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従者物語② 強欲の息子  作者: yuk1t0u256
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5話 激突

「先手を取らせてやろう。来い」

男はエルミーを挑発する。

エルミーはステータス看破を使うが、看破は妨害され男のステータスは分からない。

(こいつは誰だ? こんな凄腕のスカウトが国内にいるなんて聞いたこともない。国外から来たのか?)

エルミーは相手を図りかねるが、倒す以外に道はない。

(誰だろうとやるしかない。奴よりも俺の方が上だとケンジ様に証明しなくてはならない)

無言で小型の連射クロスボウを取り出し、構えると同時に装填し、動きを予測して3発連続で放つ。

男は胸に飛んできた矢だけをナイフで弾く。他2発は当たらない。

エルミーは次に5発連続で全て男に集中して放つ。今度は男は大きく避け、やはり当たらない。

(対人慣れしている・・俺より経験がありそうだ。奇襲で一気に勝負をつける)

「インビジブル」

エルミーは奥の手を使う。エルミーの姿が掻き消える。

「ほう・・」

ケンジが感心した声を出す。

男はエルミーの姿が消えると即座にポーチから袋を取り出し、中身を周囲へバラまく。

男の周りに白い粉が舞う。

「!」

近づいてナイフで攻撃しようとしていたエルミーは驚愕した。これではインジビブルで近づいても場所がすぐわかってしまう。

あわてて距離を取り、クロスボウでの攻撃に切り替える。

だがあせっていたエルミーの動作は、集中していた男に察知されてしまう。

「そこか!」

男はエルミーにスリングで何か放った、と見えた瞬間に白い閃光が当たりを包む。

閃光弾の目くらましだ。

「うっ」

まともに喰らってしまったエルミーは反射的に顔を伏せ、手を覆ってしまう。

インビジブルが解除され、エルミーの姿が現れる。

そこに男のスリングが再度投擲される。

エルミーは為す術もなく男のスリング弾を頭部に受けた。どうやら中身はしびれ薬の粉末のようだ。

エルミーは懸命に抗うが体は言うことを聞かず、膝をつき、やがて倒れて動けなくなった。

「勝負ありだな」

男が告げる。

「これはもらっておこう」

男はしびれて動けないエルミーからタリスマンを取り上げる。


うつぶせに倒れ周囲を見ることのできないエルミーに、会話だけが聞こえてくる。

「久しぶりだなケンジ。また世話になる。なんだフェリス、お前も使ったのか」

「当たり前でしょ。若いって最高だわ!」

「久しぶりだねキール。先に息子さんが来たから君はこないのかと思ったよ」

(キール!? 相手は親父だったのか。どうしてあんなに若くなっている?)

混乱するエルミーだが声も出せず、誰も疑問には答えない。

「実は息子に任せるか悩んだんだが・・俺にはそんな謙虚なことは無理だった」

「『強欲』にそういう考えがあっただけでも驚きだよ」

「若返る手段があると知っちゃったら、誰だってそっちを選ぶわよ」

「君とフェリスはタリスマンを使ったんだろ? 息子さん、エルミーが持っていたのは誰のかな?」

「リゼロットのやつだ」

「ああ、彼は亡くなったんだね・・。ヒーラー兼タンクなんて見つかるかなあ」

「お前が声をかければすぐ見つかるさ。それにヒーラーとタンク別々の二人でもいい」

「そういえばそうだね。あとはアタッカーだけど、イゼットリーは?」

「奴は行方が知れない。大陸に行った可能性が高い」

「そうか。じゃそっちも新規募集だね」

「アタッカーは私の知り合いにオススメがいるわよ」

「それは助かる。紹介してもらおうかな」


「さて・・エルミー」

キールがエルミーのそばにしゃがみ、声を掛ける。

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