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10-36 兄の肖像

side アルブレヒト

 ザクセオン大公国第二公子アルブレヒト・フォン・ザクセオンにとって、兄マクシミリアンとは“憐れな人”だった。

 そうと言ったら兄はきっとパチパチと目を瞬かせて、『え? そんなことないけど?』なんて言うだろうが、少なくとも()いと()いのつまった城育ちの自分から見ても、これほどに孤独な人を見たことがない。

 兄は自分のことを“憐れだ”と言って自らを慰める事すらできない、そこから目を背け、見ないふりをしているだけの人なのだ。


 アルブレヒトが最初にその人とまともに顔を合わせたのは、三歳か、四歳か。物心がついたころの事だった。母から『絶対に近づいては駄目だ』と言われていた異質な存在感を放つ城の一角に、その人はいた。

 幼い子供への“絶対にダメ”は“絶対にやろう”への誘導であって、例にもれず、父にも母にも可愛がられ甘やかされていたアルブレヒトは何の愁えも迷いもなく、ちょっとした冒険のつもりで、その箱庭へと足を踏み入れた。

 といっても警備は手厚かったから、真正面からは入れなかった。何日もうろうろと周囲を散策して、ようやく見つけた裏庭から侵入してみたその日は運悪く、彼らの母の命日だったらしい。白い寒々とした墓石を前にした怖い顔の女性が、自分より少し年上の少年の手を白くなるほどきつく握りながら、『お前はこの恨みを忘れてはなりませんよ』と恨みの言葉を刻んでいた。

 覗き見たアルブレヒトはそれにぞっとしたものだけれど、少年はこの場にそぐわぬニコニコと穏やかな笑顔で、『ええ、大丈夫だから安心してください、姉上』と、そうずっと年上なはずの女性を慰めていた。

 それはとても、おかしな光景だった。


 ただ子供の身には恐怖の方が先んじたものだから、早く逃げてしまおうと思ったことを覚えている。

 それが騎士に見つかって、逃げるに逃げられなくて木の(うろ)に逃げ込んで震えていたら、先程の少年がやって来て、手を差し伸べてくれたのだ。


『あれ、どんな悪党が逃げているのかと思いきや、可愛い子リスじゃないか。君は誰?』

『ぶ、ぶれいものっ! 僕は、あるぶれひとこうしだぞっ!』


 あの時の、パチパチと目を瞬かせた兄の顔は忘れられない。

 兄をそうとも知らずに大公家の公子様ぶったあの時の自分が恥ずかしくて仕方がないし、本当ならそれに眉をしかめ放り捨ててもいいはずなのに、あの人はちっとも嫌な顔なんてせず、むしろ満面の笑みで洞から弟を引きずり出して、その小さな手で抱き上げ、『まさかこんなところで弟を拾うだなんて!』と喜んでくれたのだ。

 あの日のあの瞬間が無ければ、きっと自分は一生、この離れに住む人達は母の言うような恐ろしい人達なのだと思い違いしていただろう。


 当時まだ“あに”というものが何なのかを知らなかった自分は、彼がただ気のいい遊んでくれる年上の友人であるかのように勘違いし、それからこそこそと離宮に通い詰め続けた。

 それがどういう立場の、どういう相手であるのかを知ったのは、父に双子の異母の弟妹を紹介された時であった。自分が異母の弟妹に抱いたあの時の感情を思えば、マクシミリアンがどれほどに懐の広い、そして諦めきった兄であったのか、分かるというものだ。

 アルブレヒトが異母兄の元へ通い詰めていることがバレたのは、彼が学院というものに入る直前の事だった。突然離宮から姿を消した兄は、まるで自分のせいでいなくなってしまったかのようで、そして周囲の警戒が厳しさを増し、母がまったく隠すことも無く兄達を罵るのを聞くにつけて、ただひたすらに虚しさと痛みを感じた。


