熱さと私
世界は蕭条たり得ながら、異常な熱気を纏い、
我が身は何ら知らされずそれへ放り出される。
背はそれを冷ややかさをもって私を非難している。
純然たる様を凋落しつつある皮膚は非情な光、理不尽な熱に喘いでいる。
右腕は汗という名の蕾を次々と開花させているが、
左腕のものは既に枯れ果て、種を撒き散らしているようである。
赭顔は切に休息を求めるも、
脚は無言のまま一歩、もう一歩と先へ急ごうとする。
一方で、無聊な腹は外界の音に耳を澄ませ、協和音を奏でてみようと試みている。
……私とはかくも表情豊かだったらしい。