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1番 始まりの歌

外に出るとどこも桜が咲いている今日…

最高の入学式になるだろう……


なんて思うわけもなく、ただダルいだけだ。


「入学式なんてなくていいじゃん…」


太一はそう言いながら校門を通った。


太一は親は出稼ぎで家におらず、月に一回仕送りが来る。

それと新聞配達のバイトで暮らしている。


「早く来過ぎたな…」


周りを見渡すとちょっと古めの校舎となんかわからない銅像があり、いかにも私立らしい。


私立と言っても頭が言い訳ではなくむしろ悪い。


「ん〜やっぱサボろう〜っと」


太一は子供のように校内に走って行った。



朝早くなので校舎には誰もいない。


太一は屋上まで全力で走って行った。




「ハァハァ……ちょっとキツいかな……」


息を切らしながら屋上のドアを開ける。


「お〜涼しい〜」


屋上には心地よく風が吹いていた。


「眺めもいいな〜」


屋上からの景色をただボーッと眺めていた。


(キンコンカンコーン)


チャイムがなった。

入学式も始まった。


「気持ちいいな〜」


太一は日陰で横になり、空をみていた。


微かに聞こえる車の走る音が眠気を誘う。


まぶたが重くなっていくのを感じた。

そして太一は意識を手放した。


(キンコンカンコーン)

太一はチャイムの音で目を覚ました。


屋上には車の音だけじゃなく、心温まるハーモニーが聞こえている。


「なんだ?」


物影からコッソリ除いてみると、男女5人が歌っていた。


太一が聞き入っていると、


(グゥーー)


太一の腹がなった。


「腹減ったし帰りたいけど…アイツらがな…」


邪魔したくないのでコッソリ気付かれないように帰ろうとする太一。


「おい誰だ?」


「……オレっすか?」


太一は見つかった。


「お前意外にいないだろ」


「まぁまぁ毅史…

なんでここにいるの?」

男の変わりに髪の長い女が聞く。


「入学式サボって寝てたんです。」


「じゃあウチらと一緒だ」


茶髪の女が言う。


「ボクは出てました」

「私も」


真面目そうな二人が言う。


「じゃあオレ行きますから…」


こっそり太一は出ようとする。


「待てよ!」

「はい?」


最初の男が止める。


「聞いたんだろ?」

「何を?」

「俺たちの歌」


ちょっとの間沈黙が流れる。


「……聞きましたよ…」


その言葉を聞いた途端、相手が円になる。


その間に太一は屋上から出て行った。


まだ気付かずに5人は話している。


「なぁお前さ〜

………いない!!」


その頃太一は……


「変なやつらだったな〜」


桜の下を歩いていた。

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