聖騎士のハーフ。
聖騎士は呪い対策。暗殺者は素早い。俗に言う速戦即決タイプだ。
私は理解者と巫女。呪いや呪術に徹底できるタイプだ。
世界的にはハーフの方が数は多い。
基本的には近距離なら守り系とのハーフというようにいいとこ取りができるのだが、
たまに全く関係ないと思われるようなハーフになることもある。
「くそ…。」
敵側は魔法で防いでいる。
耐久戦になる。敵側だって策はあるんだろうけど。
「いまだっ。」
敵側のリーダーなのだろうか?がメンバーにそう言った。
「はっ…!!」
敵は一斉に魔法を打ち出す。
「(目を瞑ってでも避けられる。)」
敵側は完全に焦っている。
フルハウスの結界は攻撃を防ぐものではない。
回復と属性効果(毒等)が付与のための結界だから、防ぐ用の結界はまた別の魔法になる。
まぁ、名前はつけていないし、つけたとしても覚えられないのだけれど。
「可哀想だなぁ。」
彼はそう言いながら技、おそらく"スキル"を使って敵全員を殺した。
スキルというのは職業によって系統が違う。
職業が同じなら系統は同じだが、意外と内容は違ってくる、職業の加護のようなものだ。
攻撃スキルと、ステータススキルがそれぞれ存在し、どんな職業でもこれは変わらない。
「羅宇。」
「どうした?リア。」
「殺し方。」
「何か悪かったか?」
「片付けめんどくさ…。え?」
片付けなんて概念が私から消えた。
死体は跡形もなく消えている。
「あいつらはどうやら人間じゃないみたいだな。
お前も聞いたことくらいあるんじゃないか?」
「最近人間ではない何かが人間を殺している。それらは死ぬと呪力が分解されて消える。
その噂のこと?だとしてもなんでこんなところに?」
「魔物でもマッドでも死体は残るんだ。
新種の魔物なのかもしくはマッドか。それとも全く別の種族なのか。」
彼は腕を組んでそう言った。
「研究なんて出来なさそうだね。」
「お前職業研究者だったか?」
「素質があると言われただけ。兄が研究者だったから。」
そんなことを言いながらも私は研究者の能力をスキルを含めて使うことができる。
3つ職業を持っているのだ。少数派に当たるだろう。
「そうか。報告は済ました。」
「ん…、。帰ろうか。」
そのくらい知っている。常に未来を見れるように意識をしている。
「あぁ。ありがとうな。リア。」
「何が?」
「助けに来てくれただろ?」
「まさかあんな簡単な呪いに弱いとは思っていなかったよ。」
前の任務の指示にも呪い発動はあった。
だがその時の呪いはまったく効いていなかった。対象者を殺すという呪いだったのに。
「あれな。なんだったんだ?」
「対象者を殺す。」
「今回のは?」
彼は少し驚いたように聞く。
「対象者を思い通りに動かす。」
「だから動けなかったのか。さすがだな理解者。」
「そう?聖騎士は呪い対策できるじゃない。」
「お前らは解けるだろ。何があったとしても。」
「そうだね。」
「何か強くなれる方法があればな。」
「あるよ。やる?」
「やる。明日からな。」
「うん。」
会話に関しては未来予測をしたところで意味がない。
音声は遮断することも可能。映像だけが流れている。
「じゃあな。俺はここで。」
「またね。羅宇。」
私がそう言った時、彼はもういなかった。わかっていることだけれど、少し淋しい。
彼の暗殺者のステータススキルが瞬間移動だったから。
私の空間能力は巫女のステータススキル。理解者のスキルはまだわからない。
おそらく理解者のステータススキルが未来予測なんだろう。」
ありがとうございました!