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第15話 進化の神殿

今日は18時19時20時に投稿いたします(2/3)

『進化に必要な魔石がたまりました。進化を行いますか?』


       YES / NO


 魅惑の表示がノートパソコンに広がっている。

 ああ、新しいコンテンツに触れる瞬間はどんな時でもワクワクドキドキしてしまう。

 

「イエ~ス!」


 ポチっとクリックする。


『進化の神殿を手に入れました。アイテムボックスから設置してください』


「お?」


 確かにアイテムボックスに『進化の神殿』が入っている。

 設置しようとしたら、これ、すごいでかい。


「病院のそばがいいよな……ちょっと区画整備するか……」


 すでに夜も遅いので病院には誰もいない。いったん収納する。

 聖地を行い神殿を設置しようとすると、どうやらデザインを選べるらしい。

 ギリシャ的な西洋風から中華風、和風、いろんなデザインがある。


「日本人だからなぁ……」


 神社っぽいデザインを選ぶ。

 設置位置を確かめて実行。

 音もなく突然現れる神社。

 少し離れた場所に病院も設置する。


「そういえば、ある程度のことが出来るから拡張もしてなかったけど、これからダンジョンで手狭になるかもなぁ……少し拡張するかなぁ……」


 いろいろとやることが多くて大変だ。

 楽しいけど。


「設楽様ですね」


「ふぁい!?」


 突然話しかけられて飛び上がるほどびっくりしてしまった。

 気が付けば神社には明かりがともって一人の女性が立っていた。

 巫女服姿に身を包んだ黒髪の美しい女性が。


「この度は社の復活を成し遂げていただき神に代わって御礼申し上げます」


「あっ、はい……」


「私は進化の社を管理する神のしもべ、まぁNPCみたいなものと思ってください」


 メタいなぁ……


「詳しい説明はそちらのぱそこんに送っておきました。

 今後ともよろしくお願いします」


「あ、こ、こちらこそよろしくお願いします」


 病院以外で人間の女性と話すのはどうにも苦手である。

 パソコンを見るとまたも説明書のような大量のテキストが送られてきていた。


「私はカグラと申します。

 24時間いつでも社におりますので進化にまつわることがあればお呼びだて下さい」

 

 ぺこりと頭を下げて神社に入っていく。

 なんか、いろいろあったけど、進化の神社ゲットである。

 それから進化について学んだり病院の拡張なんかを考えながら眠りについた。


「せ、先生! 病院の隣に変なものが!」


 随分と早い時間にラッテが病院に飛び込んできた。


「ああ、おはようラッテ。えーっと、新しい設備ができたんだけど……

 説明したいから冒険班中心に声かけといてもらっていい?

 あ、まだ早いからゆっくりでいいよー」


「あ、は、はい……」


 なんかラッテがポーっとして俺の体を見ている。

 ん? と思って自分を見るとオペ用のズボンにうっすいTシャツというだらしない姿だった。

 女子の前でこんな格好はセクハラと怒られてしまう!


「あ、ご、ごめん! こんな格好で……」


「あ、いや、その! 先生、筋肉つきましたね……」


「いやー、おなかの肉もすっかりどっかに行っちゃったよー」


 よかった怒ってないみたいだ。

 結局ラッテに朝食を作ってもらってしまった。


 人を集めなくても、突然朝になったら巨大な建築物が出来たら人は集まってくるよね。

 外が騒がしいので出てみると村人たちが不思議そうに神社を眺めていた。

 神社ではニコニコとカグラさんがみんなに手を振っていた。

 ちょうどいいのでそのまま説明に入ろうと思う。

 

「おはようございます!」


「おはようございまーす」


「えーと、突然のことでびっくりされたと思いますが、今日からこちらの進化の神社で皆さんは進化が可能になります。詳しくは神社の管理人であるカグラさんか私に聞いてください。

 あ、あと、神社というのは神様を祭る施設です。

 この世界に救いの手を差し伸べてくれた神様には敬意を払ってくださいねー」


 俺もカグラさんも質問攻めに合うことになる。

 まぁ、当然だ。

 そして、昨日の勉強から進化についての詳しい設定がわかる。

 まず、神社で行えるのは自身の成長のある程度の予想。

 そして、進化の選択だ。

 種族全体で行うのかと思ったが、個人での選択制だ。

 自分自身の素質を見て、自分にあった種族へと進化していく。

 進化って名前がついているけど、職業って言ったほうがぴったりくるかもしれない。

 進化の条件には自身の成長とちょっとのお布施。

 しかも何度でも選択可能。ここら辺は優しいシステムになっていた。


「それで、今まで何となくやっていたのですが、これを機にこの村にもしっかりとした通貨によるシステムを導入しましょう。詳しくはこちらのテキストをごらんください」


 これは以前から考えていたことだ。

 基本的には自分が得たゼニーは自分のもの、ただ、一部は税金代わりに村で集めて、働けない人々や老人子供母親へと支給する。

 医療費はただだしね。俺が提供する食糧や物資は村の共有の財産として管理している。

 俺へは村の発展に合わせてポイントが入っているから特に収入は必要としない。

 夜の冒険でお小遣いを稼いでる感じだ。

 みんなのポイントで結構自由にやらせてもらっているから俺はそれで十分だ。


 カグラさんは一生懸命村人の成長予想をしてくれている。

 鏡の前に立つと結果がプリントアウトされる。

 俺もやってみたけど、力、体力、早さ、技術、知識、運のすべてが、努力次第。

 なんじゃそりゃって結果だった。

 あと、俺は進化できなかった……寂しい。

 リーダー格の村人はすでに進化可能になっており、皆それぞれ悩んでいた。


「俺は口出ししない。みんなが好きなように選んでくれればいい。

 ただ、何になったのかは把握しておきたいから教えてね」


 職業選択の自由だ。

 ただ、他国からの侵略に対して作戦立案に重要な情報は把握しておく必要がある。

 

「忙しくなるぞぉ」


 歓喜である。


 



今日は土曜日なので次は20時に投稿いたします。

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