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安寧求むる君たちへ  作者: 形而上ロマンティスト
第二章:惑星イルシャー

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ガイド

 全ては順調に進んでいる。そう思っていた俺たちに対し、想像だにしなかった言葉が突然先生から言い渡された。

 その衝撃にその場にいた全員が先生の方を振り向く。


「…先生…今なんて…?」


「いや〜、だからね〜、湖のお水、あるだろ〜?あれ、飲めない可能性高いんだよね〜」


 先生の軽いノリとは裏腹に、言い放たれた言葉は絶体絶命の危機を示す。

 それは俺たちのイルシャー生活におけるとんでもない死活問題だ。


「!?先生!…なんでそんな大事なこと今まで黙ってたんですか!?」


「いやそんなに怒らないでくれよリーダー、ただ言うタイミングが無かったのさ〜。ほら、お前らもついさっきまで猛獣狩りで大変だっただろ〜?」


「先生、あの水飲めないっていう理由はなんなんっすか?俺たちが先生を手伝ってる時は先生も自信ありそうだったっすよね…?」


「うん、そうだね。検査の調子はずっと良かった。君たち3人が外で楽しんでる間も、俺はあの手この手で殺菌と水質検査試みてね?とりあえずできることを一通り終わらせてから期待を胸に顕微鏡で覗いてみたのさ〜。するとね〜?ところがどっこい、水中にはこれっくらいの小さな点々が信じられないくらいうじゃうじゃ蠢いていたのさ〜。あれには俺も思わず『ヒャぁ』って声を漏らしたよね〜」


 そう言って先生は人差し指で丸を作り、その大きさを再現してみせた。

 それは顕微鏡であってもかなり小さく、それでも生物たらしめるには十分な大きさのように見えた。


「水中の微生物…。我々の持つ道具ではそれが何か判別できなかった…ということですね…?」


「まさしく、だよ、ニル。水中ってのは微生物の宝庫だ。別に湖水の中にちょっとやそっと微生物がいたって、全く問題ない。問題なのは、その脅威的な生命力。煮沸しても残ってるってことは、なんらかの方法で熱耐性を持っているとしか思えないね〜。」


「ね、熱しても取り除けないとなると…次はアルコール殺菌の類でしょうか…?」


「正しい。けど、アルコールは僕たちも飲めないわけだから、その後に再度加熱処理を施す必要があるわけだ。まぁまだ俺も試していない殺菌方法があるから、この会議が終わり次第早急に取り掛かることにするよ。でも心構えだけはしておいてくれ。安全な水が確保できなければ、俺たちの冒険はそこでおしまいだよ。」


「じ…じゃあ…、僕たちもうここに残れないの…?」


 リタは悲しそうに俯いた。ついさっきまで調子よくサバイバルを進めていたのに、急に打ち付けられた非常な現実。

 その隣、アスヤーくんの顔も少し寂しそうに翳った気がした。


「っていうかちょっと待って、たとえその生物を処理できなくても、うちらの体に害がなければ問題ないんじゃないの?ここの原生生物だって、水は生きるために必要なはずでしょ?」


「そう、いいところに気がついたね、アティーテ。まだあの点々が本当に生物なのかそうじゃないのか、細菌なのかウイルスなのかまだ何も分かっていない。だけどそれなら、それを飲んでいる、あるいは飲んだことのある人に聞けばいいじゃないか。」


 そう言って先生は俺たちに向かってニヤリと笑ってみせ、アスヤーくんの前に出て身を屈めた。


「アスヤーくん、君、この辺の水、飲んだことあるかい?」


 するとアスヤーは苦虫をすり潰したような顔で俯いた。


「はい…。ですがそれもずっと前のことです。一度だけ喉が堪らなく乾いていた際に湖の水をそのまま口にしました。ですが、それから数日の間腹痛と嘔吐に苛まれ、それはあまり思い出したくない思い出です…」


