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二人だけの滝9

「もう昔みたいな仲がいい姉妹には戻れないのかしら」

ユミはショータに会う度に相談した。その度にショータは罪悪感をおぼえた。


中島姉妹が一人だったら、こんなことにならなかったのに。


ユミやマナミも同じことを思っていた。


秋になり、ショータはユミとマナミを誘って、あの滝に行くことにした。マナミにとって三人で行くのは二回目でその時はミホとショータと行って、二人の仲が悪くなり、嫌な予感もしていた。


「あんなところに花があるよ」

「ほんとキレイね」

滝の近くに二本の花があった。


「二本あるから、とってきて、あげよう」

ショータは立ち上がった。


「えっ、でもあんな高いところ無理じゃない?」

「そうだよ。ショータは高所恐怖症じゃなかったの?」


「落ちるのが怖いだけで大丈夫だよ」

二人はハラハラしながら、ショータを見守った。


ショータは無事に花が咲いているところまで行き、二本の花をつかんで、降りようとしたその時だった。ショータは足を滑らして、下へ落ちていった。


「ショータ、大丈夫?」

二人は駆け寄った。ショータは頭を打っていて、意識がなかった。


すぐに救急車を呼んだが、間に合わなかった。二本の花だけが二人のもとに届いていた。


それから噂は変わった。二人で来ると仲良くなれるが、三人で来ると仲が悪くなると。


誰が流した噂か分からないが、仲が悪くなるだけなら、よかった。もうショータとはケンカさえもできなかった。マナミはあの時にケンカしてでも受け入れられないというべきだっただろうか。


あの事故以来、マナミとユミは二人で何度か滝の近くに足を運ぶことになった。そのせいか、二人は元の仲がいい姉妹に戻っていた。

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