 兄が変わったのは随分と経ってからのことで、それはいつものようにカレッジから帰って来て、いつものようにこっそりと離宮の庭で、あれやこれやと策をこらし人目を忍んでやってくる弟を待ってくれていたはずの日のことだった。

 その前の年には同母の妹も生まれていて、母の勢いは益々強まっていた。逆にこの離宮では、あの怖い長姉はとっくに嫁ぎ、兄との密談をこっそりと見逃してくれていた優しい次姉も嫁に行って、この兄がたった一人孤独に暮らす城になっていた。

 おかげで警備は穴だらけであったし、いっそう兄に簡単に会えるようになったことを思えば憂慮することでもなく、兄が学校に行かない間は毎日のように訪ねたものである。

 でもそんな兄があの日、あの時から、随分と変わった。


『レヒト。どうやら私は、恋に落ちたらしい』

『……兄上、(はる)()けにはまだ少し早くないですか?』

『弟の(しん)(らつ)な突っ込みにまで愛おしさが止まらない』

『……』


 ついに孤独過ぎておかしくなってしまったのだ。

 そんな心配をして父のもとに駆け込んだアルブレヒトに、しかし父は何を聞いてもおかしな顔をしながら『あれがそんな(たわ)(ごと)を言うわけないだろう』と一蹴された。


 不思議だった。

 不思議で、不思議で、たまらなかった。


 確かに今回の春惚けは酷いけれど、そんなことを言わないと思われるほどに兄は生真面目な人間ではない。むしろ享楽的で奔放で、他人の前ではニコニコと当たり障りのない顔をして折衝を避けてばかりいるけれど、礼儀を冒して度々やってくる弟には隠すことも無く適当で、だらりとぞんざいな扱いをしてみせることもあった。

 だから兄のその“戯言”は本気なのではとアルブレヒトを焦らせたし、兄がいなくなってしまうのではないかと恐怖すらした。

 なのに誰一人……彼を溺愛するその実の姉でさえも、それを笑い飛ばして真に受けないのだ。


 おかしい。何かがおかしい。

 この人はなぜこんなにも“独りぼっち”なのだろうかと、不思議でたまらなかった。

 兄はどんなに一人ぼっちでも、母が我が子にと切望してやまないこの家の“跡取り”という最も幸せな称号を持っていたはずなのに。だが誰一人としてニコニコと笑う公子の微笑みを、疑いさえしなかった。


 彼が自分だけではなく、異母の姉であり妾妃としてさえ認識されていないメイドの子であるレーベッカとも密かにあっていることを知ったのも、その年の事だった。

 レーベッカは兄の三つ年下、自分の二つ年上で、言ってみれば、兄の生母が病の淵で苦しんでいた頃に出来た異母妹だ。けれど離宮どころか使用人の棟で細々と暮らしていたようなレーベッカにさえ兄は何ら分け隔てなく接し、同じテーブルで菓子を振舞い、城にあった姉のおさがりを好きなだけ持って行かせ、“可愛い妹”だと言って面倒を見ていた。

 聞けば彼女の母は、かつて兄の母に仕えるメイドだったというではないか。それはどれほどの裏切りであろうか。なのに兄はちっとも気にした様子もなく、『レナータには私も面倒を見てもらった覚えがある』だなんて言って、レーベッカの母の昔話をしたりするのだ。


 アルブレヒトは自分の立場も忘れて、そんなレーベッカを『なんて恥知らずな』と罵った。

 そんな狭量な弟に困った顔をした兄は、ちっとも怖くない怒り顔でコツリと弟の頭を叩き、レーベッカへの謝罪を要求した。

 そうされると益々腹が立ったのだけれど、しかし兄はその理由を、『親に期待なんてしないけど、君達兄弟とは仲良くあれるはずだから』と説いた。

 私達は兄弟だ。たったそれだけで、自分達は仲良くできる理由があるのだと。


 そうだ。そうやって自分は分け隔てのない兄に(ほだ)されて、通い詰めるようになった。彼が恨まないでいてくれたから、自分は長男ではなく次男として、兄に甘えることができた。

