仲間
間が空いてしまいました。
すいません。
えっと、それって、俺の手伝いをしてくれるってこと?
うーーん、ありがたいんだけど、かなり危険なにおいがするし、正直に言って、あまりおすすめできない。
それに、相手のことを、俺は何にも知らない……。
あれ?
なんにもって言うか、俺、名前すら知らなくない?
逆になぜいままで気がつかなかったって感じなんだが……。
「うーーん、俺としては手伝ってくれるのはありがたいんだけど、危険だと思うし、正直あんまりお勧めできないよ。それに、俺、まだ君のこと何にも知らないし」
途中、彼女は顔を輝かせたり、曇らせたり、最後には赤くなったりしてた。
まあ、気持ちは分からんでもない。
「こ、これは失礼しました。私、ヤルタ王国第三王女、フレリア・リンガートと申します」
そこからは直感だった。
「ユ、ユータ様!? なにをなさっているのです!?」
「え? あ、いや、だって王家の人間に対しては跪くのが当たり前かなあと思って……」
「止めてください。ユータ様は私の恩人なのですから、私こそ……」
跪かれた。
この状況はヤバイ。
かなりヤバイ。
「おいお前! 王族の方に跪かせるとは何事だ! けしからん! 処刑する!」
「ひえーー! ご、ご容赦をーー!」
何てことになりかねない。
冗談抜きで。
「いやいやいやいやいや……。こちらこそ……」
「いえ、良いのです。それに、私は、もう王家の人間ではありませんので。」
「……え?」
「私の祖国、ヤルタ王国は、いまは軍部に乗っ取られているのです。しかも、民衆は、大部分がその事を知りません」
「なるほど……。クーデターというやつか」
「? くーでたー? 何ですか、それは?」
「いや、なんでもない。続けてくれ」
「私の父は軍の言いなり、母は消息すらわかりません。私は、そこから逃げてきたのです。ですから、私はもう王家の人間ではありません」
彼女は、寂しそうだった。
その表情が、強く印象に残った。
「君は、その国に戻りたい?」
一瞬、ハッとした顔をしたものの、直ぐに真剣な表情に戻った。
「私は国を一度捨てた身です。戻る資格なんてありません。それに、戻ったところで、なにも……」
「……俺に協力してくれたら、国に戻れるかも、と言ったら?」
我ながら悪役っぽいセリフだなぁ。
しかも、何だかんだで言葉づかい敬語じゃなくなってるし。
まあ、あそこまで言われたら、あまいっかってなっちゃう気持ちも分かって。
「だけど、俺はどうやらスキルをいまひとつも持ってないみたいなんだよ。なんとかなんないかなぁ。さすがにゼロはやばいと思うし」
「そうですね……。では、少し、特訓して、スキルとりましょうか」
彼女の顔は、さっきとは比べ物にならないくらい、凄い顔だった。
「ひいっ」
これからも頑張ります。




