聖なる獣
長らく間が空いてしまいました。すみません。
「───!?」
は?!
何ですか、これは。
「えっ、ちょっ、これ、これ、なに?」
検証結果。
人は驚き過ぎると幼児退行する。
そしてろれつが回らなくなる。
白は、どう、どう我輩のステータスは? いかがですか、我が主人? 的な目で見つめてくる。いや、尼られても困るんだけど……。
「え、えっとぉ……。とりあえず色々聞きたいことはあるんだけど、まずはさ、聖獣ってなにさ?」
『ああ、それはですな、』
「……あ。そ、そういえば、『聖獣』、一度だけ聞いたことがあります……、でも……」
「お、それじゃあ話してくれ」
「はい。私の記憶が正しければ、確か聖獣とは、最古の大戦において西神陣営について戦っていた魔物の総称、と習いましたが、……ただ、その大戦に関する資料はもうほとんど残っていないのでその話も本当かどうか……」
「え、そうなの?」
『まあ、我々は流石に大戦には参加してないですけど』
「ああうんそうだよねってそこじゃないよっ!! え、君たちそんな強いの? 神様の味方だったの? 神様ってどんな人なの? っていうかそもそも君たち何歳なの?」
『おお、一気に来ましたな。それでは順番に。まず、我々は曽祖父たちより全然強くないですぞ。で、神様の味方でしたが人間も東神の味方だったんですよ? で、神様はどんな人なのか、というと、そもそも神様は概念なので姿はないですな。そして我は352歳であります』
「へええそうなんだで済ませられる情報の質じゃあないんだわ。まず人間が神様の味方だったってことにまず驚きを禁じ得ないんですが? よくこんなよわっちい種族使う気になったねぇ東の神様。で、つまり大戦は概念同士の戦いだったの?」
「それについては私から。大戦では一応東西の神を形式上立てていましたけど、実際は種族をいくつも巻き込んでの大闘争だったらしいです。人間族を初め、幾つもの種族がそれぞれ、さまざまな思惑を抱えて戦っていたそうです」
「うーーん、なるほどぉ? わかったような、いまいちピンとこないような……。まあ、大戦の話はいいとして、君たちそんなに強いのに、なんであんな魔物に苦戦してたの? そんなに強いなら敵なんていなさそうだけど」
『少し前まではそうだったのですが、なんだかここ最近、魔物の突然変異というか、飛び抜けて強い個体が出現しはじめまして……』
「へぇ、そうなんだ」
「そういえば、王宮の学者たちが魔物の異常発生だの、突然変異だの、最近はちょっとおかしいって話してるのを聞いたことがあります……」
これからも続きますよー!




