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幼馴染に愛されすぎてる件  作者: まちゃみる
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鈍感男子の休日 ―土曜―

ここに迷える子羊がいる。彼の名は加藤颯馬。

彼が何故今悩んでいるのかと言うと……


『今度の休日、一緒にお出かけしませんか?』

静かな部屋に鳴った通知音。画面をつけ続けていたからメッセージの内容はすぐ見えた。

送り主は...言うまでもないだろう。古賀結菜だ。

学校での態度もそうだが最近やけに関わろうとしてくる。

いや、別に嫌な訳では無いが、毎回恥ずかしい思いをしていて、

関わるのを少し遠慮してしまう。

そんな、悩みを抱いている颯馬にこのメッセージはかなり破壊力が強かった。

(古賀と2人きりの時間なんて何が起こるかわからない……)

そういう心配があり、断りムードだった颯馬だが、

ふと土日の事を思い出す。

「...何もねぇ」予定がないのである。

一人でいたり、家にいるのが嫌な訳では無いが、何も無いのに断るのは気が引ける。

そこへ一通のメッセージが、

「私と一緒は嫌ですか?...」

このメッセージが決定打となった。



そして迎えた休日。古賀に確認したところ、両方空いているらしかった。

正直これは間違いだった。聞かなくてよかった。

「もしかして日曜も遊びたいんですか?」

と煽りに近いメッセージが来たがこれはこれで断ったら機嫌を悪くしそうなので

仕方なく受け入れた。


そして地獄のお出かけが始まった。


―土曜―

待ち合わせは無難に近所の公園にした。そして緊張からか30分も前に来てしまった。

ふと考える。 2人きりでお出かけ…学校のやつにバレたらまずくね?

そう、まずいのだ。古賀は学校の人気者。こんな陰キャと普段から絡んでると噂されたら本人も困るだろう。

自分としても、弾丸のような鋭い視線と悪口のオンパレードが起こりそうで怖かった。

そんなことを頭の中で考えていると、

「お待たせ!」と元気な声が少し遠くから聞こえる。

古賀が待ち合わせ場所の公園に走ってやってきた。

時間を見たらまだ待ち合わせの15分前だった。

颯馬のところに着き、少し呼吸を乱している古賀を見て、

「なんで急いできたんだ?まだ15分前だぞ?」

と疑問を投げかけた。

若干の間の後、控えめに笑みをこぼし、

「颯馬くんとのお出かけ、楽しみだったんだ!」

と返され、颯馬は凍りつく。

こんな陰キャとのお出かけを楽しみにしてた?いやいやいやいや、そんな事があるのか?

と頭の回転速度をあげると、

こっちの様子を見て「クスッ」と笑い、

「颯馬くんってほんと面白いよね。」

と生き生きとした声で放つので多分気持ちが顔に出てたのだろう。

それを聞き、今度は顔を赤く染めると、

「そんな颯馬くんもスキだよ」

と放たれた言葉に頭が支配されて、

この日の事はあまり覚えてない。



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