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5-15 荘園領主の館

「老けたわね、ジュペル。貴方、まだ四十そこそこではなくって?」

「っ……あぁ、神よ」


 思わず目に涙を浮かべながら手を組み跪こうとした男に、一番近くにいたケーリックが咄嗟に手を差し出してそれを止めた。どこに、どんな目が有るとも限らない。そんな様子を察したのか、ジュペルはさっと辺りを見回すと背筋を伸ばし、「まずはどうぞ、中へ」と促した。

 ケーリックがラジェンナが馬を下りるのに手を貸すと、馬の手綱はジュペルの後ろから出てきた少年が取って、荷馬の方とともに(うまや)の方へ連れて行ってくれた。あの少年は誰だろうか? ジュペルと似ているから、息子だろうか。

 そう思いながら扉をくぐった瞬間、待っていましたとばかりにジュペルがその場に膝をついて、ケーリックが間を阻むよりも早くリディアーヌの手を取り、高く額の上に掲げた。その最上級の礼に、ラジェンナがびっくりと目を瞬かせたほどだ。


「信じられません。いえ、そうなのだと……生きていらっしゃるのだと、お聞きはしていたのです。ですがまさか、こうして再びお目にかかる日がこようなどとは……」

「私もよ、ジュペル。貴方こそ、無事だったのね」

「メディナ様とセザール殿下にお助けいただき、こうして恥を忍んで細々と生きながらえておりました。あぁ、あぁ……ですが、本当に。どうして……」

「積もる話もあるけれど、今はそれどころではないの」


 そう立つように促すと、チラリと隣の連れの女性を見たジュペルは一度ぎゅっと目頭を押さえると、コクリと頷き、立ち上がった。


「彼は私の側近のフレイ卿。こちらはマイヤール侯爵令嬢ラジェンナ様よ」


 ピクリと眉をしかめたジュペルにラジェンナが一瞬たじろいだが、リディアーヌはそんなラジェンナの背を押し、自分に並ばせた。


「家族を裏切り領地の重大な秘密を伝えに来てくれた勇敢なお嬢様よ。そんな顔をするものではないわ」

「では、旦那様が仰っておいでであった情報提供者というのが……」

「貴方の旦那様というのはセザールなのかしら? だとしたら彼女の事ね。セザールには私がラジェンナ嬢を伴って王都に向かっていることを知らせてあるわ」

「そうでございまいたか……とにかく、すぐにお湯と。大したものはご用意できないのですが、お食事を」

「言った通り、緊急なのよ。湯はいただきたいけれど、その前に情報を共有したいわ」

「かしこまりました。すぐに」


 ジュペルが頷くと同時に、馬を繋ぎに行っていた少年が馬に乗せていた荷物を手に戻ってきた。その少年に湯のことを頼んだジュペルに連れられて、一番近い応接間に向かう。

 寂れた荘園にしてはきちんとした家具の入れられた応接間で、泥で汚した服で座るには忍びなかったものの、時間が惜しいので遠慮なく上着を放り出し机に荷を広げた。


 どうやらこの館には他にメイドが二人と交代制の騎士が二人と馬屋番がいるだけらしい。その騎士も館の修理が最近の仕事で、門番替わりにもならないという。思った通り、セザールに与えられたが実際には最低限の維持をしているだけの場所なのだろう。

 そんな人気のない館で、まずはラジェンナが自分の情報を直接ジュペルに伝えた。ジュペルからもそれに対するセザールの方針のことなど、およそ手紙で知っていた内容と相違ないことをジュペルが話したことで、リディアーヌもようやくこの昔馴染みを信用できた。

 そのうち湯が沸いたと呼びに来たメイドにラジェンナのことを任せたので、代わりにラジェンナの前では大人しく口を噤んで後ろに立っていたケーリックを席に着かせた。


「改めて紹介するわ。私の側近文官のケーリック・フレイ子爵よ」

「お初にお目にかかります。クルノー・ジュペルと申します」

「ジュペルは昔王妃宮、つまり廃妃ユリシーヌ様に仕えていた侍従の一人よ。私もその頃に何度も顔を合わせているわ」

「あ……」


 つまりジュペルが知っているのは“リディアーヌ公女”ではなく“リディアーヌ王女”だ。それを察したらしいケーリックが、少しばかり顔色を引き締めた。ジュペルがどういう人物なのかも、その説明で随分と察せられたはずだ。


「今は、“ただのクルノー・ジュペル”でございます。九年前の事件の後、王妃宮の人間も大半が処罰されました。私は当時まだ侍従の末端でございましたから厳罰を免れたのですが、処分により爵位を削られたのです」

「そうだったのね……それがどうしてセザールのところに?」

「当時からセザール様とそのご尊母様が、処分にあった者達を庇護なさってくださっていました。私もその慈悲に拾っていただき、ネルヴァル家のご荘園で管理官として雇っていただいておりました。そこをこの春よりこちらの荘園に」


