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其の自由ロック96

「森乃さん、おつかれ様です」


「こんばんは、編集さん。今日は心も晴れるよい日でしたね」


「ええ。ずっと曇天でしたので、よい転機になりました」


「天気だけに」


「ハハハ。それでは二回クビ事件PART7をどうぞ」


これまでのあらすじ


「ゲーム会社」に入ったクマさん。入社4日目、雇用契約書の問題が浮き彫りになる。オラオラオラとのツッコミが功を奏し、入社5日目にしてクビになり申した。ただ、今となっては夜の味噌カツ煮定食が美味しかった、くらいしか覚えてない。そしてクマさんは週末を迎える。


まーったくなんちゅうところを紹介してくれたんや死の奴隷商人はん。土曜日のクマさんの脳内は怒り50%、困惑30%、今日の夕飯何食べよっかなー20%であった。繰り返しになるが、この「ゲーム会社」は法人でなく個人事業主であることがのちに判明する。だが、作者的には括弧を入れるのがメンドクサクなってきたので、以後はゲーム会社と表記する。ご了承いただきたい。


ところで、前回、前々回と個人情報なんちゃらかんたらと言ってきたが、それに関連してひとつ言いたい。このゲーム会社、入口が指紋認証なのである。なのでクマさんの親指・人差し指が指紋採取された。また、社内には監視カメラが10個くらい設置してあって、クマさんの席近くに、ゲームソフトを扱う隣の倉庫の監視カメラの映像をリアルタイムで映す液晶画面があった。なんでクマさん的にはその辺の個人情報が今どう扱われているか気になってる。


思い返せばよく分からん会社だった。指紋認証や大量の防犯カメラを搭載してる一方、社内パソコンの性能は微妙。あちこちにゲームのポスターやグッズが転がってるのに、肝心のゲーム内容はみんなチンプンカンプンというチグハグさ。ゲーム会社という皮をかぶった烏合の衆というのが正直な感想だ。


さて、二回クビ事件と言うからには、一回目のクビは大丈夫だったんでしょ?と想像されることだろう。そのとおり、クマさんは翌週の木曜日には復帰した。その経緯はメンドウなので割愛するが、クマさん流交渉術で死地を切り抜けたとだけ言っておく。


こうして会社に復帰した木曜日、クマさんはすこぶる上機嫌であった。契約書は何かの”手違い”だったんだろーなーとか、どっかの人事系コンサルとかに頼んだら適当な契約書が出てきたんだろーなーとか、これでもかの希望的観測であった。


しかし悲しいかな、順調にみえたクマさんの復帰は、のっけから四面楚歌であった。まさに前門のタイガー、後門のオオカミである。


「はい、今日もクマさんがんばった。月曜日から頑張ったゾウ!クマさんクマさんにおめでとう、おつかれ!」


「あの、自分で勝手にピリオド打つのはどうかと…」


「まあまあ編集さん堅いこと言わないイワナイ。それでは次回予告です!」


〈躍動感あふれるBGMが流れる〉


《100メートル5秒台のクマがいるとゲーム会社にクマを売り込んでいた死の奴隷商人を軽やかに越えてくる「クマクン、100メートル1秒で走ってね」のワニさん!舞台裏に仕掛けられた数多の罠!いったいぜんたいどうしてこうなったラマさん!「人が変わる」は比喩じゃなかった!立ち替わり入れ替わりの「中の人」!人間の定義が根本から崩れる超不思議体験!次回(次々回?)、「クマの戰い」!!!》


〈つづく♪〉


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