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第4話 急な事態

 だが次の日、驚愕することが起きた。宇宙空間にいるはずの軍事宇宙船がいきなり地球に現れ、ゼーフ人工島の近くに着水した。そして誰一人、島に近づけぬようにレーザー砲をあちこちに向けていた。

総督府はその事態に驚愕した。慌てて幹部を招集したが、誰もどうしたらいいかわからなかった。しかもマコウ本星からは


「ローク星人を刺激しないように現地で適切に処理せよ。」


としか送ってこない。幹部たちは沈黙し、会議に重い空気が流れた。その時、リカード管理官が遅れて会議室に入ってきて、いきなり発言した。


「ウクラ星人をゼーフ人工島から脱出させる船の目星がつきそうです。すぐに彼らを避難せるべきです。そうしないと恐るべき事態を迎えます。」


だがドグマ副総督は首を横に振った。


「いまさら避難などと・・・。もうローク星の軍用宇宙船は島の前にいるのだぞ。」

「しかし・・・」

「もうこうなったら総督府、いやマコウの手には負えぬ。ローク星人とウラク星人が直接話し合うしかない。」


ドグマ副総督はこの件に首を突っ込んでマコウに飛び火してくるのを恐れていた。たかがウラク星人数万人、それも母星をローク星人に侵略されてしまった民族だ。どうなっても知ったことではない・・・とそれが彼の本音だった。


「しかしそれではウラク星人は悲惨な目に合うことは確かです。」

「いや、我々が関わり合いになることではない。放っておけ。もうどうにもならない。」


ドグマ副総督がそう言って会議は終わってしまった。リカード管理官は唇をかみしめていた。




 ローク星の軍用宇宙船からゼーフ人工島のウラク星人に宛てて通信が送られた。


『ウラク星はすでにローク星のものになったから、ウラク星人もそれに従わねばならない。諸君らをこちらが指定する場所に移す。後から到着する大型宇宙船が来るのでそれに乗ること。抵抗する者は抹殺する。』


それは一方的な通告だった。それを知らされた島のウラク星人たちは激高した。


「ローク星人のいうことなんか、聞かないぞ!」

「そうだ! そうだ!」

「俺たちは難民としてここにいるんだ。どこへも行かないぞ!」

「もし奴らが来たら抵抗しよう!」

「そうだ! 抵抗するんだ!」


島は大騒ぎになっていた。そこにはローク星人の要求を聞こうとする者など誰もいなかった。彼らは上陸してくるであろうローク星人に備えてバリケードや剣などの武器、そしてどこからかバイオノイドも調達してきていた。



 その光景を軍用宇宙船の司令室のモニターからプロム将軍が不気味に笑いながら見ていた。


「ふっふっふ。小癪なウラク人どもめ! あくまで抵抗するか! ならば我がローク星の恐ろしさを見せてやろう。」


プロム将軍は部下に何やら命じた。すると司令室は慌ただしい雰囲気になった。作戦開始までのカウントダウンが始まったようだった。それをそばにいるマース艦長たちが何やら言いたげに見ていた。


「懲らしめてやろう! 少々、手荒にな。では2時間後、作戦開始だ。準備を急げ!」


プロム将軍はなにやら残酷な作戦を実施するようだった。もう悲劇が起こるのを避けられなくなった。

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