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新入り
テスト期間だから少なめ。
例によって遅い。
ごめん。
《ユータ視点》
「うん、それじゃあ。シル、よろしく」
『了解した、我が主』
「ん、頑張ってね。まあ、言うまでもないか」
俺が言い終わる前に、シルは駆け出していった。
そうそう、大事なことが分かった。
シルはくんじゃなくてちゃんだった。
だから、今はシルちゃん、もといシルと呼んでいる。
ごめんね。
リーダーはオスっていうイメージがあったんで……。
と、考えている間に、俺が隠れている茂みの向こうから悲鳴が聞こえてきた。
ふむ。
やりすぎだ。
止めるか。
と、思ったら。
『ドガッ』
おう。
魔法使っちまいましたか。
頑張りすぎだ。
で、悲鳴。
小さくなってるし、逃げたか。
まっ、いいや。
『じゃあ皆、付いてきてね』
『『『『『御意』』』』』
にしても、念話は便利だ。
声を出さずに伝えられる。
俺が隠れていた茂みを抜けると、そこには白髪の少女が呆然と立っていた。
まじで忙しい。
タスケテ。