 彼の顔からも、それは並々ならぬ拷問であったことに嘘はなさそうだ。


「ふ〜ん、なるほどね〜。ありがとうね、アスヤーくん。」


 先生は何やら考えを巡らせているように立ち上がり、そのまま肘に手を当て顎をなぞりながら宙を眺めた。こうしている時の先生はいつも少しだけ怖く感じる。


「いや、でも待てよ?水無しならお前どうやって生き延びてきたんだ!?流石に水は必要じゃね!?」


 生じた少しの間を埋めるようにサハが大袈裟な声を出してアスヤー君に尋ねた。


「はい…これまたお伝えしそびれていてすみません…。僕、水分は基本パラのような果物か、クリミを食べて凌いできたんです…。」


「なんと…!たったあれだけの水分量で凌いできたのですか…!?」


 ニルも驚いたと言う顔だ。


「はい、でも大丈夫なんです。僕、元々少食ですし、体も小さいからあまり水分を必要とはしない体なんです。」


 そう言うと彼はこちらに向かってニコりと笑って見せた。


「で、どうするよ、シャンティ?聞く話によるといよいよ飲み水を確保できない可能性が出てきたぞ。」


「うん、そうだな…。水の確保が厳しいとなるとここに滞在するのもリスクになる…。ルシャ、イルシャーから次に俺たちが降りたてる最も近い惑星まで、どれぐらい時間がかかるかとか覚えてたりするか…?」


「は、はい、えっと…ざ、ざっくりですがさ、三ヶ月ほどだったかと…!」


「三ヶ月…。それならまだ食料は水分含めて間に合うな…。なら…」


「待てシャンティ、」


 サハが眉を顰めて言う。


「もし、その先でも水が飲めなかったらどうするんだ…?」


「そ…その時は…」


 俺は言葉に詰まった。

 その質問に、自信を持って返答できなかったのだ。


 この世の中、可能性の話ならいくらでも考えることができる。

 次行く惑星には文明が築かれているかもしれないし、ここのように草木に覆われる自然かもしれない。

 飲み水が簡単に手に入るかもしれないし、難しい、あるいは不可能なことだってあるかもしれない。

 かといって、この星に留まることだってどちらに転ぶか分からない。

 最悪の場合、この星に長居したせいで次の惑星に着くまでに飲料水切れを起こすかもしれないのだ。


 早く出るべきか長く残るべきか、終点を見失い堂々巡りに続く思考はシャンティの判断能力を鈍らせる。

 その僅かな沈黙をも判断の催促をしているようでシャンティの精神に負荷を与え、焦りで脳内が真っ白になりかけたその時、その場唯一の大人が彼に救いの手を差し伸べた。


「そうだねサハ。思考がちゃんと隅々まで行き渡っていていいよ〜。そしてシャンティ、簡単に答えを出さないそれも、正解だ。君の発言にはリーダーという責任が乗っかるからね。そこで、君たちよりすこーし長く生きてきた先生から助言だ。」

 

 先生は人差し指を立て、穏やかな表情で続けた。


「今最も重要なことは水源、および飲み水の確保。今の俺たちは、水源の確保はできているが飲み水の保証ができない状態。かといって、さっきルシャも言っていた通り俺たちはまだ飲み水精製のために全ての手をやり尽くした訳じゃないだろう?たとえここで焦って次の惑星に行っても、そこでは水源の確保から再スタートだ。だから俺は、この星にもう少し滞在してここの水について調べることは無駄じゃないと思うよ。」


「でも先生、そー言ってここでぐだぐだして何も発見できなかったらどうすんのよ?」


「だからこそ『もう少しの』滞在さ。さあ、ここで君に戻すよシャンティリーダー。君は俺たちがあとどれくらいここに滞在するべきだと思う?」


 皆の視線が再度一点に集まる。

 いつまで経っても慣れないその視線に耐えながら、シャンティは先生からもらったパスを必死に繋ぐ。


「じゃあ…とりあえず、二週間やってみよう。今から二週間以内に解決の糸口を見つけられなければそこで打ち切り、ここを立つ。もし何か案ができてもっと時間が必要になるんだとしたら、そこから適宜延長するようにしよう。」


