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2話

神学園では神力の使い方を教える。神力をうまく使えることは神への信仰の強さと同義だと考えられる。

そして、神力が強ければ強いほど…つまり信仰心が強いほど神は人間に目を向けるとされているため、

人々はこぞって己の神力に磨きをかける。

また、神力の弱いものは信仰心の薄い、神に見捨てられた堕落者として差別されている。

神力をより美しく扱うために編み出された技を体系化したものを「神術」と呼び、いくつかの流派に分かれている。

それは個人の得意とする神力の扱い方に合わせて分けられる。

破壊することに特化した流派もあれば、生命を育むことに特化した流派もある。

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ルーカスは意気揚々と家から出たは良いがこの後のことを考えると足取りは少し重くなった。

それはなぜか。

ルーカスは今日、リュケイオン神学園というリトホロ内で最高峰の1等学園の入学試験を受けようとしている。

神学園には全ての人間に門が開かれているものとそうでない者があるのだが、

神殿から一定の能力を認められて資格を与えられた人間が教えるのは2等神学園、

神殿の「イロアス」が直々に教鞭を取るのを1等神学園と呼ぶ。

1等に行けるのは入学試験に合格できたごく一部のものだけだ。

リュケイオン神学園は1等の中でも最難関と言われる学園で

入学試験も凡人には想像できない奇想天外なものだという。

ルーカスの神力は決して弱いものではなくむしろ人より強いくらいであったが、

流石に最難関の学園を受験することには緊張していた。

緊張を和らげるように心の中でおまじないを唱えつつルーカスは歩いた。

そうしているとあっという間に試験会場のリュケイオン神学園の本校舎に着いてしまっていた。

重厚感のある石造りのそれは神殿とはまた違った威圧感を感じる。

校門で受験書を提示して入校許可証をもらう。


「すごい…。」


ほぅ。とため息をついてしまうほど美しい外観の校舎の中へとルーカスは足を進めた。

校内には歴代のイロアスの肖像画が飾られており、

ルーカスはそのうちの一つをじっと見つめて呟いた。


「きっと…貴方みたいになる。」


小さいけれど揺るがないその決意は静けさに吸い込まれていった。

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