 だがそう納得する傍らで、どんどんと実の姉の前で仮面を濃く、深くして行く兄の姿を見るたびに、胸が締め付けられるようだった。

 みな、仲良くできると言ったのに……なのに何故、一番近しいはずの姉を前に、兄は取り繕ったような顔でニコニコと笑っているのだろうか。


『あぁ、疲れた。今日はもう何もしたくない』


 ペトロネッラ姉上との面会から戻ると、いつも兄はそう言って庭のベンチに寝転がり、うららかな日差しの下で静かに目を閉ざして転寝をした。

 これほど開放的な場所にあって、あれほど硬い諦めという名の殻を見たことは無かった。

 不自由だ。誰よりも奔放で自由気ままなふりをしながら、けれど誰よりも不自由で、誰にも言葉が届かないことを知ってしまった、そういう虚しさのある人だった。


 だからその兄が少しずつ、少しずつ変わって行くのを、アルブレヒトは誰よりも理解していたと思う。

 カレッジに通うようになると、噂には聞いていたものの、(くに)(もと)にいる時とはまるきり違う兄の姿を見ることになったし、とりわけヴァレンティンの公女といる時の兄は、アルブレヒトが見る初めての“くったくのない笑み”を浮かべていた。

 あれは本当に兄なのかと、そう思ったほどだ。


『レヒト、大公になりたくない?』


 最初にそう言われた時は、さすがに何の冗談かと笑い飛ばした。

 母の嫌がらせはどんどんとエスカレートするばかりで、もういい加減に嫌になってしまったのだと。

 でもそれでも周りはみな優秀な兄を跡継ぎと信じてやまないし、当のアルブレヒトこそがそんな兄を尊敬し、この人を弟という一番特別な存在として支えてゆく理想の未来を思い描いていた。

 けれどその翌年兄がカレッジを卒業すると、これから世継ぎとして重きを為してゆくであろうという大事な時期にふらふらとクロイツェンへ旅行と称して出かけたと思いきや、皇宮の成人式で皇太子と一人の女性を巡って問答をしただとか、そんな話が耳に入った。

 周りは誰一人として“恋に現を抜かす公子”だなんて噂を信じはしなかったし、むしろ『ヴァレンティンの公女を狙うとは、さすがはマクシミリアン様』だなんて都合のいい言葉に置き換えて、兄の本意を歪めて語った。


 その時から、何か妙な、嫌な予感はあったのだ。


 だからカレッジを抜け出してまで帰路の兄をひっ捕まえたアルブレヒトは、すぐさまその真意を問い詰めた。

 あの日のことは、今も少しとして忘れたことはない。


『最初に信じてくれるのは、レヒトだと思っていたよ』


 それは自分に向けられた、初めての“本当の顔”だったと思う。

 少しくすぐったそうに、けれどどこか残念そうに。

 初めて出会ったあの日からどんどんと深まるばかりの孤独の気配の中で、『彼女が好きなんだ。彼女の傍にいたい』と呟いた兄の横顔を、自分は生涯忘れないだろう。


 なのに何故……どうして誰も、それが分からないのだろうか。

 自分よりもはるかに簡単に兄に会えるはずの人達が。実の姉が、実の父親が、何故分からないのだろうか。それが自分はたまらなく悔しくて、苦しくて仕方なかった。

 正直、中々兄をこの家から解放してくれないヴァレンティンの公女への恨みも募った。だがそんなことを言おうものなら兄が珍しく『怒るよ』だなんて忠告するものだから、むしろそうされたくてわざと悪口を言ったことがあるくらいだ。

