SF界の詩人 ロバート・F・ヤング ジャック・フィーニー マイ・プライベイト・ブック・レビュー
あまい
あまい
郷愁と純愛
たしかに一時期
青春病?の時に読んだ私は
まるで麻疹みたいに。。それに感染してしまった、
そして今すっかり老人になった私は
浮世の幾多の汚辱と泥濘にまみれてしまって
もはやその郷愁と純愛に、
どっぷり浸かり切れるほどは
「純真」ではなくなってしまったが
それでも懐かしい思い出として
遠い遠い思い出として、、、
それらの作品は私の老いてこわばった?心にもまだ、いまでも、生きているよ、
ロバート・F・ヤング
そして
ジャック・フィーニー
郷愁と純愛のSF界の詩人の小説レビューを
今宵は
ひとときの純真に返って
これから、思いかえして、、反芻して
これから、気ままにつづってみましょうか?
※ロバート・F・ヤング
「ヤング,ロバート・フランクリン
1915年ニューヨーク州生まれ。太平洋戦争に従軍した3年半以外は、ほぼ一生を、エリー湖畔にある自宅で妻と共に暮らした。バッファローにある鉄鋼会社につとめるかたわら、40歳近くになってからパートタイム・ライターとして創作を開始し、「ジョナサンと宇宙クジラ」をはじめとして、数多くの短篇をファンタジー・アンド・サイエンス・フィクション誌に発表する。その一方、サタデー・イブニング・ポスト誌などの一般雑誌にも、およそ100篇の短篇小説を発表している。1986年没 」以上引用
スイートでハートフルで、ファンタジーで、、そうしてちょっぴり?SF?で
かれの作品は、短編がほとんどですが、いずれも余情と余韻に満ち溢れたエモーショナルな作品ばっかりです。
愛とノスタルジーに満たされた短編は何時読んでもハート・ウオーミング(心があったか)ですよね。
彼の短編の中からいくつか選んで私の個人的な書評をこれからしてみたいと思います、
お暇でしたらおつきあいくださいませ
なおあくまでも私的な、私の「記憶だけ」に基づいての「ブック・レビュー」ですので
記憶違いや、ミスリード?がある可能性もあることを事前にご承知おきください。
なお私のブック・レビューはネタバレ全開ですのでご注意ください
それでは
☆たんぽぽ娘
アンという妻のいる40過ぎのマークがとある日白いドレスを着た20才の娘ジュリーに出会う、
彼女は未来から来たといい、たんぽぽ色の髪が風に舞う。
「おとといは兎を見たわ、きのうは鹿、今日はあなた」 マークは恋に落ちてしまう、だが娘はタイムトラベラーのおきて?で未来に帰らなけらばならない、
時間警察が監視しているからだ。やがて彼女は「私あなたを愛してるわ」と言い残して未来に消えてゆく、
それから雨の降ったある日彼は屋根裏部屋で妻のアンが新婚の時持ってきた秘密のスーツケースをふと見つける、
鍵が壊れて中から白いドレスがはみ出していた、開けてみるとそれはあの、たんぽぽ娘の来ていたそれに間違いなかった、
アンはある日突然私の前に現れたのだったし、
それは、実は、時間警察の追及を避けるためにアンと詐称して、そしてアンはいつも写真を撮られることを頑強に拒んだか
そしてまた、、いつもおどおどして身を隠していたかが
その理由が
いまそれが理解できるのだった。
☆ジョナサンと宇宙クジラ
未来世界、、宇宙軍に志願した青年ジョナサン・サンズは、太陽系に侵入し、小惑星帯に侵入してきた「宇宙クジラ」撃退のために出兵するのだが,、、なんと超巨大な宇宙鯨のおなかに飲み込まれてしまうのである
だがその巨大な空間に広がっていたのは、美しいみどりの土地と青い空というまさに別世界だった……。
宇宙鯨という巨大な知的生命体と出会った青年が生きる意味と世界の存在意味をそして本当の
自分を見いだしていくという物語です。
※ジャック・フィーニー
「ウィスコンシン州ミルウォーキーで生まれ、ジョン・フィニイと名付けられた。3歳のころ父を亡くし、父の名をとってウォルター・ブレイデン・フィニイと改名された。しかし通称は「ジャック」のままであり、生涯そう呼ばれることになった。イリノイ州のノックス大学を1934年に卒業する。マーガレット・ゲストと結婚し、2人の子供をもうけた。ニューヨークの広告代理店でコピーライターを務めていたが、1950年代初めごろにカリフォルニア州に移住する。カリフォルニア州ミルバレーに住んでいたが、肺炎と肺気腫が原因で同州グリーンブリーで死去した。」 以上ウイキペディアより引用