「賛成だ。さっき先生が言っていたように、俺はここを出るまでに実践的な訓練を受けておきたい。比較的安置となる拠点がありつつも野生の猛獣で実戦経験を積めるこの環境はすぐに去るには勿体無いからな。」


 アシュが賛同の声を上げるに続き、ニルも口を開く。


「そうですね。二週間、色々試してみるには十分な時間だと思います…!ですが問題はこの中で誰がその研究を行うかです…。先生お一人で私たちの訓練と水の研究、どちらも進めるというのはかなり難しいでしょうし…」


 その時、正直意外な人物が手を上げた。


「わ、私…!…が、そ、その研究…やってみたいです…。」


 見切り発車に発した声は緊張が後から追いつくようにだんだんと小さくなっていき、それに釣られてあげた手も徐々にその高度を低くした。


「おおルシャ!!お前できんのか!確かにお前化学得意だもんな!」


「ルシャ、一応リーダーとして聞いておく。なんで名乗り出てくれたんだ?」


 ルシャは少し間をおいて言葉を考えた。


「わ、私、む、昔から化学研究に興味あったんです…!せ、成果を出せるかわかりませんが…せ、せっかくなので全力でやってみたいんです…。」


 意欲ある言葉とは裏腹に少し強張った表情のルシャ。

 普段、ルシャはこういった重役を選ぶ際に自ら進んで名乗りを上げるタイプでは無かった故、シャンティはその表情を彼女の覚悟と受け取った。


「分かった、正直ありがたいよ。俺らの中でそういうことができそうなのはお前とニルだけだったからな。ニル、お前も忙しいとは思うが時間があったらルシャを手伝ってくれるか?」


「もちろんですとも!私はいずれにせよ食品の安全吟味をする予定でしたので全く問題ありません!ですが、ルシャさんが主導なら恐らく私の手もいりませんよ!」


「パーパも!パーパもウシャ手伝う!!」


 ルシャの左肩に乗ったパーパがこれ見よがしに主張する。

 その表情(?)は相変わらずよく分からないが、そこはかとなく誇らしげな気がした。


「すっげぇ!ルシャ、まじでパーパに好かれてんじゃん!いいなぁ〜俺も相棒欲しいよ〜」


「お前はうるさすぎてパットラには不評だがな。」


「そんなこと言うなよ〜!」


 こうして、俺たちはとりあえずあと二週間ほどこの星イルシャーに滞在することに決めた。

 

===

 二週間滞在すると決めた日から既に数日が経過した。

 あれ以降、初日のテント分けでできたグループのまま作業を進めることが多くなり、アティーテ、リタ、ニルが担当する調理班、俺たちシャンティ、サハ、アシュの狩猟班、そして残りのルシャ(とパーパ)が飲み水の研究をするという毎日退屈しない日々を送っていた。

 その日々はやることこそ尽きないが何かに急き立てられているわけでもない、いわゆる有意義な生活というものであり、俺は正直この暮らしを気に入っていた。

 きっと、これくらいのスピードの方が人生は楽しいのかも知れない。


 現在、研究の方は少し停滞気味な様子だ。

 と言うより、きっとスタートダッシュが猛烈だったのだ。

 研究を開始してすぐ、ルシャはいくつも重要な発見をしてくれた。


「せ、先生、これ見てください!」


「ん、なになに〜?」


「こ、この構造、あの水中微生物の形に似ていませんか…?」


 そう言ってルシャは先生に顕微鏡を覗かせた。


「うーん、そうだね〜、確かにフォルムの外縁がすごく似ているし大きさも同じくらいだ。でもなんか中身がスカスカだね…?」


「そ、そうなんです!こ、これは先ほど皆さんが狩ってきてくれたクマ肉の一部を顕微鏡で覗いたものなんです。で、ですから、もしかすると、こ、この星の原生生物は水中の微生物と体内で共存しているのかなって…。」


