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All irregular  作者: まろ天使
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1話

はじめまして。魄那だよ

 前書きを使って字数稼…ゴホッゴホッ細かい設定とか小話の紹介を頼まれた…。

 毎話交代で喋っていくよ。

〈とりあえず自己紹介〉

 私の名前は魄那はくな

 先生の家で幼なじみ二人と先生の四人で住んでる

 全員血はつながってないけど、大切な家族なの!

 好きな食べ物は魚料理と餃子!嫌いなものはトマト。舌がゾワゾワするんだよね…。

味噌と魚の焼ける匂い

歌い始めた鳥の声

気持ち良い朝が始まろうとしていた…


ダダダダダ…


「ヤバい…!遅刻するんじゃない!?」


 その空気を国立魔法研究学園に通う女の子、魄那が走り破った。

 黒い長髪を一本に結び、手には水筒を持っている。

 寝坊かと思いきや寝巻きではなく学園の運動着。

 彼女は朝の走りこみを終えたばかりで額に汗が滲んでいた。

 毎朝走り込むのは彼女の日課である。

 廊下を駆け抜け、自分の部屋の扉を蹴り破る。

 自分の布団は起きたときに片付けたが、隣にまだ布団の塊がある。

 魄那はその掛け布団を剥ぎ取った。


「零!!起きて!もう準備しないと遅刻する!!今日は先生が朝一会議で、呼んでくれない日なの、すっかり忘れてた!!」

「…んぁ…?」


布団を取られた青年、零は時計を確認すると半開きだった目がみるみる丸くなっていった


「うっそぉ!?今7時!?」


ズルッドスンッ


 衝撃でバランスを崩しベッドから落ちる零。


「準備できてないし…!あぁ!!昨日宿題あったのにやってない!」


 飛び起きた零は散らかった机から授業に必要な教材を引っ張り出した。

 …計画性のなさ丸出しである。


「朝食は蒼空が今作ってくれてるっぽい。なんなら先生いないのに気付いたのも蒼空だし…」


 魄那も少し焦ったようにカバンに物を入れ始める。

 そこに朝食を作り終えた蒼空がやって来た。

 魄那よりは短いがきれいな黒髪の長髪をなびかせている。

 二人とは違い、学園の制服姿だった


「…朝食はできたぞ。零は…起きてるな。…俺は食べたから早く準備しろよ」

「ん。ありがと」


そこで、


「そ~ら~!!助けて~!」


零が蒼空に縋りつく。蒼空はいつもの光景に溜め息をつきつつ、


「…何の宿題だ」


と出された零のプリントに目を通す


「魔法を使うときの魔法陣の応用課題なんだけど…」

「…お前…俺に魔力適性がなくて魔法科の授業受けれないの…知ってるよな…?」


 蒼空は学園に通うために必要な魔力の適性がない。

 が、義父であり学園の教員であるカザキが助手として特別に通わせてくれているのだ。


「知ってるけど…一応3人で『国立魔法研究学園』って名前の学園に通ってるし、分かるかなーって…」

「…残念だったな…俺は魔法に関する知識は…本で読んだ程度しか身についていない。…大人しく魔法科担当の教師に絞られて来い」

「嫌だあぁぁ!!いっっつもじゃん…」


蒼空はこの世の終わりのような顔をした零にプリントを返した


「あの担当教員、怖いもんね…」

「は、魄那ぁ…」


零がうるうるとした目で魄那を見るも、


「…私も魔法科受けてないよ。在学中は霊力の研究材料にされてるし」


 同じく魄那も魔力適性がなく、本来であれば通うことは許されない。

 が、学園には三人で通っている。

 魄那については後ほど説明しよう。


 さて、零の最後の希望も消えたところ。

 蒼空は持っていた木刀ニ本を自分の机の横に片付けた。


「…今日も学校まで競走するだろ?…俺はもう準備終わってるから…外で待ってる」


そう言うと蒼空は学園のカバンを持ち、部屋を出た


「…蒼空って朝早起きして素振りしてるんでしょ?すごいよね…」


 宿題を諦めた零は今日の授業の教材を準備し始めながら言った


「私も一緒に起きて、走ったりしてるよ?」

「…それなら僕もできそうかな…」


 ボソッと呟いたつもりだったが、魄那に聞かれ、


「本当!?じゃあ、明日起こしてあげるから、一緒に頑張ろ!」


と無邪気に笑う魄那。(…後に筋肉痛で起きることすらできなくなることを、零はまだ知らない)


 そんな事を話しながら家の玄関を出た二人は外で退屈そうに待っていた蒼空に気付く。

 蒼空も二人に気がつき、「…遅いぞ」と文句を吐いた。


「ふわぁ…二人が異常に早起きなだけだよー…」


 零はまだ眠い目を擦って反論した。

 だが、寝癖のついた金髪が勢いをなくさせている。

 そんな零を気にせず魄那は、


「それよりさ、早く始めようよ。間に合わなくなっちゃうし、零の眠気も覚めるんじゃない?」


と提案した


「…よし」


そう言われた蒼空は拾った小石を持ち直し、


ビュンッ


と真上に高く放り投げた。


「…今日はこれが合図だ」

「オッケー!」「分かった!」


 …コンッ


小石の乾いた落下音。

この瞬間、三人の毎朝恒例「誰が最初に走って学園に着くかゲーム」が始まった…

読んでくれてありがとう!

ってか零、体力なすぎじゃない?私が毎朝起こして、平均以上はつけてあげよう!

という事で次話もお楽しみに!


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