50. ひとりごと
シリウスがカメハウスへ行った前後の話…後編
感情の荒波と、舌の痛さで気絶をした『森の民』を見下ろす。
クセがない長い髪は『月光』のような淡い金色。
涙で煌めく両目は『木漏れ日』のように透き通った黄緑色。
『森の民』特有の尖った耳と、花の蜜のような甘い香り。
行方不明になる前の主と同じ背丈がだんだんと縮んでいく。
「…いつの間に、契約破棄したんだ?」
先程…『転移』で逃げる前…までにはなかったものと現在進行形で変化しているものから導きだされる答えは一つ、主の両親は俺がいない時に主従契約を破棄したということだった。
「…ハイエルフだったのか?」
『森の民』が主の現在の身長くらいに縮んでいた。
ハイエルフは10年に1度、1センチしか身長が伸びないと、『青龍』か『玄武』が言っていたのを思い出す。
「…親子そろって一寸法師かよ」
東大陸に伝わる物語を思い出し、思わず突っ込む。
「…大きい毛玉に踏まれないように、机に置いとくか」
誰もいない、返事がかえってこない虚しさに耐えきれなくなり、『森の民』を主が入っていた枡にいれて、主の部屋へと運ぶのだった。
次回は主人公視点に戻る予定です。