代表作としては
ふりだしに戻る
レベル3(短編集)
盗まれた街
ゲイルズバーグの春を愛す (短編集)
☆ふりだしに戻る
自己催眠による?タイムトラベル、、というトンデモナイ方法で昔のニューヨークに戻るというお話
この小説はしばしば、、映画「ある日どこかで」と比較されますね、たしかに似ていますが
この小説の古いニューヨークの描写は格別でしょうね。古い、ふるい、、今は消え去ったマンハッタンへの強い郷愁はインパクトあります。
そのノスタルジーこそがこの小説のある意味「キモ」でしょうね。
甘美な郷愁と、強い懐古趣味?それがこの小説のすべて覆っているのです。
☆レベル3(短編小説集)
・レベル3、、、、、それは存在しない地下駅、、地下三階、、そこは異世界への秘密のゲートであった、
旧き良き時代への憧れが横溢してしまってそれがもはや、、現実拒否にまで達しようかというフィーニーの
面目躍如の作品ですね、
☆盗まれれた街
これは「ボディ・スナッチャー」というタイトルで映画化されたので知っているかたも多いでしょうね。
都合4度映画化されています。内容は、、肉体を乗っ取るというエイリアンが人間に寄生してしまうというお話です。
見かけは人間と同じでも実はそいつはエイリアンだという、恐怖感は真に迫ります。
ゲイルズバーグの春を愛す (短編集)
幾つかの魅惑的な短編が収められていますが
わたしはこれだ
☆愛の手紙 the love letter
ビクトリア時代の女性と、、現代の青年が、時間を超越して恋に落ち、手紙をやり取りするという、トンデモナイお話です。
そのラブレターを時を超えて介在するのが、それが古い骨董家具の引き出しです。
これは映画化されています(日本未公開)ので
わたしの稚拙なブックレビューよりもそちらを見た方が手っ取り早いでしょう
the love letter 1987年アメリカ映画
ジャックフィーニー
短編集
レベル3 (The Third Level (The Clock of Time), 1957年)
福島正実訳、早川書房〈異色作家短篇集〉2006年
レベル3 (The Third Level, 1950年)
おかしな隣人 (Such Interesting Neighbors, 1951年)
こわい (I'm Scared, 1951年)
失踪人名簿 (Of Missing Persons, 1955年)
雲のなかにいるもの (Something in a Cloud)
潮時 (There Is a Tide..., 1952年)
ニュウズの蔭に (Behind the News)
世界最初のパイロット (Quit Zoomin' Those Hands Through the Air, 1951年)
青春一滴 (A Dash of Spring)
第二のチャンス (Second Chance, 1956年)
死人のポケットの中には (Contents of the Dead Man's Pockets, 1956年)
ゲイルズバーグの春を愛す (I Love Galesburg in the Springtime, 1960年)
ゲイルズバーグの春を愛す (I Love Galesburg in the Spring-Time)
悪の魔力 (Love, Your Magic Spell is Everwhere)
クルーエット夫妻の家 (Where the Cluetts Are)
おい、こっちをむけ! (Hey, Look At Me!)
もう一人の大統領候補 (A Possible Candidate for the Presidency)
独房ファンタジア (Prison Legend)
時に境界なし (Time Has No Boundaries)
大胆不敵な気球乗り (The Intrepid Aeronaut)
コイン・コレクション (The Coin Collector)
愛の手紙 (The Love Letter)