表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

夢現

「お母さんの名前ね、こんな話があるの」

「どんなお話?」

五歳になる娘を残してしまう不安が、心のどこかにあった。

「それはね、短い命でも、最後まで一生懸命光っていてほしいって話」

私は少し得意げに話す。

キィッと音がして、たくみさんが部屋に入ってくる。

「…本来なら私はもう、天国へ逝っていても、おかしくない体なの」

拓さんが私の隣に腰掛ける。

「あなたと出会えたこと、そして、紅葉を産めたことは、キセキなのよ」

「…急にどうしたんだ?」

静かに拓さんが問う。

私は少し話をずらして答える。

「あのね、昔母に聞かされた話が二つあるの。」

拓さんは紅葉の頭をなでながら聞いた。

「へぇ、どんな話?」

私はまた、得意げに話す。

「それはね、私の名前の由来と、お月様のお話」

「おつきさま?」

紅葉が私を見上げて尋ねる。

「そうよ、お月様。紅葉は好き?」

「うん!大好き!」

無邪気な紅葉をみて、つい口元がほころぶ。

「お月様に、目を閉じて心の中で、たった一つの叶えてほしい願い事を言うのよ」

「…すてきだな」

拓さんが微笑みながら言う。

私もうれしくて、一緒に微笑む。

「そうね。このお話がとても大好きでね。…じゃぁ、今から語ってあげる!よぉく、聞いててね!」


そして、私は語りだす。

月と太陽の、小さな物語を。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