「なるほど…、確かに面白い説だね〜。例えばこの点々が微生物の抜け殻で中身がクマさんのどこかに行ったとする。だとすると、このクマさんの体はそれ自体がこの微生物ありきで構成されていることになる…。その場合、俺たちの体じゃその微生物本体と共存できないから体が拒絶反応を起こすって説明ができるか…。」


「はい!さ、さらに、この抜け殻、実はクリミにも散見されたんです!」


「なんと!それは本当かい!?」


「はい!で、ですからもしかすると、す、水中の微生物を抜け殻状態にすることができれば私たちの体に悪影響を及ぼさないかもしれません!」


「これは朗報だ。アスヤーくんと俺自身の体でクリミが人体に害をなさないことは検証済み。さらにその理論でいくとこのクマ肉も食して大丈夫な可能性が上がった訳だ。」


「こ、湖水に住む微生物の影響に関しては…ですが、はい!ほ、他に変な細菌等がないのであれば十分食用に使えると思います!!」


 彼女の説はズバリ的中し、あの日俺たちが死闘の末獲得した戦果はどちらも食用に適しているとニルの慎重な吟味の末に確かめられた。

 とはいえ、これらの肉はどちらもクセが強かった。鹿は匂いがキツくて身も硬い、それでいて脂身は極端に少なくほぼ赤身の部位しか無い。

 一方熊肉はその逆で脂がいたるところに差さっており、その猛獣臭さは折り紙付きでちょっとやそっと香料をまぶした程度では一切主張を和らげることはなかった。


 そこで一役買ってくれたのが料理班のみんな。特にアティーテの知識とリタのチャレンジ精神のおかげでそれらは段々と食べられるものになっていき、今では普通以上のご馳走となり毎日ご飯を待ち遠しにしている自分がいる。

 調理班の活躍はそれだけに留まらず、彼女らはその二種の肉を長期的に利用できるよう保存食に加工した。

 鹿の方は味付けよくジャーキーにし、食べると言うよりかはしゃぶる感じになるのだがそれは素晴らしい出来だった。

 クマ肉は脂封と燻製に分け、それぞれ中、長期用の食料として宇宙船倉庫に蓄える。

 加えて、宇宙船付近で採れた新鮮な鹿肉をその場で真空にし冷凍保存することで保存食ほどとまではいかないまでも十分長持ちする蓄えとして加工できたのは脂分が少ない鹿肉だからこそだという。


