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幼馴染に愛されすぎてる件  作者: まちゃみる
3/6

奮闘女子の気合い

今回は結菜ちゃん視点です!!

いつもより遅く家を出た古賀結菜は昨日の帰路を辿り、颯馬の家に向かった。

昨日の帰りに登校時間を聞いていたのが功を奏したのか、颯馬と出会った。

颯馬が小さく「来たか…」と呟けば、「そっちが言ったんじゃないですか」

と返す。昨日の事を思い出し結菜は気合いが湧いていた。

朝は早く起きてしまい、ソワソワしていて家族に変な目で見られたほどだ。

それぐらい本人としては嬉しいのである。


気合十分で登校ルートについたものの特にいつもと変わりはない。強いて言うなら颯馬がいることぐらいだ。

だがそれが結菜を活気つける要因でもある。

2分ぐらいした所であることに気づく。(一言も喋ってない!)変わり映えのない登校ルートだと思ったら

そういう事だ。幾ら最愛の人でもいるだけというのは少し勿体ない。

なにか一言切り出そうとした、

「颯馬くん!」

「古賀!」

2人の声が重なった。どちらも驚き一瞬の沈黙の後、

「颯馬くんからでいいよ!」と発言権を譲った。

そして颯馬から出てきた言葉は、

「なにか喋ろうぜ」

予想外だった。自分と同じことを感じていたのだ。

なんと嬉しいことか。そんな事を考えていると、

「やっぱ嫌か?」と窺うように聞いてくる。

嫌なわけがない。

「全然嫌じゃないよ。むしろ誘ってくれて嬉しい!」

と喜びをなるべく簡潔に伝えると、颯馬が顔を赤らめた。

そんな颯馬を見て結菜は今日1日頑張ろうと感じた。




今日は授業で調理実習があった。結菜は色んな人に誘いを受けたがどれもバッサリ切り捨てた。

理由は自由にペアを組んでいいからである。そしてそのペアは2人組。

そう、颯馬と2人きりになれるのである。

結菜は普通に料理が出来る。出された食材でメニューを考えれるぐらいには。

結菜は颯馬が料理が出来ないと考えていた。

ここで上手くフォローすれば距離を縮められるかもしれないからここは頑張りたいと思っている。

結菜は誘いの嵐を華麗に避け、颯馬のもとへ行く。

「颯馬くん!一緒に組も!」と元気よく言うと、颯馬が驚いた。

だが、「別にいいよ」とどちらともとれる発言をしたが、結菜はokだと思い込んだ。

そして準備をし始めると、結菜は驚嘆した。

颯馬が当たり前のように手元の作業をこなしている。

感心のあまり、本来の目的を忘れた結菜だったがどうやらその目的は果たせそうにない。

少し機嫌を悪くするが、颯馬は反応しない。



料理が出来たが、早すぎたと感じている2人。

そりゃ出来る2人が真面目にやればすぐ終わるに決まってる。

作業中も少しはコミュニケーションがとれたが、今は全くだ。

口が開かない。話すことがないのだ。

取り敢えず喋ろうと思った結菜は、

「颯馬くんって、料理出来たんだねー!」

と絞り出した。頑張った自分を褒めたい。

「まあ家では普通にやってるからな」

と素っ気なく返される。

どうしたらもっと喋れるだろうか。

そう考えてるうちに邪な考えがよぎる。(颯馬くんにあーんすればいいのでは!)

邪すぎる。そうは分かってる。だが一刻も早く仲を深めたい結菜は暴走した機関車に似ていた。

(今は皆作業中でこっちには誰もいない!)

冷静に状況確認をしてから、

「颯馬くん、あーんしてもいい?」

言ってしまった。気味悪がられないだろうか。さすがにまずいか。

「ん。いいよ。」と返される。

結菜は呆気にとられた。こんな軽く承諾してくれたことに。

少し緊張した手は若干の震えを伴っていたが、それをカバーするように

颯馬が結菜の手を掴み、スプーンに乗ってあった料理をぱくりと口に入れた。



結菜は何が起きたか理解出来ずにただ上の方を眺めていた。

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