説明と選別
「根絶やしって…」
尊が少し脅えている…
まぁこのような説明をされたら誰でもそうなる
「今は魔族と人間で争いが起きている、
魔族は魔王の指示によって我ら人族の領地に踏み入れ
人と争い強奪し踏みにじる
そして領地を支配していく」
惨い話だ
僕はそんな争いとかには参加したくは無い。
怖いし 何より争い事は好きじゃない
「協力して欲しいと言ったが君たちには勇者という者になってもらう必要がある」
勇者…?
勇者ってあの勇者?
異世界転生系とかによくある世界を救うヒーロー?
「そのために今から選別をしなければならない
を1列に並んでくれ」
僕たちは言われるがまま1列に並んだ
神父さんが険しい顔をしている
こちらには聞こえない声で何かを呟いている
選別が終わったのか顔が少し穏やかになった
「君、名を申せ」
「結城真尋…です」
真尋が名前を聞かれた
どうやら真尋が勇者に選ばれたそうだ
約2時間たったであろう。
真尋とクラスメイト3人が説明があるため
教会に残ることになった
選別に選ばれなかった僕達は教会を出て街の兵士に宿屋まで案内されることになった
また説明があるらしい…
残ったのはクラスメイト数名8人その中には尊がいる
あとは響輝先生だ
少し歩くと街に出た
緊張がほぐれたのだろうか。
クラスメイトの子たちがひそひそ話をしている
「最初どうなるかと思ったけど安全そうでよかったね」
尊が僕に言った
「そうだね、でも明日の説明を聞くまで安心は出来ないな。」
そう、明日の説明を聞くまでは安心できない
もしかしたら安心できないことを告げられるかもしれない
1人でぼやぼや考えていると尊が
「周りの人達の外見…さっきまで外国人の顔つきの人がいたのに日本人顔の人達が多くいるね…みんなすごい楽しそうに笑ってる、でもなんだろう。少し様子がおかしいように見える」
確かにさっきは外国の雰囲気だったのに日本人がいる。
こんな話をしているうちに宿屋に着いた
少しイライラしているのか声を張って兵士が
「明日の朝迎えに参る。それまで体を休めておけ」
といった
僕たちは部屋に案内された。
数時間後
周りは薄暗くなり街の灯りが眩しくひかる
「賑やかなんだなぁ…」呟いた
コンコン ノックの音がした
「松坂先生が話があるって」
尊が呼びに来てくれた
「みんな集まったかな
今日はお疲れ様でした、先生も皆も何が何だか分からなかったと思うけどみんなは大丈夫かな?」
響輝先生も焦りや不安もあると思うのに、冷静にみんなの不安を取り除いてる
「まっちゃん〜うちら本当は怖い。」
「だろうね。先生も実は怖い
けどこれから何があるか分からない、
けど頑張っていこう」
みんなが部屋に戻った
自分もそんな少しの不安を残したまま夜を過ごした
朝になった
寝付けが悪かったのか夢を見なかった
みんな集まって朝食堂でご飯を食べた
兵士が迎えに来た
「準備が出来たらはやくこいッ!!」
何を急いでるんだろう
準備が終わったみんなが集まった
教会へとまた向かった
教会に着くと真尋達がいた
「裕〜!会いたかったよ〜」
真尋いつもの元気な真尋のようだ
「揃ったな、
今から君達にこの王国の野外に観察し学んで欲しい」
観察…
「君たちはここに来て何も分からないとなると不便だろう…」
ご最もだ
あ。そういえば
「質問いいですか」
「なんだね?」
「この王国には僕たち以外の異世界人は連れてきていますか?」
明らかに日本人のような人もいた、
もしかしたら僕たち以外にも日本人がいるかもしれない
「君たちの前にも転移させた」
…みんな黙った。
なぜ僕たちを転移させたんだろう。
「では。観察しに行ってくれ」
僕たちはグループに分けられた
僕たちは真尋、尊、僕の3人そのほかの人たち3グループ
兵士に街の門まで連れて行ってもらった
「夕焼けには戻ってこい」
着いてきてはくれないんだ…
僕たち3人はぶらぶら歩き始めた
僕と尊は真尋がどんな説明をされたのかは聞かない
「いや〜なんか大変そうなことになったな〜」
真尋が口を開く
どのように声をかければいいのか分からない
「真尋くんは勇者に選ばれちゃったから大変そうだね」
尊も僕も何もすることはないだろう。
「勇者に選ばれたんだもんねどんなことするの?」
…沈黙が続いた
森があった
道があるから進んでみようとなった
気まずい雰囲気の中森の生き物の声だけが響いた
見たことない動物がちらほら見える
周りを見渡し歩き回った
空が少し暗くなった。あたりはオレンジ色になっている
崖があった。ここが道の最後らしい
夕焼けが綺麗だ
「学校の屋上でもこんな夕日見れたよな…」
真尋が呟いた
「…そうだね」
なんかエモいな…
「そろそろ戻ろ。」
僕は帰る準備をした
「裕…」
「?」
「俺頑張るからさ、俺が活躍するところ楽しみに見ててくれよ!」
いきなりの宣言だった
「…うん!」
「じゃ戻ろっか!」
尊が帰る準備を終えた
兵士のいるところまで僕たちは駄べりながら歩き始めた
仲良しな人っていいよね