第一章 二話冒険者登録と隠された能力
転移を果たした拓真だったが緑の都マリーサに行き冒険者登録をしなければならなかった。今回マリーサに行き次々と知らされる事実と自分の能力に驚きながらも順応していく拓真に注目!
「今日から異世界生活かぁ〜」
そんなことを呟きながら転生の女神サリアームからもらった一つの剣を片手に緑の都マリーサに足を運ぶ拓真だった。
緑の都の御神木からマリーサまでの道のりはそお遠くはなかった。その間色々なことを考えた。この剣のこと,ギルドのこと,お金のこと,そして言葉は通じるのか,そうゆう不安が次々と頭の中に浮かんで離れない。そんなことを考えて歩いているうちにマリーサの入り口までたどり着いてしまっていた。大きな門に見慣れない文字いかにも異世界の文字だった。
「すみません!誰かいますかぁ?」
おれはダメ元で日本語で話しかけてみた。すると門の向こうから男の人の声が聞こえてきた。
「旅人か?冒険者か?」
俺はその声と言葉を聞いてそっと胸を撫で下ろした。
「訳あってここまできた旅人だ!中に入れて欲しい!」
そう言うと大きな門がゆっくりと開き中から1人の大男が出てきてこう言った。
「ここは緑の都マリーサだ旅人は大歓迎だ」と言い俺を門の中に入れてくれた。中に入るととても賑やかな街だった。人やエルフ,ドワーフ,獣人のような姿の人もチラホラ歩っている姿を見て今更ながら本当に異世界に転移したんだと改めて確信した。俺は隣にいる大男に街について聞いた。
「名前を聞いてもいいか?」
「おう,いいぜ!俺の名はアリサーナ・エドロフトってんだ,お前は?」
「俺は邦枝 拓真って言うんだ。それより聞きたいことがあるんだけどいいか?」
「あぁ,この街のことならなんでも聞け!兄弟!」
「ありがとう,エドロフト!じゃ,この町にはギルドってところはあるか?」
「ギルドの場所が知りたいんだな?なら俺に着いて来い!」
そう言ってギルドの場所まで案内してくれたエドロフト,その途中でも色々なことを聞いた。この国の文字,お金はゴルという単位であること,この世界には魔法があることなど色々なことを事細かく説明してくれた。
「ここがこの街のギルド本部【ガースル】だ,じゃあここからはお前で行け,後は中に入って受けつけに要件を言うだけだ簡単だろ?」
「ありがとう,エドロフトこの恩は一生忘れないよ!それじゃ行ってくる!」
そう言って俺は,エドロフトに別れを告げギルド本部ガースルに走って行った。
中に入るとそこには色々な種族の冒険者たちがいた。だが,俺はそんな人たちを尻目にギルドの受付に目を定めて走り抜けていった。
「すみません!ここにはどう冒険者登録するんですか!?」
俺は目を輝かせながら問いかけた。
「落ち着いてください,冒険者登録は逃げませんよ」
俺を落ち着かせようと,冗談交じりで対応したエルフの女性らしき受付嬢。
「すみません、少し興奮していて,」
「いえいえ,大丈夫ですよ」
彼女から笑みが溢れる。その姿に俺は,何処となくエドロフトと同じ雰囲気がする。優しく,頼りになる,そう直感が感じている。
「私はここガースルのギルド案内所受付嬢のセミル・シルスと言います。気軽にシルスとお呼びください。では,あなたのお名前を聞いてもいいですか?」
「俺の名前は邦枝 拓真って言います。」
「なかなか聞かない名前ですね!はい,クニエダ タクマ様冒険者登録の魔法測定が整いましたので,私についてきてください。」そう言うと椅子から立ち上がり,受付の左奥の扉を開き,こちらに向かって微笑みながら手招きをしている。俺はそれを見て思わず笑顔になりながらもシルスのいるところまで小走りで走っていく。中に入ってみると,外見からは造像がつかないほどとてつもなくでかい図書館みたいな空間があり無数の本が縦横無尽に飛び回っている。すると,シルスが中央にある高さ人2人分ぐらいになる半透明の水晶みたいな石のあるところまで案内してくれた。
「でわこの石に左手をかざしてください貴方に魔法の特性がないか調べます。」
「魔法の特性以外で何か調べるんですか?」
「それから,あなたのステータスと得意魔法がないか調べるんですよ!」
と言いシルスはデカイ水晶の手前にある基板にその水晶のスイッチを入れるかの如く,左手を翳していた。
「では,準備が整いましたのでクニエダ様どうぞ翳して下さい!」
俺は,その言葉を聞き,水晶に手を翳した。すると水晶がものすごく真っ白に光その中に
青色と赤色最後に緑色が浮かび上がってきた。まるで,最初の転移の時と同じ光を見ているようだった。少し光を放っていた水晶は次第に元の色に戻っていっていた。
