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2 狂戦士ミスト

「ただいま」

 正樹は元気よく玄関を開け階段を上がり二階の自分の部屋に帰ってきた。勢いのよい階段を駆け上がる音を聞きつけて洋子は正樹の部屋に行きノックをする。

「おかえりなさい。ちゃんとやることやりなさいよ」

「わかってるわかってる」



 洋子は肩をすくめて階段を降り夕飯の支度の続きを始めることにした。(幹雄の二の舞になったら承知しないんだからね)

 ここ一週間ほどパソコンに夢中になっている様子が手に取るようにわかった。洋子としては早く部活動を決めて学校生活の充実を図ってもらいたく、今日こそ夕食時に幹雄に厳しく言ってもらおうと思っていた。(ニートにするために美味しいご飯作ってるんじゃないんだから)

 ふんっと息巻いて洋子はまな板の上の玉ねぎを勢いよくみじん切りにした。



 正樹はゲームにログインし月姫を操作はじめた。レベルは五で初心者マークが名前の横についている。

まだレベルが低いので獣人国家とヒューマン国家の共通貿易港である港町の付近でレベルを上げるためモンスターを倒すことにした。

月姫は難易度の高い雷を扱う魔法使いで、スキルを発動させるタイミングに少し難色を示したが、柔軟性が高く若い正樹は上達も早かった。


 いつもの狩場にやってくると人狼タイプの狂戦士が狩りをしていた。名前はミスト。やはり初心者マークがついている。

月姫の白っぽいシルクのローブ姿と違ってミストは鉛色の甲冑を着て大きな曲刀を振り回していた。(どうすっかな。他所行くかな)

 少し躊躇って眺めているとミストが声を掛けてきた。


ミスト:hi

月姫:こんにちは

ミスト:ここ使いたい?

月姫:いえー他探すのでいいですよ^^

ミスト:ペアってもいいですよ

月姫:邪魔じゃないですか?

ミスト:ボーナスつくでしょ

月姫:ペアボーナス?

ミスト:うんうまいとおもうw

月姫:じゃよろです^^


 二人はパーティを組んでネズミのようなモンスターを狩ることにした。正樹は早々に自分のプレイスキルもなかなかだと自負していたが、ミストも結構な高プレイスキルだ。


月姫:ボーナスうまいですね^^

ミスト:でそw

月姫:ミストさんps高そうですねw

ミスト:ヲリは単純だからねwそっちこそ雷ウィズ難しいのに上手いねw


 正樹は褒められて照れた。

 二人で狩ると経験値が多くもらえ、しかも数をこなせるためレベルが大幅に上がって行った。

月姫はタクトのような細い銀色のスタッフを振るい電撃魔法の雨を降らせた。

ミストは確実に一匹一匹を素早く仕留めていく。


 そこへ母の洋子から「ご飯だよ!」の声がかかる。(あー。もう飯か……)

逆らうことはできない。パソコン自体取り上げられかねないからだ。(面白いのになあ)


月姫:ご飯になっちゃったのでそろそろ落ちます

ミスト:うん。またね

月姫:またよろです^^


 月姫の装備を修理し、ゲームをログアウトして正樹は食卓へと向かった。

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