 セザールが昔の事件の被害者達をかくまっていることは聞いていた。彼もそのうちの一人だったということだ。元は侍従だが管理官として働いていた経験もあって、セザールはこの王に押し付けられた荘園の管理という名目で彼をここに派遣したらしい。

 

「セザール様がこちらにいらっしゃることはほとんどございません。その代わりにジュード様が何度もいらしております」

「それで、セザールの荘園なのだかジュードの荘園なのだかと、噂が混交していたのね」


 互いの情報をすり合わせている内に、この荘園のことも随分と分かってきた。

 やはりセザールが王子に叙された際、アグレッサ王妃の反対などもあってまともな領地は与えられず、開拓中だったこの辺り一帯を名目的に押し付けられたらしい。

 パンテールからの開拓民が耕していた場所に急に王族の荘園領主がやって来たものだから、村人達も領主との関係は微妙に思っており、そもそも忙しいセザールが領地経営なんかに関わっている暇もあるはずなく、半ば放置されている場所だという。

 だがそれが復権前のジュードにはちょうど良かったようで、エメローラ領から王都に出てくる途中に立ち寄ったのをはじめとして、以後何度か郊外の都合のいい滞在場所として使っているのだとか。ジュペルがここに配置されたのは、セザールが、ジュードが少しでも過ごしやすくなるようにと気を使った結果らしい。ジュペルは昔ジュードの母に仕えていたので、ジュードには馴染み深く、信頼できる相手なのだ。


「それで先程の話の続きだけれど。荘園の西に川が通っているのはご存じ?」

「はい。そちらから荘園には水路が引かれており、畑にも使われておりますし、井戸の水源にもなっております。ですが直接川の方へ行き来することは滅多にございません。途中に勾配のきつい箇所がございますから」

「では、川下の村との接点も」

「初耳でございます」


 そう息を吐いて首を振ったところで、ジュペルは何か深刻そうな顔で唇を引き結んだ。

 さて……ジュペルを保護しているとはいえ、ここはどうやらセザールにとっても大した拠点ではないらしい。ジュードが滞在することがあると言っても、それも稀なこと。だとしたら、ここを狙うことにどんな意味があるのかとピンとこないのだが。


「ジュペル。貴方、ここが狙われる理由に心当たりがあるのではなくて?」


 そう問うたところで、今一度きゅっと口を堅く結んだジュペルは、やがて緊張した面差しで息を呑んだ。これはみるからに何かある。


「私は少なからずジュードの味方でありたいと思っているのだから、私が何か手を尽くせるよう、情報を出した方が得策だと思うわ。そうではないかしら?」


 そう言えば、ほどなくゆっくりと息を吐いたジュペルが意を決したように顔を上げた。


「実は……ここに、ジュード様の最も大切なものをお預かりしております」

「大切なもの?」

「メイドの内の一人が、ジュード殿下のご内縁の方なのです。それにお子様も一人、おいでになります」

「なんですって?」


 とんでもない情報が出てきた。

 ご内縁。つまり、妻だと?

 いや、まぁジュードは四つ年上だから、もう二十四。妻子がいてもおかしくはない年だが、それでも急に親戚が増えていたら誰でも驚くと思う。しかもよりにもよってつい最近まで庶民に落とされていたジュードがだ。

 だが……それは、つまり……。


「平民なのでございます」

「……あぁ」


 やっぱり……そういうことなのか。


「子供がいるって? ここに?」

「はい。三歳になる、可愛らしいお嬢様でございます」


 どうやらジュペルはその妻子に好意的であるようで、リディアーヌも多少思う所はないではなかったが、仕方なく息を吐いて苦笑を浮かべた。まぁ、ジュードらしいといえばらしいのかもしれない。とても驚きはしたけれど。


「道理で。話が繋がって来たわ」


 机に広げた地図のいくつかの地点に拝借したチェスの駒を置く。


「整理するけれど、ラジェンナ嬢の情報で、狙いがジュードであるのは間違いないようだわ。ジュペルの話からしても、この荘園にジュードが出入りしていたことも知られているようね。それだけではなくて、もしかしたらその妻子の存在も知られているのかもしれないわ」

「……それで、この館が狙われて……」

「すぐにジュードに知らせたいけれど、ただでさえ私達が出入りして目立たせてしまったわ。鳥を飛ばすのも危険ね」

「それに我々が館に入って人が増えたことで、向こうも計画を変更するかもしれません」


 ふむ。抑止力となったことを良しとみるべきか、それとも相手を慎重にさせてしまうことを悪しとみるか。どちらにしてもここに長居するのはよくないかもしれない。


「ジュペル、ひとまず館の騎士に邸内を徹底的に調べさせてちょうだい。すでに火薬が持ち込まれていないか、持ち込まれる可能性のある塀の崩れや隠し通路の類がないかなど。徹底的によ」