 そんな公女が、ついに折れたらしい。

 皇帝の葬儀のために皇宮にいたはずの兄が何故か満面の笑みで帰って来て、『家出の計画を立てるから、手伝って!』なんて言い出した日には、遂にこの日が来てしまったのかと深い深いため息をついて差し上げたものである。


 沢山の恨み言を言った。

 なんて無責任なと罵った。

 ちょっとはこっちの気持ちも考えろと沢山叩いた。

 なのにちっとも答えた様子もなくヘラヘラと、幸せそうに顔を緩ませているのだ。

 どうして、手を貸さずにいられようか。


  ***


 なかなか帰ってこない父親に、固い扉を開いて青苑の茶会室に足を踏み入れる。

 父には似合わない春の日差しの心地よいこの部屋は、少し兄上のようだ。もっとも、兄がそんな空気を纏うようになったのはヴァレンティンの公女に出会ってからだったけれど。

 それまでは兄の事を、秋の(から)(かぜ)のような人だと思っていた。それに比べるとこの父は、真夏にひんやりと身を凍えさせる氷室のような人だろうか。生真面目が故に罪悪感ばかりを募らせ抜け出せない、不器用な人だ。


「父上、兄上はもうお帰りになってしまったんですか?」

「……アルブレヒトか」


 ゆるゆると持ち上がった顔は、疲労困憊ですと言わんばかりである。だがアルブレヒトは兄ほどに人が出来ていないので、父親のそんな顔を見たところでざまぁみろとしか思えない。

 きっと兄はこんな時でも、『別に恨んでなんていません』と言うのだろう。あの人はそれが“無関心”という名の、時に恨みよりも酷く心を(えぐ)るものなのだということを知らないのだ。

 だがこの人には、そのくらいの辛辣さのほうがちょうどいい。


「私も久しぶりに色々と話したかったです。離宮では母の目が合って、挨拶すらまともに交わせませんから」


 これは皮肉だ。お前が兄を大切にしなかったせいだという、そういう追い打ちだ。

 だがそれすらも真正面から受け止め真正直に悩むのが、この父なのだ。もっと図太いくらいでなければ、きっとこの大公家では生き辛かったであろうに。


「ヴァレンティンの公女殿下は()(かが)でしたか? あの兄上が破顔してうっとりと語るくらいですから、さぞかし蕩け切った顔になっていたんじゃないですか? それを思うと見なくて良かったですね。兄上には幸せになってもらいたいですが、兄を尊敬する弟としては、あまり情けない顔は見せないで欲しいですから」

「……」

「でもまぁ公女は美人で、しかもあの兄上の背中をバシバシ叩ける御方ですから、心配はしていません。父上もそうではありませんか?」

「……」


 ふむ。さすがにそろそろ限界だろうか。本当ならもっとあれやこれやと言って鬱憤を晴らしたいところだが……良い息子というのは大変なものである。

 仕方なく、どんと父の隣に腰を下ろし、兄にはできなかった“息子らしい息子”の顔で、「父上、聞いてます?」だなんて生意気な口を利く。

 こんな自分は好きではないけれど、これがアルブレヒトの処世術だ。お前は小悪魔顔だからそういうのが覿面に似合うと、そう教えてくれたのは兄だった。


「お前は、マクシムの……あいつのことを、一番よく分かっていたようだな」

「むしろ皆が何故分からないのか、不思議でたまらないくらいでしたよ。見ていれば誰にだって分かることじゃないですか。兄上のあの公女といる時の緩み切った顔。見ているこっちが恥ずかしいくらいでした」

「……そうか。そうだな。お前にとっては、そうだろう」

「……」


 あぁ、そうか。前妃の死で変わったのはペトロネッラ様だけではなかった。幼い内から仮面をかぶることを覚えた兄も、変わったのだ。そしてアルブレヒトが出会った頃の兄は、すでにその“変わった兄”だった。だが父にとってはあの奔放でよく笑う姿こそが、ようやく戻って来た昔の兄の姿だったのかもしれない。それが偽りの顔だとも知らないで……。