 各々の班が次々に成果を上げる中、俺たち狩猟班だって決して負けてはいない。

 あの日の狩猟以降、皆が自らの未熟さを痛感し、ゆくゆくは先生のように一人でクマを倒せるほど強くありたいと熱心に訓練を続けている。


 先生のナイフ術はどちらかと言うと体術の面が強く、いかに体を早く滑らかに、そして最も威力の出る振り被り方をするかという基礎面を絶賛叩き込まれている最中だ。

 その成果もあってのことか、先日は先生の補助無しで鹿を狩猟することに成功したんだ。



 そうして日々は瞬く間に過ぎ去って行き、イルシャーに降り立ってからまもなく十日が経とうとしていた。


 その日、みんなで昼食を終えた後、俺は昼下がりの暖かさがピークに達しつつある拠点周りの見回りをしていた。

 この見回りはアスヤー君が一人だった時から毎日必ずやっていたことらしく、あくまで拠点周辺の安全と小さな異変等を早期発見するために行なっていることらしい。

 ある程度鍛錬を積み原生生物の行動も理解してきた俺たち狩猟班はアスヤー君の代わりに見回りの役を引き受けることにしたんだ。


 それに関連することとして、俺たちとアスヤー君との距離感にも変化があった。

 最近は彼も自分のことをよく話してくれるようになり、お互いのことをより良く分かってきた気がする。

 特に先日、アスヤー君が自分の過去について話してくれることがあった。

 本人曰く、アスヤー君はある日突然、この森の中で目が覚めたという。

 それ以前の映像記憶は全くなく、ただ言語や歩き方など身についた技能だけなぜか問題なく行えたらしい。

 その話を聞くに、彼はある種の記憶障害を患っていることに間違いはなさそうだが、一体なぜそのようなことになってしまったのだろうか。

 まぁとりあえず、初対面の時に抱いていた彼への不信感は今やとうに消え去ったと言っても過言ではない。これも一種の進捗だろう。


 と言うのも、アスヤー君は森の中で目が覚めた時からずっと一人で暮らしてきたらしい。

 唯一の友達はパットラ族の奴らであり、彼らとの出会いはまさに俺たちのものと同様、一人寂しく森を彷徨っていたところパットラの甲高い声が聞こえたのが始まりだという。

 それからどれだけ長い期間ここで生活してきたのか、彼自身でさえ見当もつかないらしい。

 きっと、変わり映えのない単調な日々を無意に生き続けるのはさぞ苦しかったことだろうと思った。


 そういやなんでかは分からないが、その話を聞いている間ずっとサハが興味なさそうに聞いていたのが記憶に残っている。アイツ、こういう話好きそうなのに、案外興味なかったのかな。


 そんなことを思い出しながら見回り範囲内を適当に散策していたところ、視野の端に何やら物影が動いた気がした。


 俺の思考は過去から今に引き戻され、咄嗟に顔を違和感の方へと向けた。

 ここは森の中。太陽の位置によって草木の影が大きく長さを変え、ちょっとの風で森全体が呻くように音を上げる環境。先ほどの影は気のせいだったかと視線の先に何もいないことを受けて気を緩めたちょうどその時。


 ガサガサガサ


 木々の奥、こちらの視線に一度止まった動きが俺の緊張が解けた瞬間再度揺れうごいた。


「だ…誰だ…!!」


 俺は体を影の方に向け思わず声を荒げた。

 ぼんやり浮かぶその影はおおよそクマや鹿のそれではなく、はたまた俺たち人間や動植物とも違う、全く別の生物のようだ。


 その影は俺の声に反応し、また動きを止める。

 その角度から、相手もこちらを見つめているのだと肌に伝わってきた。


 それがいるのはより深い森の中。

 高い木々が太陽光を遮断しその全貌が掴めない。

 じっと流れる沈黙の間、俺は警戒心をマックスまで高めた。

 しかし、それは俺の想定していたどの動きとも異なる動作をした。


「(…今のは…お辞儀……?)」


 その影は頭部と思われる部分が前に傾き、それはまるでお辞儀のように見えたのだ。


「(…いや、まさかな…今のは敵意の合図かもしれない…警戒しろ、俺!)」


 一瞬呆気に取られたが即座に立て直し気合いを入れた俺に対し、そいつはそのまま視線を俺から外した。

 そして頭部と思われる部分をこちらに向けては森の奥を指し、それを交互に行き来させながらその影は一歩一歩森の奥へと足を進める。


 俺にはその動きが俺を案内しているように見えた。

 まるで、「こっちに来て」と誘っているような、だけどもそれには殺意や敵意は無く、何かもっと純粋な歓迎のようなものに感じたのだ。

 理性が「こんなもの、間に受けるな」と警告する中、俺の体はその生き物の方へ吸い込まれるように足が進む。

 理論では説明がつかない何か精神的なものがそれは危険じゃないと確信していた。


「(これで罠だったら俺死ぬんだろうな…)」


 俺は見回りの任務を道端に放棄し、その影の跡を追った。

〜イルシャー豆知識その7〜

 ルシャは癖毛が特徴的な女の子。

 身長は150センチほどしかなくA組のなかではリタに負けて一番小さいぞ!

 運動はあまり得意な方ではないが勉強はニルの次にでき、特に化学は彼女の得意科目だ!

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