「シルスさん,これで終わりですか?」
そう聞きながらシルスの方へ目をやると。シルスはとてつもなく驚いた表情で俺を見て固まっていた。
「あのぉ〜シルスさん大丈夫ですか?」
「すみません,大丈夫ですよ。でもクニエダ様はすごいですね!」
「どうかしたんですか?」
「普通なら何も反応が無かったり,出ても一色や二色しか出ないのに,クニエダ様の場合何もない白色が最初に来て後から三色もでるなんて,初めてのことで驚いています。」
「それって,不味いことなんですか?」
俺は焦りながらシルスに問いかけた。
「わからないですけど,今ギルド長に連絡してこっちに向かわせているので少々待って下さいね!」
そう言って大きな水晶の奥にある長方形のテーブルと椅子が置いてある場所まで案内された。椅子に座り物の数秒でギルドマスターらしき格好の人が1人この部屋に入ってきた。
「ゼレスさん!こちらです!」
「君がシルスから聞いた子か!ワシはこのギルドのギルド長ゼレス・アンカーというものじゃ,気軽にゼレスでいいぞ」
「はい!俺は邦枝 拓真と言います。拓真でいいです!それでゼレス!俺の魔力?はなんか特殊だとシルスから聞いたが何かダメなのか?」
「う〜んダメではないが古くからの書物に似たようなことが書いてあってな,」
それは,この世界に突如として現れた異世界人でそのものも魔力測定で白色の光を放ち,何色もの得意魔力があったと書いてあったという。そしてそもう1つ似ているのが名前だそうだ。そのものもまた特殊な名前だっという。俺はその事を聞いて前にも異世界転移した奴がいるんじゃないかと思いシルスとゼレスに自分が日本という国から来たこと,この世界の人間ではない事を話した。
「だから魔力測定の時に白く光った後,
三色の魔力特性が出たんじゃな。しかも,その手に持っている剣凄く強い魔力を感じるんじゃ」
「この剣がですか?この剣はサリアームという女神からもらった剣なんだ。」
「ほぉ,それはまたすごいものをもらったのぉ,ところでシルス,タクマのステータスはどうじゃんたんだ?」
「すみませんマスター,魔力のことで見てないです。今魔力版に登録してきますね!」
説明しよう!魔力板とはこの世界のノートみたいなもので,ものを魔力で書き写したり,冒険者登録や街に住人許可書などの時につかったりするとても便利なものなのだ!それでは,話に戻ろう‼︎
そう言ってシルスは小走りで水晶の方へ走っていった。その間,俺はゼレスと剣のことで話をした。
「俺,剣を使ったことがないんだ。どうしたらいい?」
「それならワシの知り合いに昔剣を教えている者がいるからソイツに稽古をつけてもらえ。」
「ありがとう!ゼレス!」
俺はそう言ってゼレスと握手をした。そしたら水晶の方からシルスが大慌てでこちらに走ってくる。
「マスター!ちょっとこれ見て下さい!得意魔法が三つあります!それと魔力と特殊スキルの場所です。」
「なんじゃこれ!水・火・風の魔法が得意なのか!それに魔力の数値がレベル20の冒険者と同じじゃと!しかもこの特殊スキル,見たことがない…」
そう言ってゼレスは俺に魔力板を見せてくれた。
「本当だ!魔力だけ飛び抜けている!後この特殊スキル,不屈の闘志と眠れる魔神ってなんですか?」
「これはワシにも分からん,ただ一つ言えることはこの眠れる魔神というスキル気をつけた方が良いぞ。」
そう言って顔が強張るゼレス。その姿を不安そうにみるシルス。
「では,このステータスを元に冒険者登録をしますね」
そう言ってシルスが元いた受付まで戻っていった。その間俺はゼレスと共にゆっくりこの部屋を後にした。
「稽古の件なんだけど…」
「あぁ,そうじゃったそうじゃった,このギルドを出て左に歩って行けば少し大きい白色の家があるそこにいるザノ・シュナフォードという者にワシの名を言って弟子にしてもらえ。」
そう言ってゼレスはギルドを出て何処かに行ってしまった。
「タクマ様〜冒険者登録完了しましたので冒険者証明カード【ステーカー】お渡ししますね!」
そう言われ,シルスからカードぐらいの大きさの魔法板を受け取った。
「手を翳すと,本人であればそのステータスが魔法板に現れますので,いつでも確認できますよ。」
「ありがとうございます!今からザノという人に会いにいかなければならないので,またきますね!」
そう言って俺は冒険者証明カード【ステーカー】と剣を握りしめ,シルスに頭を下げてギルドを後にしゼレスが言っていた白色の家を目指して歩いていった。