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ちょうしん!!  作者: 08
4/14

158.7センチⅡ


「だりぃ…」

思わず声を漏らす高広。彼にとって本当に授業は憂鬱だった。普体(普通体育)とか数学とか実戦理論とかは嫌いじゃない、というか好きな授業ではあるが、特体(特別体育)やこれから行われる超実(超振実技)などは忌むべきものであった。

「なーに辛気臭い顔してんのよ、毎日のことなんだからそろそろ慣れなさいよ。」

「ヒロくん…好き嫌いはダメ」

「とは言ってもなぁ…」

どうしてもため息が漏れる。職員室謎の大爆発でも起こって授業中止にならねぇかな、とありもしないことを願いながらしぶしぶ身を起こし教室を出る。両隣には二人、だからこの配置はいやなんだって…そいや俊はどこいったし、という声は高広が思っているよりずっと小さな声で発せられた。





さて、ここらで二人の女子の紹介をしておこう。


まずはエマ。本名はエマヌエーラ・なんたらかんたら、全部は覚えてない、つかちゃんと教えてくれたことがない気がする。(高広談)

流れるような白銀とも呼べるような色の銀髪で、前髪パッツン。気が強そうな切れ長の目、雪のような白い肌、メリハリの効いたボディ、外人特有のスラリと長い脚をもつ彼女は、贔屓目抜きにしてもまごうことなき美少女である。好きな子に、ついついしちゃうちょっかいなのかなんなのか、なにかにかけては高広を攻撃している。つか縮めようとしている。肘を載せたり上から垂直に殴ったりのしかかったり。高校に入ってからさらにそんなことが増えたと高広は言うが真偽は不明。小さい時から数えるのも億劫になるほどやってるしね。

とりあえず重いからやめろって言ったら殺されかけた。と高広は語る。女子にとって体重の話題はデリケートなんです。特に彼女みたいな背の高い人は。


高広との付き合いはかなり長い。二人が4歳の時に高広が親の都合でドイツに渡った時知り合った。高広の父とエマの父親が旧い仲らしく、なんやかんやあって今までずっと一緒に育ってきた。小学4年の時高広が日本に帰る時は、エマの家族も一緒に日本に。今は子供を置いて海外出張中。家族構成は両親と姉妹。エマは妹である。高広の身長はそんなに育たなかったがエマはぐんぐん背を伸ばし、今や185センチオーバーである。

神はおんなじ育ち方をした二人にどうしてこうも不公平なのか、いや、おれの伸びる分を吸い取られたとしか思えん。いつかあいつを見下ろして頭でも撫でてやるとしよう。(高広談)


基本的になんでも卒なくこなし、苦手なものはあまりない。ただコーラが飲めない。ちなみに理由はコーラの飲み過ぎでエマのお父さんが太ったこと。エマの頭にはコーラは人を肥大化させる悪魔の飲み物だとインプットされたらしい。



次に小春。フルネームは小森小春。

またなにかを狙ったかのように小さい名前と、これまた狙ったかのような長身。エマほどではないにしろ女子にしては十分な高さである。


ボブ、にしてはちょっと長めの、黒、にしてはちょっと茶色がかった髪、前髪は切りそろえられて眉毛にかかるかかからんかくらい。気の弱そうなタレ目と、エマほどではないがこちらもなかなかのスタイル。抜群というわけではないものの長身というだけでなかなかのものになるものである。胸も平均を上回るくらい。


あまり喋らない無口な彼女だが意見の主張はしっかりする。あのエマと正面から張り合ったりする。人は見かけに寄らないね。


高広が小4で日本に帰って来た時のクラスメイトで、二番目に喋りかけた人間である。ちなみに一人目は俊、一匹目は亀。エマと仲良く談笑してたのがきっかけだ。ちなみにその時の話の内容は背が高いことへの不満。そのころからだいぶ他より背が高かった彼女らのその話の内容に、高広はヘソを曲げたという。


なにかにつけてエマの後手後手に回っているような小春ではあるが、一つ、エマどころか誰にも負けないような特技をもっている。

それは”合気道”である。

小春の家は代々合気道の道場だ。小春はあのボーっとした雰囲気から、何かと絡まれることが多かったので、親父さんが稽古をつけてきたらしい。もともと才能があったのかメキメキと力をつけ、今や敵なし状態だという。一度その実力を見て見たいと思っている高広だが、その相手が俺じゃありませんようにと願ってやまない。


なにがあっても反応が乏しいので好き嫌いなどを周りは全然知らない。いつか小春の表情を読み取れるようになりたいと高広は思っているがまだまだ時間がかかりそうだ。


家族構成は両親と弟が一人。日本生まれ日本育ちで家計も全部日本人。



最後に、苗木俊についても少し触れておこう。彼は何を隠そう第三次世界大戦で名を馳せた苗木 憂の実のひ孫である。超振の才能にはある程度遺伝が関係するというのが現在の通説であり、事実、俊の父や祖父は名のある軍人として今も現役で働いている。対して俊は…正直言う程の才能はない。ただ彼は超振についての研究の第一人者だった。小さい頃、俊は超振の才能に恵まれていないと考えた俊の父親が、研究の道に進ませた。実際俊にはそっちの才能があったらしく、中2の時、『超振と体温の関係』をテーマにした論文を発表した。ただ世間体があるためこれらのことは一般には知られていない。高広たちがその辺のことを把握してるのは俊はなかなかおしゃべりだからである。いっつも忙しそうにしてるのは仕方ないことだろう。


こちらも高広との出会いは小4、それからはいつも4人でつるんでる。高広も俊もこの学校にはギリギリで入った。かなり危ないところだったらしい。



閑話休題


キョロキョロと俊を探して見たが見当たらない。また生徒会の仕事だろうと考えて、高広はとっとと次の授業に行くことにした。


「タカー早くしなさーい」

「はいはーい」


エマを先頭に高広達は超実の教室へと向かった。


高広目線と第三者目線、両方やってくつもりです。気にしないでね☆

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