「はっ。すぐに」

「ケーリックも邸内の確認をしてくれる? 隠し扉や隠し通路の類の仕掛けはよく知っているでしょう?」

「公女府に配属されてすぐ、フィリック様にありとあらゆる種類を叩き込まれましたからね。かしこまりました、ジュペルさんと一緒にまわって点検させていただきます」


 そうひとまず仕事を定めたところで、コンコンと扉が叩かれた。

 顔を出したのは、先程ラジェンナを湯に連れて行ったのとは別のメイドだ。南方系のはっきりとした顔立ちに、濃い栗色の髪をやんわりと結わえた女性だ。顔立ちが穏やかで柔らかく、化粧気はないが肌が綺麗で、純朴な美しさがある。

 この館にメイドは二人しかいないと言っていたから、多分彼女が……。


「お話し中失礼いたします。お連れ様が湯を上がられましたので、よろしければそちらのお嬢様も」


 そうチラリとリディアーヌを窺った優し気な目元に、かつてのユリシアーヌ妃の面影を見た気がした。あぁ……髪の色は違うけれど、目の色がそっくりだ。

 そうじっと見ていると、ふとケーリックが「お嬢様」と声をかけた。


「どうぞ、湯をいただいてください。その間に状況の確認と、館内の点検を済ませておきますので」

「……そうね。そうするわ。あ、でも髪染めがもうないわ」

「分かりました。見つけたら確保しておきます」


 少しの躊躇を感じたのか、こんな場所で見つかるはずもないのにそんな言葉で背を押したケーリックに、適当なことを言って……と呆れつつ、仕方なく机から身を起こした。

 まぁ正直、ここまでの荒旅がそれなりにストレスになっていたから、ゆっくりと身を清められるのは有り難い。いい加減、このごわごわとする髪もどうにかしたかった。なので言われるがままに応接間を出て湯殿へと連れて行かれる頃には、もうすっかりとジュードの妻子の話なんてどうでもよくなっていた。今はとにかく癒されたい。

 メイドに扮した女性は、実際そういう仕事をしていた経験があるのか、とても慣れた様子で服を脱がせ、丁寧に湯を注ぎかけてくれた。髪から染料が落ちるのをみてすぐ事情を察したのか、特に念入りに濯いでくれて、溜まりに溜まった旅の汚れも落として熱い湯に身を沈めると、この上ない極楽にほぅと吐息をこぼす。小さな湯舟だが十分だ。


「お召し物をご用意いたしました。ただ、生憎とこの館には大したものがなく」


 じっくりと湯に浸っていると、ほどなく彼女が戻ってきて布を広げた。

 大したものがないというが、庶民が着るには贅沢なまっさらなリネンに、南西諸国風の大柄な花が()め抜かれたベスト、それに揃いのオーバースカートは、メイドの持ち物というには立派なものだ。おそらくジュードが見繕った彼女の私物だろう。あまり袖を通しているようには見えないから、それだけでも彼女の性格が窺い知れるようだった。

 贈り物を拝借するのは気が引けるが、かといってメイドの恰好をする気はない。すべてが終わったら倍にして返してあげよう、なんて思いながら「お願いするわ」と湯を上がり、手を借りて全身を拭ってもらい、髪を乾かしてもらった。


 久方ぶりに艶やかに洗われた髪を梳いてもらうのは心地よい。

 さらに彼女は旅に疲れた足を痛ましそうに見ると、香油でマッサージもしてくれた。真新しいコットンのストッキングに、綺麗な布の靴。幸いサイズはそう変わらなかったが、丁寧に紐を結んで調整してくれる。ただ身長差があるので、ドレスの丈は少し短いだろうか。


「丈が足りませんでしたね……申し訳ありません」

「構わないわ。貴女の大切な服なのでしょう? 丁重にお借りするわ」

「え?」


 驚いたように顔を跳ね上げた女性に、思わず小さな笑みが浮かんだ。

 どうやら少しばかり、嫉妬心なんてものを抱いていたようだ。かつて兄のように思っていた人が自分に何も言わずに妻を、それも平民などから迎えていたことに、不満を感じていたらしい。でも彼女を見ている内にそんな気が失せていった。

 なんだ、優しい人ではないか。


「ジュペルから聞いたけれど、娘さんがいらっしゃるのですって?」

「あの……え、えぇ」

「よろしければご挨拶をさせていただけないかしら」

「娘に……でございますか?」


 あちらもまだリディアーヌを何者とも知らないのだから、警戒されるのは当然だ。いや、むしろちゃんと警戒することを褒めてあげたいくらいだ。ジュードの大切な一人娘の母なのだ。そのくらいでいてもらわねば困る。


