◆無能な能力
朝 目が覚めて、カーテンを開けると、日本に帰ってきたんだと実感が湧いてきた。
「さて、色々始めるか!」
遊んでいるわけにもいかないので、まずは予備校に行く、その後バイト先を探す。
基本は、その2つ。
とりあえず、必要書類をリュックに詰め込み、出発!
意外と目的の2つはすぐ見つかり、夕方には、自宅に戻ってこれた。
家に帰って晩飯のコンビニ弁当を広げてると、玄関のチャイムが鳴り、いそいそとインターフォンを手にとった。
「はい」
「田中です。」
「あっ! 今 開けます。」
来客は、田中かなえおばさん、母の元同僚で、母の学生時代からの親友との事、
昔はよく家族総出であちこちよく遊びに行った記憶がある、そう言えば、
僕より2歳年下の娘さんがいたよな・・・。
「久しぶりね、お父さんのこと弁護士さんから聞いたわよ。力を落とさないようにね。」
「有難うございます。」
「ところで昨日帰って来たんだって?」
「そうなんです、今日は予備校やバイト探しで、一日うろちょろしてました。」
「杏子ったら、昨日見かけた。って今日、言って来たのよ。もうびっくり」
えっ! 杏ちゃん?
「マンションのロビーで、靴紐直してるところを見かけたって!」
あっ、あの時、そう言えばエレベーターで、扉に靴ひも挟んで転けそうになってたのを、
何とか回避したんだっけ。
「そう言えば、杏ちゃんは、もう高校生ですよね?」
「そうそう、来年受験生だから今から勉強がんばりなさいって言ってても、全然!」
「ハハハ・・」
「笑い事じゃないわよ、ほんとに!」
「良太くんは、大学は?」
「アメリカと日本じゃ学期が違うので、今年は浪人です。」
「今日、予備校に申し込んで来ました。」
「さすがね、見習ってほしいもんだわ。」
「あ、ついつい長居しちゃったわね、晩ご飯多めに作ったから、これ食べて」
ってトレーを渡された。
「ありがとうございます。」
「それでは、何か用事があったら、連絡頂戴ね」
「ありがとうございます」
コンビニ弁当は、賞味期限が明日の昼か?冷蔵庫にしまっておこう。
「さてと、いただいた晩ご飯を食べるとするか!」
いただいた、お鍋を洗いその後シャワーを浴び、リビングでくつろいでると、どうやらそのまま寝落ちしてしまった。




