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5番 校内選抜戦!激戦の予感?

(キンコンカンコーン)


「プス、ド、ツ」

「うるせ~よ!一日中!!」


太一は出来るようになった嬉しさから一日中ボイスパーカッションをやっていた。


「スゲ~けど…一日中やる事じゃねぇだろ」

「予選まで時間がねぇんだよ」


そう言いながら太一は出て行った。


「予選ってなんのだよ……」

「大介~部活行こうぜ」


木元は仲間に肩を叩かれながら呟いた。



「こんちわ~す」


太一は部室の扉を開いた。

しかし部室には毅史たちはおらず西田さんや、美曽たちがいた。


「あれ亀谷さんたちは?」

「知らんけど……お前部活の説明の紙見たか?」

「見てないです」


「威張って言う事ちゃうし」


そう言いながら説明の紙を渡す。


「アイツら多分屋上や

後この紙よく見ときや」


太一は走るように部室を出て行った。


「元気やな~」

「次の上位5組に食い込むグループどこだと思う?」


西田に美曽が聞く。


「オレたちのところ以外はわからん」

「自信たっぷりだね~

ウチらも負けないけど」



「屋上到着!!」


太一は思い切り叫んだ。


「うるさいな」


みんなが渋い顔をして見てくる。


「どうしたんすか?」


太一はみんなに聞く。


「昨日のハモりーぐ見たか?」

「見ましたよ」

「……時間がない」

「一か月後でしょ?」



太一は余裕そうに言う。


「違う一週間後だ…

校内選抜戦がある」

「校内選抜戦?」


太一に毅史は校内選抜戦の説明を始めた。


太一が理解したことは、・この学校には50チーム以上のあること

・校内選抜戦上位5チームだけがハモりーぐ予選に出れること


この二つだけだった。


「だからな今から練習が必要なんですよ」

「せめて今日中にボイスパーカッションはできてもらわないと…」


直行や欄に言われて真面目な顔になる太一。


「つ~わけなんで練習しよ」


みんな練習の準備を始める。

太一も始めようとするが毅史が止める。


「なんすか?」

「なんすかって………お前はボイスパーカッションの…」

「ド、ツ、ブス………」


太一はちょっとぎこちなかったが、ちゃんとした音が出せた。


「……ぉお~!!太一できるようになったんだ!!」

「ですから早くみんなで練習しましょう」


太一は4人の元へ駆け寄った。


「早く亀兄」

「今回こそ本選に出るんでしょう?」

「今んと5位には入ってるわけだし…」

「次は1位でしょ」


4人が言う。


「わかってる!!

やるぞ!!」


この日の学校には6人のちょっとぎこちないハーモニーが響いていた。

校内選抜戦当日…


顧問の高田がみんなの前に立って言う。


「え~今日から五日間…一日15チームずつ厳正なる審査を行い、予選に出れる5チームを決めます

みんな頑張るように」


高田が言った後に、審査のないチームは各自出て行った。


「オレたちは最終日の最後から二番目か…」


屋上に向かう途中に毅史がボソッと呟いた。


「緊張してるの?」

「オレは三年だし今年がラストだからな…」


のぞき込むように聞いてきた欄に、ボソッと答えた毅史。

欄は、そっか…と緊張が移ったように固い表情になった。


欄以外の2年生3人は緊張は全くなく早く歌いたそうにしている。


「そういや太一は?」


雪が周りを見ながら言う。


「いないね~」

「太一君なら部室に残って、みんなの歌を見ていくって言ってましたよ」

「ヘ~勉強熱心だね~」


5人は屋上についた。



「で……なんでお前が隣に座ってるんだ?」


高田が隣に座ってる太一に言う。


「新入部員なんで、どんなものなのか見ようと」


満面の笑みで言う。


「……いい心構えだけども…せめて隅っこで聞いてろ」

「はい!!」


元気な返事をして、太一は部室の端で体育座りをした。


「よ~し、んじゃ~最初は……………」


………

……


「スゲ~な……」


あまりのすごさに、スゲ~しか言えなかった。

それと同時に自分達がどこまで通用するのか試したくなって行った。



「今日最後は……ウチの部No.2か…」

「高田ちゃ~んヨロシク~」


元気に手を振る美曽。

そのまま太一の方を見て言う。


「太一君~見といてね~」

「わかった~」


美曽の隣にいた坊主の男は美曽の頭を叩きながら言う。


「うるせ~よ!!」

「ゴメン~信濃川」

「早く終わらそうぜ」


美曽が調律笛を吹く。


「せ~の」


高田は目をつぶって聞いた。

太一は信濃川の力のある声に聞きほれていた。

時間が止まっているように思えるくらいに長かったようで、あっという間に終わった。


「なんだ今年の校内選抜戦は余裕か?」

「まぁウォームアップくらいですかね」

「アホなこと言うな!」


そう言いながら美曽たちは出て行った。

太一は部室の隅でボーッと美曽たちの歌を思い出していた。


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