プロローグ
ここは神に愛された土地、リトホロ。
神々からの祝福により豊かな生態系を持つ美しい場所である。
この地を12柱の神が見守っており、その神々がこの地を作り上げたと言われている。
それ故万物が神々の力の片鱗を持ち合わせているのだ。
神々の一番の造物である「人間」たちはこの力のカケラを神力と呼ぶ。
人間は神々を信仰していて神力を神々からの贈り物と捉えている。
神力には様々な種類があり、炎を操ったり鳥の囀りを運ぶ風を吹かせたりするものもあれば、自身の姿を変えるものもある。ほとんどの生き物がこの力を使うことができるが、人間はさらに特別な力を持つことがある。それが「天神力」だ。
「天神力」は人間が神力の極地に達した時、神からの一瞥により与えられる特殊な能力で神の力の一部を分け与えられているとされる。
例を挙げるとしたら、美の神に一瞥されたものの天神力は人々に愛を広め、生命の力を強化するといったものになる。
この力を持つものは選ばれし人間として「イロアス」と呼ばれ神の代理人という立ち位置で人々を導く。
多くの人はこの地位に憧れ、将来そうなることを志す。
こうした人を指導するのが神学園でありリトホロの地に多く存在する。
ここより始まるは神学園のある生徒たちによる神力追求の物語である。