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7 続・職業

 ミスト去った後☆乙女☆と少し狩りをした。


月姫:プリうまくなったよなw

☆乙女☆:^^

月姫:女のプリってサボる奴多いからなwww

☆乙女☆:そんなことないよw攻撃する人が強いとあんまりヒルいらないだけだよw

月姫:そうかあ?w

☆乙女☆:ミストさんなんかめっちゃ堅いしさ

月姫:ああミストはかてえw


 ふと正樹は素朴な疑問をタイピングしてしまった。


月姫:もしかしてミストが好きなのか?


 少し沈黙が流れる。


☆乙女☆:黙っててくれる?

月姫:ああ

☆乙女☆:ミストさんこういうの嫌そうだしさ

月姫:そうだな韻律下がるしな

☆乙女☆:ありがと

月姫:でもミストっておっさんだと思うぞww

☆乙女☆:ちょwww


 ☆乙女☆はリアルでは正樹の一つ年下で今、女子高に通っているそうだ。☆乙女☆の個人情報は正樹しか知らなかった。ミストにすら自分が女だということをハッキリと示してはいない。

 さすがにミストも☆乙女☆を男だとは思っていないだろうが性別や実生活にはまるで関心がなさそうだ。ネット上だがもう四年の付き合いになる。

深いのか浅いのかよくわからない関係や親しさが不思議な魅力を醸し出すのが仮想現実かも知れないと正樹は思っていた。


月姫:そろそろまた受験だしちょっとインするの減るよ

☆乙女☆:らじゃー

月姫:乙女も勉強しろよ来年だろ?

☆乙女☆:どうするかなあ

月姫:ミストが言ってたぞ。好きな仕事しないと辛いってさ

☆乙女☆:好きな仕事かあ

月姫:何がしたいとかできるとかよくわかんね

☆乙女☆:姫は教えるのうまいじゃんw

月姫:え

☆乙女☆:姫のおかげで私遊べるようになったしねw

月姫:そうかwじゃまた困ったらなんか教えてやるおww

☆乙女☆:頼りにしてるww


 そういえば教えることが楽しいと正樹は気づいた。☆乙女☆に対してだけではなく部活の後輩にも色々教えることが多く慕われてもいた。(教えるねえ……)

志望大学のサイトを眺めてみる。(教職課程か……。採用が難しいんだろうな……)

 また今度考えようとサイトを閉じた。



 あれから正樹は頭から離れない教職について考え始め、夕飯時に家族に話してみた。母の洋子と姉の知夏と実夏は『あんたが先生~?』と言いながら疑わしい顔つきで見てきたが、父の幹雄は『いいんじゃないか』と賛成した。

 まったく何もなくぼんやり受験をするよりはモチベーションが上がり一つランクを上げることができた。先々の就職や採用に関してまで心配してもしょうがないのでとりあえず目の前の受験勉強を片付けることにした。


 正樹は幸運なことに家族や学校において頭を悩ませる出来事がほとんどなく、葛藤や怒り、反抗などの負の感情がないおかげで受験勉強もスムーズだった。(俺って順風満帆だよな)

 不満もなく強い欲求もなく落ち着いて過ごしてきたこれまでを振り返って素直に思った。(来年からは大学生だな)

 新しい環境を想像しながら少しだけインターネットを眺めて眠りについた。

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