「私には会う権利があると思うの。私はジュ―ドの、“義理の妹”ですからね」

「ッ……」


 息をひっつめさせた女性が、思わず後ずさり、ドンと壁に背中をぶつけたかと思うと、そのままペタンとしゃがみこんで、慌てて低く額を床にこすりつけた。


「も、申し訳ございませんっ……それでは、その、つまり……公国の……」


 ジュードが話したことが有るのだろうか。さすがに突然のお客様が王子の()(まい)を名乗ったことには驚いたようだが、公国という言葉が出てきたということは、リディアーヌの素性は察したのだろう。

 そんな彼女の手を取って顔を上げさせると、「どうぞお立ちになって」と促した。


「……公女、殿下であらせられますか?」

「ええ。ご存じでしたのね」

「ジュード様にお聞きしたことがございます。大切なご兄弟の事と、お亡くなりになられた先の王子女様のこと。その王子女様には義理の妹君がいらっしゃるらしいと……」


 なるほど。王女と公女の事情のことは知らないのか。


「私は何度かセザールからジュードの噂を聞いたのだけれど、貴女や娘のことは先程初めて知ったわ。まったく、妻子のことを秘密にしているだなんて、水臭いことを」

「いえ。私は平民の……それも、その……とても口にするには(はばか)られるような最下層の生まれでございますから。一時のお慰めにこうして慈悲を賜っておりますが、妻などとは到底名乗れたものではございません」

「……」


 ふむ。まぁ、そう思うのも無理はないか。義妹を名乗る公女にあっけらかんと『では私は義姉ですね』なんて言い出さない謙虚さは評価する。だが謙虚すぎるのも、それはそれでリディアーヌには納得いかない。


「ジュペルは私に貴女をジュードの内縁であり、娘をジュードの娘と紹介したわ。それはジュードがそう認めているからでしょう? 謙虚なのは結構だけれど、そのような否定の仕方はジュードにも私にも失礼よ」

「ッ……そんなつもりはっ」


 慌てて否定する女性に、ニコリと微笑んで見せる。


「では堂々となさいませ。ヴァレンティン公女リディアーヌが、貴女を私が兄と呼ぶ方の妻と認めて話をしているのですから」

「……恐れ多いことです」


 そういいながらもほっと笑みを浮かべた女性に、「そういえば」と首を傾げる。


「お名前を聞いても?」

「これは失礼をいたしました。リアーヌと申します。孤児でございますから、姓はございません。昔は別の蔑称のような名で呼ばれておりましたが、それをお聞きになったジュード様がこの名を付けて下さったのでございます」

「まぁ、ジュードにしては(いき)なことをするじゃない。名がリディアーヌと似ているのは気のせいかしら?」


 そう冗談めかしてそう言ったら、「恐れながら、ジュード様の一番大切な女の子の名から拝借したとお聞きしております」なんていうから、リディアーヌも言葉を無くした。

 冗談のつもりだったのに、そんなことを言われたら返す言葉がないじゃないか。


 だってジュードは……彼は多分、“リディアーヌ王女”は死んだと聞いていたはずなのだから。


「娘はルシールといいます。会って、お声をかけてくださいますか?」

「ええ、勿論。勿論よ」


 リアーヌがリディアーヌに由来するなら、ルシールはユリシーヌ……憐れに一人亡くなられた、彼の母に由来した名であろうか。

 ジュードの事だから、きっと追放後も気儘に気楽にやっていたんでしょう、だなんて。あぁ、自分はとんだ愚か者だった。誰より家族思いだった彼がどんな思いでこの九年を過ごしたのか。どんな思いで、一人母を弔い、一人兄を想い、過ごしていたのか。


 ほどなく連れて行かれた部屋で対面した女の子は、不思議とジュードの面影をよく感じた。目元は母親譲りだろうか。色はリアーヌともユリシーヌとも同じヘーゼルだ。

 彼女達が、一人きりになってしまったジュードの傍にいて、彼を慰めてくれていたのだ。それを思うと、どうして愛おしく思わずにいられるだろうか。

 そっと腕に抱きしめた女の子からは、お日様の香りがした。

 フレデリクを抱きしめた時と同じ、幸福の香りだ。


「ジュードの傍にいてくれて、有難うリアーヌ。生まれてきてくれて……ジュードに家族をくれて、有難う、ルシール」


 ルシールはよく分からず首を傾げていたけれど、その囁きには堰が切れたかのようにリアーヌがボロボロと泣き崩れた。

 やれやれ。こんな場所に、寂しく妻子を放置しているだなんて。

 次にジュードにあった時には、しっかりと文句を言ってあげねばならない。

 彼の義妹ではなく……彼の、義姉として。






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