 もしそうなら余計に、どうして一番気が付かないといけないお前が気が付かなかったのかと言いたい。どうしてそんな兄を、救ってくれなかったのだと。

 もしもそうしてくれていたなら……そしたら兄は、ザクセオンを捨てたりなんてしなかったかもしれないのに。


「父上のせいですよ」


 もう恨み言なんて言わない。辛いのは父も同じだ、なんて……そんな綺麗事は、すっぱりと頭から抜け落ちた。

 だってそうじゃないか。この人が、自分から兄を失わせた。この人が、自分達家族を狂わせた。

 どんな理由があったとしてもそれは許せないことであるし、許したくないことだ。

 私はこの人のせいで、最愛の兄を失った。


「レヒト……お前は……」

「ザクセオンは私がきちんと継ぎます。母上に余計な権力を持たせたりしませんし、ペトロネッラ姉上を宥められるなら、前妃の身内を正妃に迎えるのもいい思っています。心配せずとも兄上はもう何年も前から側近達に身の振り方を選ばせていて、大半を私の所に寄越しています。仕事の引継ぎも、公子の仕事も、全部私に叩き込んでくれています。すぐにだって兄上の代わりは勤められます」

「……」


 ほら、その顔だ。そんなこと何一つ知らないなんて顔をしながら、でもそこにわずかな気まずさが(よぎ)っている。

 本当は知っていたのだ。兄がこそこそと国を出て行く準備をしていたことも。それを兄がわざと匂わせていたことも。

 なのにそれを取り上げ、膝を突き合わせて語ることもせず、どうせできやしないんだろうと目を背け続けた。その結果がこれだ。


「父上は私にザクセオン大公の地位を譲ることに反対ですか?」

「……そんなはずがないだろう。あやつもお前も等しく私の大切な息子で、優秀な公子だ。不満など何もない。むしろ頼もしすぎて、自分が情けない」

「だったらいいです」


 できた息子はこんな時、『兄上の分まで私が頑張ります』とでもいうのだろうか。兄が教えたアルブレヒトの処世術は、多分そういうことを言う可愛い息子だったのだろう。だがお生憎様、もうそんな可愛い弟は卒業だ。

 兄が悪い。勝手に自分の行く先を決めて、勝手に大公の座を押し付けて、勝手に幸せを掴んだ……何一つ相談もせず、『あの父上をどうにかしてよ』の一言すら言ってくれなかった薄情な兄が、全部悪い。

 全部悪いけれど……でも。


 今この瞼に熱い涙が溜まっているのは、悲しいからじゃない。嬉しいからだ。

 兄はようやく、あの何もないがらんとした寒々しい箱庭から、とても寒いけれど柔らかなヴァレンティンという安寧の地へと解き放たれた。

 兄の傍には、こそこそと人目を忍んで通わねばならない頼れない弟妹なんかではなく、兄と肩を並べ、兄を守り、連れ去ってくれる……そんな頼もしい公女が付いている。

 それがどうして嬉しくないだろうか。


 そんな兄がもう心配しないでいいように。自分はちゃんと、務めを果たそう。

 出て行って良かったと言えるくらい、頼れる跡継ぎとして振舞おう。

 ただ……。


「ご心配なさらずとも、私がちゃんとザクセオンを守りますよ。でも、いつかその日が来たとして、私はきっと兄上と義姉上には頭が上がらないでしょうから……その覚悟はしていてください」


 もしそれでザクセオンがひどい(ちょう)(らく)をしたとしても、知ったこっちゃない。それはすべて、ザクセオンが兄に支払うべき対価なのだから。

 あぁ、でもあの兄の事だから……。


『嫌だなぁ。可愛い弟に、私がそんな酷い事するわけないじゃないか』


 きっとそんな風にへらへらと笑って、また私を困らせるのだろう。






※明日は更新お休み。次は5日に。

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