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第28話 次は素材生産系チート

今日は日曜なので10時と18時に投稿します。

 知ること。それは新たな欲求を呼び起こす。

 食糧ダンジョン。これは国民に甘美な魅力を伝えた。

 さらには奥へ向かうほど産出する食糧の質が上がることが、一大ブームを呼び起こした。

 

「うおおおお!! 牛はどこだー!! 豚でもいいぞー!! 鳥も好きだぞーーー!! もちろん魚介類も大好きだ!!」


「先生張り切ってんな」


「この間手に入れた肉食べて泣いてたからね……」


「隊員たちもこっちに行きたがって困る。

 物資の供給の面からも食糧だけでなくアイテムダンジョンにもいかねばならぬというのに……」


「硬いこと言うなよー、ちゃんと後で行くよー。お! 食材発見!! 戦闘準備!!」


 トラ型の戦士がやれやれと肩をすぼめる。

 最近ニョキニョキと実力を伸ばしてきたトラ族の青年でガイア君。

 その強靭な肉体から放つ一撃は強力かつ迅速!

 皆が認め隊長格に並んでくれた。

 彼の部隊は各種族のムキムキな人が集まっていて、みんな真面目で少しかたっ苦しい。

 戦闘において流れを変えたいときに投入する部隊となりそうだ。


 ウサギ族は手先が器用で抜群の危機察知能力。斥候にぴったりだ。

 ネコ族はその俊敏性と応用力が高く苦戦した部隊などの救援などに適している気がする。

 うまく混成させて特色を持った部隊を作っていくのは楽しいものだ。


 ダンジョン探索のパーティと、戦闘時の部隊は規模が違うけど似たものだと考えている。

 パーティの場合は敵の攻撃を引き付け皆を守るタンク、攻撃を一手に引き受けて敵をなぎ倒すアタッカー、先行して敵の気配を探ったり罠などから皆を守るスカウト、遠距離から援護する遠距離アタッカー、戦況によって役割を変えて全体を下支えするオールラウンダー、それと全体への指示を出しながら自らもすべてのことを行うリーダー。こういった組み合わせが一般的なパーティだと思っている。

 もちろん特化したパーティもあるだろう。

 軍隊における隊というのは集団としてそういった役目が出来るように訓練している。

 今からそうなったスペシャリストな部隊を運用するのが楽しみだ。


「ガウス、今回食材ダンジョン作ったけど、これ、素材ダンジョンも作れるよね?」


「ドロップアイテムをそういったものを落とすのだけにすればそうなりますね」


「……これ、とんでもない性能じゃない?」


「そう思います」


「もう一個初級ダンジョン手に入れて素材ダンジョン作れば、生産系チート状態だよね……」


「0からいくらでも作り出すという点ではそうですね」


「しかも、この方法魔物側はできないんだよね?」


「できませんね」


「なんで獣人ここまで追い込まれたんだよ……」


「それは、神様は自身の手を大きく入れるのを好まなかったからかと……」


「そっか、それでどうしようもないからあきらめて、せめて第三者である俺にそれを任せたのか……

 神様、俺は……げーむでは出来る手段は使うタイプだぜ!」


「それでよろしいと思います」


 だれかにいいよと言ってほしかった。

 ただそれだけだ。俺は、初級ダンジョンをポチってダンジョンメイカーに放り込みまた調整に没頭する。

 素材、木材、鉱石など、様々な材料を生み出すダンジョン。

 これが完成した暁には、軍事的な面だけでなく、みんなの一般的な生活や建築なども含めて革命が起きるだろう。

 それに、いつまでも通販で日本の物をこの世界に送り込み続けるのも限界がある。

 国単位で大きくなったらとてもそんなやり方が通用するはずがない、現地の人間が現地の素材を利用して作成できる文化、文明を高めていかないと国としてはやっていけない。

 もちろん基礎知識として多少知識チートは用いるが、この国はあくまで獣人たちの国なんだから……


「やりたい放題やっといていまさら偽善者面するけど、俺はほんとにそう考えてるんだ……」


 誰に言い訳をしているわけでもないけど、ガウスの入れてくれたお茶を飲みながら俺はダンジョンのバランス調整を続ける。


「素材出す魔物は多いなぁ……どう選別すればいいんだろ……

 鋼類はゴーレム系で、木材はトレント系、液体系はスライムがよさそうだな……

 こっちの世界のアイテムもいろいろあるんだなぁ。

 動物の皮関係は食糧ダンジョンでOKだろー……ブツブツ……」


 説明書とメイカーをにらめっこしながらポイントに頭を悩ませながら作り上げていく。

 場所は今回は西に進んだ山岳地帯にする予定。あんまり近いと敵が氾濫したときに大変だ。

 それに最初の村から食糧ダンジョン、第二予定地から素材ダンジョンと産業というか仕事を分けておいたほうが後々の発展に影響するだろうという考えもある。

 

「もうすぐ最初のダンジョンも最下層に到達できるし、そうすればまたポイントが……」


 最初の街に置いたチート時間経過遅延効果付きダンジョン。今ようやく48階層まで到達した。

 かなり歯ごたえのある敵がたくさん出て俺はややお荷物になりながらもリーダーたちに守られて探索に混じっている。

 その甲斐もあって、皆の職業も進化している。

 ラッテはクノイチから華舞月影なんてカッコいい名前のクラスになった。

 ベイオ君がロイヤルガード、ラージン君がウェポンマスター、パーシェット君がホークアイ、いいよなぁ、そういう職業ってすごく燃えるんだよなぁ……

 もちろん部下たちも成長している。

 そして、どうやら子供たち世代は最初から基礎能力が高い可能性がある。

 子供の体育代わりにダンジョンの一階で戦わせたりすると、子供世代のほうが初期ステータスが高い予感がする。

 皆が成長しているから、その二人から生まれる子供はステータスが優れている可能性もある。

 新しく合流する種族の人々はその時の俺たちのレベルに合わさっている可能性もあった。

 皆すぐに最前列についてこれる人もいたりするのはそういう隠し要素があるからじゃないかって俺は考えている。

 

「よっしゃぁ!! できた!!」


 今日も一日サボったことによって、もう一つうちの国にはチートが加わることになる。


 こんな平穏な成長の日々がずっと続いてくれれば、どんなによかったことか……






明日は祝日なので10時と18時に投稿します。

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