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6話

とうとうやって来てしまった。合格発表の日が…!

今、ルーカスの目の前にある手紙をひらけば合否が判明してしまう。

アルトス夫妻の祈りの言葉をbgmにしてきっちりとされた封を切る。

品のある花の装飾が施された手紙をそっと開くとそこにあったのは


合格 の文字だった。


合格したのだ。あのリュケイオン神学園に。


「合格…しましたっ!」


あまりの嬉しさに震える声で背後の二人に告げる。


『やったああああああああ!』

「すごいぞ!ルーカス。本当によくやった…!」

「今日はご馳走にしなくちゃいけないわね!」


大騒ぎだ。

その日の夜はアルトス夫妻にベタ褒めされながら、ささやかなお祝いのパーティをした。

心なしか、いつも美味しいクリームシチューがもっと美味しく思えた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次の日からルーカスは入学の準備を始めた。

まずは制服や杖を揃える。

制服はリュケイオン専門の仕立て屋があり、そこにオーダーメイドする。

制服には幾つが種類があり、正装はシャツにベスト、そしてコートだ。スラックスかスカートは任意で選択可。

シャツ、ベスト、コートはそれぞれ白か黒か選べる。

ここにネクタイ・リボンをつけると完成なのだが、それらは入学式の寮分けの際に量ごとのイメージカラーのものが支給されるようだ。

品のあるデザインのそれをルーカスはひどく気に入った。

学園の名声に相応しいそれを着る日が今から楽しみでならないのだった。


杖は神力を使う上でとても重要な要素だ。

杖は人間が力を使う時、大きな力に押し潰されないよう、代わりに神を降ろす役割を果たしている。

そのため、自分と相性の悪い杖を選んでしまうと神力の力を制御できず、暴発してしまう可能性がある。

だから神術を極めた人の杖はパーツの一つ一つを自分と相性が良いか確かめたものを使う。

もちろん素材によって特性があり、生きているうちに新しい素材と出会い、杖のパーツを変えるということもない話ではない。

相性が良い、というのは素材が持つ神力のかけらと己の持つ神の運命が呼応し、反応を起こすことで判断する。

ルーカスが選んだ素材は月桂樹とヘリオライト、鷹の羽で、ヘリオライトを中心にして鷹の羽と月桂樹で囲ったような構造になった。外観は木で編まれたようにしか見えず、長さはおよそ20センチと言ったところだろうか。

試しに持ってみると手にスッと馴染む。今日からこれがルーカスの相棒である。


学園は寮制で、ベッド、クローゼットなどは備え付けのものがあるがそうではないものがあるので

生活必需品を持っていく必要があった。

入浴グッズや歯ブラシセット、ある程度のティッシュなどなど…。

詰めていくと思ったよりも荷物が多くなってしまったが許容範囲内だろう。

数日に渡った入学準備もやっと終わりだ。


数日後、入学式の日。

寮に持ち込みの荷物は前日に学園へ送ったため、ルーカスは新品の制服と杖だけを持って家を出た。

アルトス夫妻も今日は店を休みにして入学式に参列してくれるとか。

やはり優しい人たちだ。

学園へのいろんな期待を膨らませつつ、ルーカスは学園へ向かったのだった。

杖のとこはざっくりいうと電気抵抗的な話。

個人の持つ神力の特性によって一番力を活かせる素材が違くて、パーツの組み合わせで力の効率も変わってくる。

つまりより電気をより効率よく使えるようにしてるみたいな解釈で行くと良いかも。

ちなみに、大半の人が1等か2等の神学園を卒業してるから、みんなその時に使ってた杖を日常で使ってる。

神学園の前に初等学校があったりするけど、神術について学べるのは神学園でだけ。




杖を定期的にメンテナンスする神力の強者たち…ちょっとシュールか?

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