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目覚めた場所は・・・

※先にお伝えしておきます。基本的に私の小説はこんな感じの書き方で話がずっと続いて行きます。ドタバタ日常みたいな物では無いので、こんな感じの小説でも良いと思ってくださる方はこれからもよろしくお願いします。

柔らかな日差しを顔に受け、私はゆっくりと瞼を開けた。

朦朧とした意識の中でまず目に映ったのは、レースが付いた天蓋。


・・・ここは?


徐々に意識がハッキリすると同時に、唐突に意識を失う前の状況を思い出た!

私は寝ていたベットから勢いよく上半身を起こし、


「うっ・・・」


お腹が痛い・・・そう言えばあの時殴られたんだ・・・て、何これ?


私は痛むお腹に治癒魔法をかけつつ、今の自分の格好に驚く。

肌触りの良い上質な生地を使った・・・ネグリジェ!?

さすがにスケスケのいかがわしい物では無かったけど、誰がこの服に着替えさせてくれたのかすごく疑問が沸く。


コンコン

ガチャ


「あぁ、お嬢様お目覚めになられたのですね?」


ノックの後に扉が開き、そこから見知らぬ一人の侍女が入ってきた。


「ではお目覚めなされたので、お着替えいたしましょう」

「・・・あなたは?」

「失礼致しました。お嬢様のお世話をさせていただきます、アンナと申します。以後よろしくお願いいたします」

「あ、サラです。よろしくお願いします」


つい反射的に答えてしまった。

アンナと名乗った彼女は、茶色い髪を頭の上で纏め水色の瞳を緩めて頬笑む可愛い人。

アンナは私がベットから降りるのを手伝い、続きの衣装部屋から水色のドレスを持って来た。

さすがにネグリジェのままでいたくなかったので、持ってきてくれたドレスに素直に着替える。


・・・ドレス着たの久しぶりだ。


その後、鏡台の前に座らされ軽く化粧と髪を整えてくれた。

令嬢の時にいつも侍女にやってもらっていたので、ちょっと懐かしく感じる。


「ちなみにちょっと聞きしたいんだけど・・・あの寝間着は誰が?」

「あの寝間着でしたら大変申し訳無かったのですが、私が寝ているお嬢様の体を綺麗にしてからお着せ致しました。なにぶん前着ていた服が大変・・・」


そこでアンナさんは言葉を濁し複雑そうな表情をする。


あぁ、確か血が・・・。


あの惨状を思い出し、ちょっと気分が悪くなった。

あの時動揺して動けないでいなければ、死なせなかったのにと悔しさに唇を噛み締める。


「大丈夫ですか?私お水持って参ります!」


多分私の顔色が悪かったのか、アンナさんが心配して水を取りに扉から出ていった。

申し訳ないと思いながら、そう言えばここがどこか聞いてなかったことに気付く。とりあえず、ここがどこか分からない以上下手に動くよりも、アンナさんに聞くことにして大人しく帰って来るのを待った。


暫くして部屋に戻ってきたアンナさん。手には水の入った瓶とコップが載ったトレーを持っているが、何故か顔が強張っている。

アンナさんが扉から入ってくると、その後ろから男の人が続いて入ってきた。

男は水色の髪を後ろに束ね金色の瞳をしている事から、今は素顔を晒しているが間違いなく仮面の男だ。

やはり仮面を取った姿は予想通り美形なのだが、怜悧な輝きを瞳に宿しているため全体的に冷たい印象を受ける。


・・・しかし、誰かに似ている様な?


私が思案に更けっているうちに、アンナさんは私の近くまで来てテーブルにトレーを置いた。


「・・・お嬢様、お水はどういたしましょう?」

「ありがとう、今は大丈夫です」


そう言ってアンナさんの方を見ると、怯えた様子で男の方を気にしているのに気が付く。

どうやら、アンナさんは一緒に入って来た男が恐い様だ。

私はさりげなくアンナさんの姿を男から隠すように移動する。後でアンナさんが息を飲む音がした。


「・・・ほおぅ」


私の行動に男は気が付きそして繁々と私を見てくる。


「そのドレスよく似合っている」

「アリガトウゴザイマス」


私は感情の込もって無いお礼の言葉を返す。

男が何者で何を考えているか分からない以上警戒するべきだと思ったのだ。


「くくっやはり面白い・・・アンナお前はもう下がっていろ」

「え、でも・・・お嬢様・・・」

「アンナ!」

「は、はい!失礼致しました」


アンナさんは私を心配そうにしながら扉に向かい、出る前にもう一度私を見てきたので私は安心させる様に笑顔で頷いてみせた。

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