2話
…(…何を語れば…?)
自己紹介でもすればー?(零)>
…名前は蒼空だ …w(魄那)>
私は学園の女性教員の一人。
今日は私が朝の校門施錠担当です。
なので登校完了時刻になったら門を閉め、万がーに備え、不審者対策の結界魔法を張ります。
「…一分前ですし、流石にもう生徒は来ませんよね」
私は門を閉じようと取っ手に手をかけました。…そのときです。
「…?」
遠くで騒がしい気配を感じます。
確認すると…どうやら学園の三人組のようです
「こんなギリギリに登校なんて…どこのクラスの生徒かしら。」
…見ていて、ふと感じた異和感。
歩いているにしては人影の大きさがおかしな速さで大きくなっているような…
…!あれは…すごい速さで走っているの…!?
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「今日の勝ちは…譲らないよっ!」
「はぁっ…まだ俺の方が…速い…っ」
「…待っ…て…僕…疲れて走れない…」
三人はそれぞれ他二人より早く学園に着こうと猛ダッシュしていた。
特にー番だから何かある訳ではないが、魄那の負けず嫌いと零の諦めなさがゲームを楽しくしていた。
今は蒼空が少し先を走っている。
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「あの三人は…!」
先頭を走っているのは…蒼空さん…ですか
あのカザキさんの助手であり、カザキさんによく稽古をつけてもらえる一番弟子です。
そのため、武器の扱いは生徒ーの実力を持っていて、教員の間でも名前を聞くことは少なくないです
彼は魔力適性がなく、魔法が使えないので、本来学園に通うことができませんが、カザキさんが授業での助手として連れている生徒…という事になっていると聞いています。
なので彼のクラスが魔法科の授業を受けている間、彼はカザキさんの授業で助手をしています
もし魔力適性があったら相当な実力を誇る魔剣士として国に貢献できたのに…なんて言われていることもしばしば聞きます。
後ろの死にそうなのは…零さんですね。
蒼空さんとはまた違い、よくしゃべり、良くも悪くも人を引きつける明るい性格なのですが、中々授業や課題に真面目に取り組んでくれません
ただ、稀少な魔力適性である複数属性所持者であり、学園では重宝される存在です
更に繊細、正確、手速い魔力操作を得意としています。(教員顔負けレベルです…)
私はあまり知りませんが、恐ろしいほど記憶力があるとかないとか…(確かに座学で彼の赤点は聞いたたことはないですが…)
あの二人がいるということは、彼女は…魄那さんですね。
彼女も魔力適性がありませんが…彼女の入学は特例でした。
『魔力測定器が反応していないのに、魔法を使う少女がいる』という通報を魔法警察が受け学園にも協力が申請され、調査が行われたところ、なんとカザキさんが面倒を見ている子の魄那さんで、同意の上調べた結果、新たな力「霊力」の存在が明らかになりました。
学園は新たなカの研究のため調査協力を当時の魄那さんに頼みました。
魄那さんは自分も学園に通えるようにする事を条件に研究に協力しました。
一日中研究室にいて、学園の授業は一切受けていないと聞きます。
ただでさえ異色の生徒が入学し、大変なのですが、その三人が仲良くしているのは学園でも有名です
「…今日も三人でこちらに…ってまずぃっ…」
──ダダダダダダ……
「先生、どいてください!!」
「…ぐっ…今日は…厳しいな…」
「っはぁ…ぜぇ…っ」
「ぅわっ!?っ!」
三人は私のギリギリ横を通過し、相当なスピードで学園に入っていきほした…。
「…門を閉めますか…」