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6 職業

 楽しい時間は瞬く間に過ぎる。あっという間にまた正樹は受験生になった。特に目標もなく自分の偏差値に応じた近い大学に行くのだろうとぼんやり考えながら月姫を操作していた。


ミスト:受験平気なのか?遊んでて

月姫:余裕w

ミスト:すごいなw

月姫:受験なんて暗記じゃんw考えなきゃ平気だよw

ミスト:まあそうだなw

月姫:今の仕事どう?

ミスト:なかなかいいねw給料安いけどw

月姫:でもイン率下がったね

ミスト:肉体労働だからさw眠いww

月姫:好きなこと見つかってよかったね

ミスト:彼女に振られたけどなww

月姫:ひでえwww


 気の置けない話をしながら目の前の大学受験とその後のことを考えた。(好きな仕事か……)

ミストは最初一般的に言う『いいところ』に就職したらしい。『いいところ』というのは収入の高いところと言う事だろう。

ミストは穏やかな性格で落ち着いていて親切だが冷めたところもあり何を考えているのか謎めいた部分もあった。しかし戦闘になると好戦的で熱かった。

『脳筋』ではないものの真っ先に特攻していくような前衛だ。おまけにプレイスキルが高く、多少の課金もしているので装備も良く獣人国家の中ではそこそこ目立つ存在でもあった。

 転職してから最近のミストはなんとなく戦い方が洗練されてきたように思う。『いいところ』で働いていたミストはここで鬱憤を晴らしていたのかもしれないと正樹はぼんやり思っていた。


 適当な範囲魔法で弱いモンスターを倒していると☆乙女☆がやってきた。


☆乙女☆:こん

ミスト:こん

月姫:こんー

☆乙女☆:今夜戦争いく?

ミスト:俺パス

月姫:え いかないの?

☆乙女☆:えー

ミスト:おじさん疲れちゃってさwww

月姫:年寄だなw

☆乙女☆:仕事つらい?

ミスト:まだ身体が慣れないかなw

月姫:でもリア充だよな

ミスト:まねw

月姫:ああ彼女いなんだっけw

ミスト:おまえもだろww

☆乙女☆:でもここでモテモテだよねw二人ともw


 ミストは戦士という職業柄、回復職の女にもてた。また月姫は女と勘違いされることが多く男から『姫』と愛称で呼ばれ人気が高かった。


ミスト:ここでモテてもねw

月姫:よく会ってもないのに好きになれるよなwww

☆乙女☆:そういうものなの?好きになったりしないの?

ミスト:俺はならないなあwゲームしたいだけだしw

月姫:遊んでて気が合う合わないくらいだよなw

☆乙女☆:なる~


 ☆乙女☆は好きな奴がいるのかもしれないと思いながら正樹はチャットを眺めた。ミストはよく回復職の女からよく誘われていて付きまとわれるのを見かけた。

 そういうことが起こると面倒なのかミストのイン率がさがる。こういうゲームの世界でも出会いを求めている人間がいると思うと不思議な気がした。(キャラ萌えしてるだけじゃないのか)

 ミストと自分の淡白さが似ているような気がして安心した。


ミスト:そろそろ落ちるよ

月姫:またノ

☆乙女☆:おつです^^ノ

ミスト:の

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