表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/58

ジークフリード・デ・アルカディア

これで男達の心情は終了です。

次回からは本編再開です。

俺はジークフリード・デ・アルカディア

このアルカディア王国の第一王子で王太子でもある。


最近俺には気になる女性が居る。

名前はサラ。

街外れの街道沿いで小さな喫茶店を経営している。


サラと初めて会ったのは、三ヶ月前の近隣領主の視察周りの帰りだった。

一緒にいた侍従が長旅の疲れで突然体調を崩してしまい、急遽近くにあった小さな喫茶店で休ませる事に。

先に俺の護衛が店に行き事情を説明して、護衛に抱えられる様に侍従は店の中に入って行った。どうやら2階の店主のベットで休ませて貰えるらしい。

俺は主として店主にお礼を言うべく店の扉をくぐり彼女に出会ったのだ。


彼女と出会った瞬間、雷で撃たれたかの様な衝撃が走った。

サラサラときらめく銀髪に美しい紫の瞳。

一瞬女神がそこに現れたのかと思った程だ。

少しの間彼女に見惚れていたが、はっと我に返り直ぐにお礼の言葉を言う。

彼女には困ったときはお互い様ですよと笑顔で返された。

笑顔が更に美しい・・・。


侍従の体調が落ち着くまで店内で休ませて貰う事にした俺に、紅茶とケーキを出してくれる。

その味は今まで味わってきた物の中で一番美味い!

紅茶を飲み彼女と語らう楽しいひととき。しかしそれは突如破られた。

突然入口が開き、そこから一人の黒装束の男が剣を構えて俺に向かって襲いかかってきたのだ。

暗殺者か!!護衛はどうした!?

チラリ窓の外を見ると、護衛達が倒れているのが見えた。

チッと舌打ちし素早く席を立って男に対峙する。


俺には同じ日に俺より少し遅く生まれた異母弟が居る。

弟は側室の子で第二王子であるが、野心が強く王太子の座を欲し俺の命を狙っている。

多分この男も弟に雇われたのだろう。


俺は素早く剣の柄を握り、男の剣を受けるため鞘から抜こうとした・・・が、

突然目の前に銀髪が広がり一瞬驚く。

それは彼女だったのだ!

彼女は襲ってくる男と俺の間に入り男の方に手をかざす。

すると彼女の前に障壁が現れ男の剣が弾かれる。その隙に男の手を素早く取って捻ねり剣を落とさせ、落ちた剣を足で遠くに蹴り飛ばし、そして掴んだ手から魔法で電流を流し男を気絶させた。


あっと言う間の出来事にしばし呆然としていた。

怪我をしながらも慌てて入ってきた俺の護衛達に男を連れていかせる。

その時に彼女は護衛達の傷を治癒魔法で治してくれた。

外でもまだ倒れている護衛に気付き、彼女は急いで外に向かい一人一人治癒して回る。

その姿はまるで聖女の様だった。


暫くして侍従の体調もだいぶ回復し、名残惜しいが城に帰る事になり彼女に感謝を述べると、お客様を守るのは当然のことですからと笑顔で言われる。


城に帰ってからも常に彼女の笑顔が頭から離れず、会いたい思いばかりが募り時間を見てはちょくちょく彼女の店に足を運ぶようになっていた。


そんなある日、彼女の店に悪漢が襲ったと報告を受け執務の仕事を放り出し彼女の元に急ぎ向かう。


慌てて店に入り彼女の無事な姿を見て思わず抱き締めてしまった。

彼女は俺の腕の中から逃れようとしたが、離す気など全く起こらない。


あぁ、俺こんなに彼女の事を好きだったのか。


自分の気持ちに素直になった。

多分初めて会ったあの瞬間に俺は彼女に恋していたのだろう。

そんな事を考えていたら、彼女はするりと俺の腕の中から抜け出してしまった。彼女の温もりが無くなった事に寂しく思ったが、彼女の近くに怪しい男達が居るのに気付く。


その男達が同盟国のユリウス王子だった事に驚き、そしてそのユリウス王子に彼女との関係を問い質しさらに驚いた。

彼女のここに来るまでの経緯を聞きユリウス王子に怒りを覚え、さっさと国に帰らす様に仕向ける。

何故ならユリウス王子と二人の男達の目には、彼女に対しての恋情が見えたからだ。

彼女に近付く男を排除しなければ。


俺が必ず彼女を手に入れる!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