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アラン・ロズウェル

オレはアラン・ロズウェル

ロズウェル侯爵家の次男。同い年で幼馴染みのユリウス殿下の近衛騎士隊長をしている。


オレは昔から人と話しをするのが苦手で口数が少ない。

だがそんなオレでも殿下は気にしないで接してくれ、友と呼んでくれる。

そんな友を守りたくて厳しい訓練にも耐え続け、近衛騎士隊長になった。


そしてオレにはもう一人守りたい人が居る。

サラスティア・アズベルト

アズベルト公爵家の長女で殿下の婚約者。

幼い頃より殿下と婚約していた為、自然と殿下と一緒に会うことが多く口数の少ないオレにも気軽に接してくれた。

幼い頃は愛らしく可愛らしかったのだが、段々大人になるにつれて美しい女性に成長していく。

ある時オレはいつも彼女を目で追ってることに気が付いた。

最初は何故こんなに彼女が気になるのだろうかと不思議に思っていたが、彼女が殿下と一緒の所を見掛ける度に酷くイライラしている事に気付き自分の気持ちを知った。


・・・彼女が好きだ。


そう自分の気持ちに気が付いたが、彼女は殿下の婚約者。

叶わない想いと分かっていたので、その代わりどんな事からも絶対彼女を守ると心の中で誓う。


しかし、オレは彼女を守れなかった。

殿下の婚約破棄で傷付き家を出ていった彼女。

自分の不甲斐なさと殿下への怒りで自分がどうにかなりそうだった。出来れば今すぐ彼女を探しに行きたい!

しかし、殿下の近衛騎士隊長と言う立場がそれを許してくれなかった。

そんなある日、殿下の新しい婚約者が魔族の正体を現した為、オレ達騎士や殿下と共に止めは刺せなかったが撃退する事が出来た。

魔族の居なくなった城は、またいつもの平穏な生活に戻る。

しかし、彼女は居ない。


彼女の居ない生活に虚しさを感じていたある時。

殿下から思わない言葉を聞く。

彼女の居場所が分かったと。出来れば護衛に一緒に付いてきて欲しいと。

オレは直ぐに頷き一緒に行くことを伝える。

彼女にまた会える!

オレは歓喜にうち震えた。


彼女の今居るアルカディア王国に数日かけてたどり着き、直ぐに彼女の住んでいる家に向かう。


そしてそこで驚きに目を見張った。

彼女はそこで喫茶店を経営しながら働いていたのだ。

前の彼女からは想像出来ない姿だったが、満面の笑顔で働く彼女を見て更にオレの恋しい気持ちが強くなった。


夕方殿下達と共に彼女の店に訪れ、最初酷く動揺していた彼女だが落ち着くと家に上げて貰えた。

リビングに通され、彼女の直接入れてくれた紅茶を飲んであまりの美味しさに思わず美味しいと呟いてしまう。

そんなオレ達の素直な美味しいの言葉に、照れながら笑うその姿が可愛い。


殿下がこれまでの経緯を説明すると、彼女は最初その話しに驚いていたが最後には真剣に耳を傾けていた。

殿下が頭を下げて必死に謝罪した事で彼女の許しを得ることが出来た殿下は、そのまま彼女に跪き一緒に国に帰って欲しいのと、また婚約者になって欲しいと告げた。

・・・ふざけるな!!

一緒に来ていた彼女の義弟が咄嗟に婚約はしなくて良いので、一緒に帰ろうと告げたのでオレはそれに同意する様に頷く。

しかし彼女からはキッパリと婚約する事も帰る事も断られてしまった。

そして家から追い出されてしまったのだが、こんな所に一人置いて国に帰れない!


彼女の事は今度こそオレが絶対に守ってみせる!


そう心に深く誓った。

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