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きみにとって  作者: つんく
7/10

星に願おう

 夢を見たその日、俺は久しぶりに、彼女を探しに訪れていた場所に行ってみることにした。



 一緒に歩いた住宅街、公園、出会った小高い山。



 いないだろうなとは思っていた。だが、俺は彼女とのたった一度の思い出を塗り直すように歩き続けた。



 そして最後に、出会った場所にいつものように座り込むと、俺は強く思った。もう一度彼女に会いたいと。





 家に帰ると、自室のパソコンを起動する。夢に出てきた場所はまだ覚えていた。記憶が薄れる前に、本当に実在する場所なのか調べることにした。


 そこに彼女がいるかもしれない、そんな淡い期待も抱きながらネットを駆使する。



 たしかあの場所、アニメに出てきたと言っていたな。そうだ、たしか小学生くらいのときにみんな見に行ってた人気のアニメだったな。



 たしか両親を助けるために女の子が1人で頑張るみたいな話だったか…笑。とても大雑把だがそういった、主人公が頑張るアニメだった。



 そのアニメの聖地として、とある場所が有名らしい。リンクを開くと、まさに夢に見た景色が何枚も画像として載せられている。


 赤い提灯が連なり、緩やかな石段を彩っている。その傍らにはたくさんの店が並んでいる。



 「ここだ、絶対ここだ…!」



 まさかここまで似ている場所だとは思わなかったが、画像越しでも伝わる同じような雰囲気で確信した。


 所在地は台湾だった。



 「海外…!? やば、日本かなとか思ってたけど…」



 俺は少し躊躇ったが、思い切ってかかるお金、必要なものなどを調べてみた。


 パスポート、お金くらいか。通帳の残高を確認してみる。何となくやっていたバイトのおかげで、台湾に行くくらいであれば全然余裕だった。



 (とりあえずやるべきことは、パスポートか。)



 俺は翌日、パスポートを発行しに行った。今までとは違う場所を歩く。なんだか冒険をしているようで、少し楽しく感じた。



 旅行会社に立ち寄ると、台湾の特集がされた冊子がいくつかあったため、必要に応じてもらって帰った。





 俺は帰宅し、冊子をぺらぺらめくる。どうやら観光地としても人気のスポットらしく、アクセスも書かれていた。



 (よし、会いに行こうか…!)



 学生最後の夏休みは残り少なくなっていた。夏休みが終わるまでには行けそうだ。簡単に計画を立てる。


 2泊3日、何かあっても辿り着けるはず。宿泊する場所の目星も付け、必要なものを揃える。





 俺は数日かけて必要な準備を整えた。航空券も確保し、ホテルの予約も出来たようだ。


 いよいよ出発は明日。両親には、友達と旅行に行ってくると伝えている。あながち間違いではない。ただ、今はいないだけだ。



 荷物を詰め込み、スーツケースを用意する。


 外はすっかり暗くなっていた。会えたらうれしいな…。そんな、当てもない願いをぼそっとつぶやきながら、俺はふと外をみる。



 あのときと変わらず、暗闇にぽつんと立つ街頭。今日も、誰が見るでもないのに暗闇に光を与えている。


 空を見ると、星々が強弱をつけ、輝いている。夜空って真っ黒じゃないんだな…。そんなことをふと思った。



 暗い空の中で、星々がひときわ存在感を示し、輝く。明日から始まる、俺のちょっとした旅を見守ってくれよ。そう願った。

果たしてそこに彼女はいるのでしょうか…


続く…。

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